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この恋は、叶わなかった。
実らなかった。
返事もなかった。
物語として見れば、きっと、失恋。
でも、琉叶は思う。
――それでも、恋だった。
手紙を書く前のドキドキも、
渡す瞬間の震えも、
待っている時間の苦しさも、
期待して、落ちて、
それでも想ってしまう心も、
全部、本物だった。
偽物じゃない。
無駄でもない。
意味がなかったわけでもない。
答えがなくても、ちゃんと恋だった。
琉叶は、心の中で静かに言った。
――ありがとう。
――好きにならせてくれて。
――苦しませてくれて。
――成長させてくれて。
この恋がなかったら、今の私はいない。
強くなれなかった。
優しくなれなかった。
自分の感情と向き合えなかった。
だから、叶わなくてもいい。
報われなくてもいい。
この恋は、私の中で、ちゃんと生きている。
教室の窓から見える空は、いつもと同じだった。
でも、世界の見え方は、少し違った。
琉叶は、静かに思った。
――次に好きになる人には、
――もっと素直でいたい。
――もっと自分を大切にしたい。
――ちゃんと、幸せになりたい。
そして最後に、小さく心の中で言った。
――さよなら、私の初恋。
この物語のタイトルは、
「1ヶ月の大好きと静かな答え」
でもいいし、
「1ヶ月の大好きと沈黙」
でもいいし、
「1ヶ月の大好き」
でもいい。
どんな名前をつけても、この物語の本質は変わらない。
これは、叶わなかった恋の物語。
でも、壊れなかった心の物語。
そして、確かに存在した、
ひとつの「大好き」の記録。