コンクリートの打継ぎ目の合間から、
数百本の白刃が切っ先を覗かせる醜怪なトンネル。
そこはまるで、25の歯列と300本の歯で獲物を切り裂くサメ、
『ラブカ』の口腔にいるかのような錯覚を抱かせた。
だが――。
「ああぁ…美しいぃ。これこそ、僕が求めていたものだよ…」
雲雀 京介(ひばり きょうすけ)の双眸には、
感動と感激の色が滲んでいた。
「ダーリン…ケガないぃ…?」
血を吐き、臓腑が地面に垂れたままの状態で鶫(つぐみ)が問う。
死の間際であっても、婚約者を思う鶫を直視できず、
累(るい)とあとりは目をそらすことしかできなかった。
「おい、鷹巣(たかす)…!今からでも、鶫を助けてやろうぜ!
ほ、ほら…医者につれていけば助かるかもしれないだろ!?」
「…無理よ。だって、彼女…もう痛みも感じてないんだから。
それに、ここには長くいられない…」
そう呟いて、雲雀に****************
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