嘘だ。嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!
sellyが死ぬわけない。嘘だ。嘘なんてつかないでくれ。
「ラダオ…なに、隠して、たノ…?」
「らだお!マンゴーが、マンゴーがッ…」
「ぁ…、」
「…」
いやだ。いやだ。おれじゃ無理なんだよ。助けれっこないんだ。そんな技術もないんだ。
院長だからって、とろさんほどエースだった訳でもない。ひなーのくらい世話焼きだった訳でもない。エビオみたいに面白くもなんともない。
「無理、だよ… 」
「らだお!我達に何を隠してるんだ!! 」
「らだおくん!」
「…おい」
「ぇ」
こわい、こわい。何もかもがこわい。
なんでおれは震えている?なんでぐちつぼは低くて怖い声でみんなを黙らせる?
もう、やだ…
「ラダオ、さいごに、ひとつ、お願いしてもいいかナァ…?」
「ッ、」
なんで、なんで笑うんだよ。なんでお前は、死にそうなのに泣かないんだよ。
なんで…なんでなんだよ…
「…ぎゅーって…しテ…」
…なんで、sellyは歪みなんかで死ななきゃいけないんだ?なんでなんだ?おかしいよ、死ぬならおれでいいじゃないか。
「ラダオ…お願い…」
「らだおッ…してやってくれ。」
なんで、なんでなんでなんでなんで!!
おれはなんて無力なんだろう。なんてばかなんだろう。助けてよ…
ー「らっだぁさん、切符だけ切らせてください。」
…ささ、さん?
「らだお!!クソッ…聞けよ!!」
「ラダ、オ…」
「らだおッ!!」
ー「いんちょー、こんとろ~」
とろ、さん?
「らだお!!」
「おいッ!!!」
ー「楽しかった、なぁ…」
…あの世界は、終わったんだ。
今おれは、この世界にいるんだ。
だけど、だけど…今だけは、今だけでもいいから。
ー院長として、人を救いたい。
「らだお…!!!なんでだよ…!!」
「らっだぁ。」
「市長?どうしたんですか…?」
「…許すよ。お前に託した。最悪の場合は、俺も少し役立つことをしてやろう。」
「…ラダオ、」
ー「家着いていってもいいんじゃないですか?」
ー「いんちょー、行きましょう!」
ー「らっだぁさん、いつもありがとうございます。」
ー「…あなたですよ、本当の白は。」
「ほら、いつもの服。」
「…しょぼすけ、ありがとね。」
「おう。」
「ラダオッ…ゲホッ、ゲホッ!!」
「なにしてんだよっ…らだおぉ…!!呑気に着替えんなよ!!マンゴーが死ぬんだぞ!?悲しくないのか!?」
「なんで死ぬって断言できるの?」
「は?」
おれは、人を助けなきゃいけない。
今は、院長だから。おれは、今だけは、
らっだぁだから。
「今からここで、手術を行う。警察署員、ギャング一同は本署に居てくれ。…見たいならみてもいい。」
「なに言ってるんだ…?らだおは警察だろ?手術なんて…」
「…らっだぁ…、アオセンが言ってるんです。はやく入りましょう。」
「…わかった。」
ありがとう、ぐちつぼ。本当にありがとう。
おれは、sellyを助ける。バレてもいいんだ。おれは人を助けるんだから。
「行くよ、selly。」
「…らだぉ、…アリガト、ウ…」
コメント
4件
あぁ美味しい^^ ありがとうございます^^