〜注意事項〜
・一話参照
・この物語は続きです。
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覚えているのは。
暗い部屋に閉じ込められていたこと。
何度も何度も殴られたこと。
お金のために売られたこと。
暴言を吐かれたこと。
仕事を任せられたこと。
沢山、それは沢山ある。
子供なのに、前世の記憶を持っているから仕事や言葉を理解し、喋ることもできた。
そのせいで、価値があるのではないか、と高い値段が着いたこともあった。
やはり、気持ち悪がられ捨てられるの繰り返し。
繰り返し事で前世の記憶を失いかけることだってあった。
それほど、辛い過去だったと思う。
ただ1人。
1人だけ。
手を伸ばしてくれたあの人は、元気に過ごしているだろうか。
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「ん…、ぁう、」
嫌な夢を見た気がして、目が覚める。
目の前にはtnがいた。
すうすう、と寝息を立てて寝ていた。
クマが見られることから徹夜していたと分かる。
ようやく寝てくれたのか。
カーテンから入る日差しに、目を擦る。
動こうとすると、tnが腕を曲げて抱きしめてきた。
ciはそれがどうにも嬉しくて、受け入れた。
「とん、とん…おはぁよ。」
「ん"…、んん、、ぁ??」
「んへへ、とぉと、ねむい、??」
「…んん、ぁ、ねてもぉた…、」
tnが目を覚ました。
身体を起こし、ciを膝に乗せて欠伸をする。
「はよ、ci…。」
「おはぁよ。」
「んん…お前が暖かいから寝すぎたわァ。」
tnはカーディガンを羽織り、立ち上がった。
勿論、ciを抱っこして。
「朝ご飯の時間になりそうやな、行こか。」
「うんっ」
扉を開けて廊下を歩いていると、zmとemが2人で窓の外を眺め話していた。
「あ、tnさんとciくん。」
こちらに気づくと、emは手を振った。
zmは駆け寄ってきた。
「おはよ!!tnのその顔久しぶりに見たわ。」
「どういう顔やねん…、」
「寝起きの顔!!寝れたんやね。」
「…うんん。」
tnは目を擦りながら頷いた。
ciはzmと手を繋いでいた。
「ぞむっ、きのう、ありがぁと。」
「ええんやで!!良かったな、ci。」
「うんっ、えみさ、ぞむっ、いっしょにいこ。」
「いいですね!!」
tnに抱っこされたまま、(zmと手を繋いだまま)歩き出す。
食堂に着くと、utがご飯を作っていた。
osとht、rbが手伝っているようだ。
「おはよーさん。」
tnが声をかけると、皆がこちらを見る。
おはよう、とそれぞれが言う。
tnはciを降ろした。
降ろされたciは走ってutの元へ行った。
「おはよぉっ、うつせぇせっ」
「はよー。あ、これniさんから。」
封筒を取りだし、ciに渡す。
ciはぶわっと笑顔で喜んだ。
「やったぁっ!!おすまっ、みて!!にいさ、のてがみー!!」
「良かったねぇ。うーんよしよし!!」
osに自慢すると、嬉しそうに撫でられた。
なぜ、そちらが嬉しそうな顔をするのかは、ciは分からない。
がちゃ、と扉の音がしてshpとkn、rpがやって来た。
「ciぉー…。」
shpはよたよたと歩きciの前で倒れた。
「んえっ、しょぴ!?」
「ciー…、ねむいぃぃ、」
「しょぴ、お、おきてっ、ゆかでねちゃだめっ!」
「起きたわ。」
shpは立ち上がってciを抱っこした。
ciはまた抱っこされてうんざりとしている。
抱っこされるのは嬉しいが、そればかりはつまらないぞ、と。
「ciさん!!隣で食べましょ!!」
「うん、いーよっ。」
「だめです、ciは俺の隣やもんねぇ??」
shpが笑顔で問う。
その笑顔は少し怖い。
「ぁえっ、ぇ、ぞ、ぞむぅーっ!!」
ciはzmに手を伸ばした。
zmはケラケラ笑ってshpからciを奪う。
そして、床に降ろしてやった。
ciはzmの足にしがみついている。
「おれ、ぞむととなりやもん。」
「も、もう片方の隣は俺やな??」
「だめー。とぉとんっ、がいるっ。」
「あ、俺!?」
予想外の出来事にtnは喜んだ。
shpはショックを受けてまた倒れた。
そんなshpを起こそうと揺すっているemを見ていると、osの通信機器が震えた。
「ん??あれ…B国からや。」
B国、という言葉を聞きciはぎゅ、とzmの手を握った。
「こちらWr国外交官os。どうぞ。」
『こちらB国外交官xx。os殿、そしてWr国にお話があります。本日、お予定はありますでしょうか。』
「ないです。ですが、要件を聞いても??」
『そちらはその時に話します。os殿、そしてそちらにいると噂されている子供は来れるでしょうか?』
「…何故でしょう。子供は安全が確信できません。連れて行くのは難しいですが。」
『ああ、そうですね。では電話越しで良いので子供と変わって頂けるでしょうか。』
osは少し悩んだ後、ciに通信機器を渡した。
両手で持ちながら、耳に近づける。
「…、はい、ち、ちぃの、です。」
『覚えているか??忘れたとは言わせない。B国へ戻ってこないか??』
「…ぇ、あ、な、なんでですか、」
『…戻ってこい。分からないか??お前は奴隷なんだよ。考える権利はないのだ。そして、今我が国では人体実験を行っている。対象は子供。分かるな??』
「…、ぁ、ぅ、」
『いいか。明日の夜、Wr国中央噴水で会おう。』
小さく囁いた。
ぶつり、と切れた通信を確認し、osに返す。
「なんて言われた。」
tnがしゃがんで問う。
「…おかし、ぱーてぃ、こないかって。」
「お菓子、パーティ??」
osがああ、と声を出す。
「だから俺とciが呼ばれたの??ええ〜、俺は分かるけど、なんでciの情報が漏れためぅ、」
ciはtnに抱きついた。
tnは抱っこして、頭を撫でてくれた。
「ことわっちゃった、い、いきたかった、??」
「まさか。ciの安全が1番めぅ。」
「…うん、」
tnは自分にしがみつくように抱きつくciに、不安を感じていた。
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「ci、今日は誰と寝る??tn??」
風呂上がり、zmの膝の上に座っていた。
「ひとりで、ねるのはだめ、??」
「…ええけど、大丈夫なんか、??」
「だじょぶ、」
そう言うと、zmはciに布団をかけた。
「…ci、なんか悩んでる??少し顔が頬張ってる気がするわ。」
「…ぞむ、おれのこと、わすれない、??」
「忘れるわけないやろ!!」
わしゃわしゃッ、と少々乱暴に頭を撫でる。
「…やくそくね、わすれないでね、」
「勿論や。ciは俺の仲間やろ。」
それからぽん、と頭に手を置いた。
「ここで寝やぁ。俺は仮眠室で寝ることにするわ。」
「うん、ありがと、、おやすみっ。」
「おやすみ!!」
zmに手を振り、振り返される。
扉がかちゃん、と閉まった。
それから数秒後、がちゃ、と開いた。
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「来たか。」
ciは震える足でなんとか噴水までやってきた。
男は全身隠せるほどの黒いローブのようなものを着ていた。
ciの手首に縄を縛り、無理に引っ張って引きずっていく。
「…っ、いた、いたいっ、」
「うるさい。お前は奴隷だ。忘れるな。」
ビシンッ!と叩かれる。
「…ぅ、ぞ、ぞむ、」
自分から決意し、ここに来ると決めたのに、やっぱり離れてまた辛い思いをするのが怖くなってしまった。
zmに言えばきっと助けてくれたはずだ。
なのに、自分は昔のトラウマに縛られ、ここに来てしまった。
彼を、裏切ってしまった。
「このクソ奴隷がッ!!お前のせいで総統閣下は消息不明になったぁッ!!カッコよく、輝いていた我が国は、変わったのだ!!」
ゴツッ、と殴られ思わず頭を手で守る。
「いいか!!お前は奴隷であり、考える権利などない!!全てを忘れろ!!感情だって、記憶だって!!お前は言われた通りにすればいい!!」
Wr国を離れる。
木々の中を通っていく。
隙間から見える月は、まるでciを嘲笑うかのようにギラギラと光っていた。
草々は、ciの腕足をちりちり、とくすぐった。
全てが彼の敵だった。
zm、という彼はciを忘れない。
そう、約束したんだ。
彼は、ciを忘れない。
皆は、ciを忘れない。
ぐわり、ciの頭がぐるぐる回る。
自分が奴隷であること、が頭を支配して行く。
ああ、忘れてしまうのか。
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ガラガラ、と車がやってきて、黒いローブの男と、乱暴に連れて行かれている子供を見つけた。
「…はぁ。」
またこいつ、やりやがったな。
ため息をついて、男の腕をぐい、と掴む。
「なんだっ!?…って、ぁ、!!」
「君さ、まぁた悪さしてんの。」
「…ち、ちがいますッ、こいつ、元奴隷で、」
「言ったよね俺。総統閣下は変わったの。今は、俺が総統閣下なの。昔のあんなクソ野郎の言いつけを守らないの。」
指先を男の首に当てる。
「俺何回言ったかな。次悪さしたら、首飛ぶよって。前回、最後だとも言ったよね。xx外交官。」
「ひ、ひぃッ…違うんです、!!くそ、このガキが、!!」
男は拳で子供を殴りつけた。
子供はよろめいて、その場に背中から倒れてしまった。
そのまま、男は子供の上に馬乗りして、殴っていく。
その拳を掴み、グリッと逆方向に回す。
「ぅ"ぐあッ!!」
「…はぁ。首チョンパでよろしくー。」
「はーい!!」
明るいオレンジ色のパーカーを着た男は、黒いローブの男を拘束し、連れて行った。
あんなヒョロそうな身体だが、力はあるようだ。
確か、筋肉ムキムキで筋トレ好きの弟がいるんだったかな、血は繋がっていない弟分が。
うーん、と考えながら子供を抱き上げた。
「大丈夫じゃなさそうだね。拉致されたね。」
頭を肩に乗せると、ふわふわとした髪が首をくすぐった。
早足で城に向かうことにした。
彼は、ここ運営国(旧B国)の新たな総統閣下、rdである。
そして、オレンジ色の彼はrdの親友、Nt国の総統閣下、pnである。
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「pn、知ってる?この子、」
「え、知らないっ!!rdの知り合いだと思ってた。」
「知らないよ。xx外交官の処罰目的だったからね。」
「ああ、納得!!rdが、知らない子供助けるはずないもんなっ!!」
「は??」
rdはpnの頭をぐりぐり、としてやる。
すると、pnは謝罪を何度も何度もし始めた。
2人の前には小さなベットがあり、そこに子供、ciが寝ていた。
手当は済ましてある。
「ていうかさ、処罰のためだけに俺呼ぶのやめてくれるぅ!?俺も総統閣下で忙しいんだからねー!!」
「ごめんごめん。まあ、pnだしいっかって。」
「俺の扱い雑じゃね??」
「気のせいだよ。」
なんて、よくある会話をしていると子供が目をぱちぱち、と動かせた。
「あ、起きた。」
「…ん、ぁぅ、??」
「大丈夫??起きれるかな」
pnが声をかけ、手を差し出した。
その時だった。
子供はその手を弾いて拒んだ。
それから2人を拒絶するように目を見開いて震え出した。
「え、ぁ…ごめんっ、傷つけないよ!!」
「大丈夫だからほら、おいで。」
と、言うが言うだけ子供は涙をうかべた。
「ひっく、ひくっ…ぐす、うわぁぁん、」
「ど、どうしよう!?」
pnはあわあわとしだし、その場をくるくると回転した。
rdは子供を抱き寄せて、ぽんぽんと背中を叩く。
子供は最初のうちは抵抗したものの、次第に安心してきたのかrdの肩に頭を乗せた。
「よしよし、いい子だね。お名前は言えるかな。」
「…ぅ、ひっく。ち、ちぃっ…の、ちぃの、」
「ciね。分かった。ありがとう。」
rdは抱っこして、よしよしと撫でる。
ciはrdに抱きついた。
「え、あ、あの…ci、??」
pnが手を差し伸べると、
「やぁだッ!!うわぁぁんっ、ひくっ、」
怖がってしまい、pnを傷つけた。
それはrdにとって、とても滑稽であったのは内緒である。
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「どこから来たのか、わかる??」
rdが尋ねるが、ciは首をこてん、と傾げるだけだった。
「わかぁない。」
「うーん、俺もわかんない。」
「んへ、おそろいね、」
「うん、お揃いだね。」
んへへ、と笑うciのほっぺはもちもちしていた。
rdはそれを触りながら、また尋ねる。
「家族は??知ってる人とか、覚えてる人はいない??」
「…??わかぁない、」
「分からないかぁ。」
「あっ、ら、らだ、らだぁっ、!!」
「俺は覚えてくれたの??嬉しいなあ。」
うん!うん!と元気よく頷く。
ciは完全にrdに懐いているようだ。
「あそこのオジサンは??」
「おいいっ!!まだオジサンの年齢じゃない!!」
「ぺ、ぺいん、ぺぇとっ、?あぇ、??」
「ぺーいーんーとっ!!ci、言ってみて!!」
pnが近寄る。
ciはだいぶ慣れたらしく、怖がらなくなった。
「ぺぇ、い、ん、とぉ。」
「繋げてみて!!」
「ぺぇとっ!!」
「んあーっ!!」
がくんっ、と肩を落として笑う。
惜しいんだよ!惜しいんだ!!!
rdも合わせて笑うと、ciは2人を交互に見て嬉しそうにきゃっきゃっと喜んだ。
rdの通信機器が震えた。
「お、ようやく来た。」
と言って、rdはciをpnに渡し、通信機器を耳に当てた。
pnはciと手遊びをし始めた。
「こちらrd。どーぞ。」
『こちらqu。どうしたん??』
「quさんって顔広いじゃないですか、だから人探しできるかなって。」
『人探し…??いいですけど。』
「じゃあ、明日運営国へ来てください。待ってます。」
『はーい。』
ぶつり、と切る。
pnが首を傾げて尋ねた。
「誰から??」
「quさんから。」
qu。夏になると、全国を誘って肝試しや、大会を開くため知名度の高く、顔が広い国だ。
それに、安全一番の国であり、戦争も滅多に起きないのだとか。
子供を預けるには最適だろう。
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「ci、今日から別の国行くけど優しい人だから大丈夫。」
「…ほんとっ、らだは、??ぺぇとは、??」
「また会いに行くよ!!」
pnにわしゃわしゃ、とされる。
ciは目を細めて、頷いた。
ガラガラ、と車が入ってくる。
「あ、quさーん。ここでーす。」
rdが手を振ると、車が止まり、中から猫のフードのようなものを被った男が出てきた。
「いやぁ、遅れてすみません。」
「いえいえ。この子です、名前は…」
「えっ、ci??」
「んぇ…??」
quは目を見開いてciに近寄った。
「ci、お前っ…!!よかった、!!」
「んわっ、ぇ、??」
ぎゅっ、と抱き締めるとciは気がついたように抱き返した。
「知り合いだったの!?」
pnが驚くのも、仕方ない。
「何年か前、うちの国に来てたんです、酷い扱いされて紐で縛られてたから、必死に辞めるように言ったけどその頃、自分は総統閣下ではなかったから、どうしようもなくて、」
ciはその暖かい手を覚えていた。
1人だけ、手を伸ばしてくれた人だ。
「ci、お前元気にしてたか…??ちょっと、痩せとるなぁ。」
「くぅさっ、くぅ、さっ、!!」
「ci、おいで。」
抱っこされると、ciはquにしがみついた。
「知り合いだったんですか!!」
pnがrdの肩を揺さぶりながら問う。
「そうやね。ほんと、ciを助けてくれてありがとうございます、rdさん、pnさん、」
「いえいえ。うちは外交官処罰目的でしたから。」
「そうですよ!!!!!いやぁよかった!!またね、ci。」
手を振ると、笑顔で振り返す。
「…もぉ、あえないの、??」
うるうる、と目が涙で溢れていく。
pnは慌てて飛び跳ねた。
「まっっさか!!また会うよ!!絶対会う!!」
「…ふふ、じゃあquさん、宜しくお願いします。」
「はぁい。」
車に乗ると、quの膝の上にciが座り、ぎゅと手を繋いでいた。
窓からこちらを見ている。
それがどうにも可愛らしくて、2人は悶絶するしか無かった。
「…ねえ、rd。」
「なに。」
「ci、って名前さ、どっかで聞いたことない??」
「…pnも??」
車は完全に遠く離れて行った。
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「…くぅさ、そのばっちなぁに??」
「この猫のバッヂ??これはね、Q国象徴的なやつやね。」
「き、きゅう…こく、??」
「そう。僕が新しく建国した国。昔は、他の国におったんやけど…ああ、ほら。ciと初めて出会った時もそう。」
昔は、色んな国を転々としていたらしい。
今では、総統閣下になり国を作って大規模な大会を開くまで。
「…ようやく、ciを救えるんや。僕、ずっと後悔してたんだ。昔、ciを救えずにいたこと。」
「くぅさ、おかしたべたい。」
「…あはは、ciは呑気やなあ。」
quは箱からキャンディを取り出した。
「はい。これあげるわ。」
「ありがぁとっ!!」
「いいえ〜。」
ぺろっ、ぺろっ、とキャンディを舐める。
そんなciの頭を撫でながら、quは車の窓の外を眺めた。
色んな国々を通っていく。
「…、慌ただしいな。」
ひとつ、ザワザワと慌ただしい国を通り過ぎていった。
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騒がしい声で、zmは目を覚ました。
仮眠室は多少の防音があって、静かなのだ。
ぐいー、と身体を伸ばし部屋を出る。
「zmさん!!!!!」
shpが走ってきて肩を掴んだ。
zmの寝起きだった頭がパチッと機能した。
「ど、どうしたん、」
shpがこんなに慌てるのは酷く珍しい。
「ciがいません、!!zmさん知りませんか!?」
「え、ciが!?!?」
zmはshpを無視して走り出す。
自分の部屋を開けるが、そこには誰もいなかった。
状況がつかめず、その場で立ちすくんでいると、インカムからrbの声が届いた。
『こちらrb。監視カメラでciを発見。会議室集合頼む。』
zmは手を握りしめた。
強く強く、涙をこらえて握りしめた。
「…zm。」
tnがzmの手を包んで握る。
ジンジン、と手のひらが傷んだ。
「きっとまた会える。ciやぞ。人懐っこいアイツなら、きっとすぐ戻ってくる。」
行こう、と引っ張られる。
胸が寂しい。
抱っこが癖になっていたから、どうしても寂しく寒かった。
そんな胸を自身の腕で包むしか無かった。
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「ここ。昨日の夜中に、ciが外に出ていくのが見られた。」
rbにパソコンの画面を見せられる。
zmは小刻みに震えていて、そんな背中をemが優しく撫でていた。
「なぁ、zmはなにしてたん。」
knがzmをじと、と見つめる。
emがzmを自分の後ろに下げた。
「責めるような口は寄せてください。責任は、俺たちにもあるやん、」
「…zmは、なんで昨日別の部屋で寝たの。」
「ciに、なにか言われためぅ??」
止めようとするemに肩をぽん、と叩きzmが口を開いた。
「…1人で寝たいって。」
「なんでそれを素直に」
「shoさん。」
前に乗り出したshoの腕を、rpが悲しそうに引っ張る。
「…あと、忘れないでねって、言ってた。それだけ、覚えてる。ご、ごめん。」
「…忘れないで、って。俺たちがそれだけciを傷つけたから言ってるんじゃないすか。zmさんだけが、最初は味方だった。悪いのは、zmさんだけじゃない。」
shpが俯いたまま呟く。
tnが頷いた。
「ciは、昔のようなciじゃなかった。どこか、俺たちに怯えているような、感じ。傷をつけた量は、俺たちの方が多いぞ。」
「…せやな、すまん、zm。混乱してたわ。」
「俺こそ、すまん。」
knが少し頭を下げると、zmも下げた。
そして、rbが書類を見せた。
「ciが連れ去られた、ということでいいだろう。それで、候補の国はこいつらや。」
並べられた国々の中に、昨日の通信があった国の名前を見つける。
分かりやすく、目立つ赤色の線で囲われていた。
「1番怪しいのはB国って言いたい所なんやけど、どうやら名前が無くなってる。消滅したか、改名したか、や。」
「もっと、警戒するべきだっためぅ。」
「それは俺達もや。」
tnが腕を組み、考え込む。
「じゃあ、元B国があった場所の近くの国とかを見たらどうや。例えば…ここ、とか。」
「そうやな。…ut、em。2人でこの国に潜入してくれないか。」
「え、僕はええけどぉ、zmちゃうの、?」
「まずはciの安全確認だ。zmとshp、まあ俺もだが。俺らが行くと暴れる自信しかない。」
「…分かったわ。ut先生、車出すわ。用意してくれ。」
「はーい。」
2人が会議室を去っていく。
zmはその場にしゃがみこんだ。
「忘れてないよ、ci。」
そう、いない彼に言い聞かせて。
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「どう??変ちゃうよね。」
「はい。あー…でも、煙草は止した方がええかも。」
utは胸ポケットに入れた煙草の箱を車にポイ、と投げた。
emも帽子を被り直し、歩き出す。
「…そこのお嬢さんっ。」
「…え、ぁ、はぁいっ!!」
「この国に、先日くらいから子供を見ませんでしたか??」
キラン、サラン、と自分の髪を人差し指で弄りながら問うutを、emは呆れて見ていた。
「…えぇとっ、なんででしょうかぁ。」
「噂を聞いたので。それより、お嬢さん綺麗ですねぇ。」
「えぇ…。そんな噂、知りませんよぉ。」
ナンパを始めるutにemが慌てて駆け寄る。
そんな時だった。
「僕のツレに何か用ですか。」
ガタイの良い男が目の前に立つ。
「ひぇっ…、」
utの情けない声が漏れてしまった。
emがutの腕を掴み、引っ張る。
「…一旦引きますよ、!!」
「あれ、その声って!!」
女がemの腕を掴み、引き寄せる。
emは目を見開いて頬を赤らめた。
「やっぱりぃっ!!emさんだぁっ!!」
「え、sn…さん!?!?」
「僕だよぉっ!!なぁにしてるのっ??」
リボンを取りカバンにしまうと、特徴的な薄紫色の髪型が見えてきた。
化粧もしているらしい。
「ちょっとsnくん、変装しないと。」
「ああ、ごめんごめんtrさんっ!!」
「え!?!?trさんじゃないですか!!」
ガタイの良い男はtrだったらしい。
コートの下には迷彩服が隠れていた。
「あっちに、krさんもいますよ〜。2人はなんの用でこちらに??」
trが指差す方向には、車があり中にkrがいるらしい。
「ci探しっすね。ciがここの国に連れ去られた、らしいので。」
「そうなんですか!?!?」
「snー達は??」
「僕達は、怪しい外交官調査で来てます!!」
「ちょっと、声量考えてください!!」
trがsnの口を抑える。
もごもご、とsnが何かを言うが、聞こえない。
「その、外交官ってxxって名前だったりしませんか、?」
emが問うと、snがうんうんと頷く。
「ciさん誘拐犯はそいつってことですか??」
「そうだと思われます。」
「はえー、trさん!!pnさん、rdさんに伝えといた方がいいんじゃない!?!?」
「そうだね。」
trが通信機器を持って離れていく。
utが顎に手をやり尋ねた。
「rdさんもなんすか。」
「そうそう。なんかrdさんの国にスパイとして来てたらしいですよ〜??もう、rdさん率いる運営国の皆様カチンッてきちゃったらしくて。」
「そちらも大変ですね、」
「それより、ciさんと会うの久しぶりだなぁ!!今世ではまだ1回もないから!!」
わくわく!と腕を振るsnにemが申し訳なさそうに言う。
「ciくん、5歳児くらいの身体です。どうやら、産まれてくるのが少し遅かったらしいです。それに、彼は今世大変な人生を歩んでいます。」
「…なにがあったの。」
「聞きたないと思うで。」
utが横目でsnを見る。
snは真面目な顔でemとutを見た。
「僕は、僕がciさんの友達の1人だと思うんです。だから、彼のことを知らずには居られませんよ。」
「ふふ、せやなぁ。教えてやるよ。」
utが手招きをする。
snがutに着いて行った。
emは待機中のkrに挨拶だけでも、と近寄って行った。
色々と謝罪
・wrwrd以外のキャラの登場
(口調や性格等が曖昧な部分が多数。
ここ違うよ!などがあればコメントへ。
書くのに苦戦した人達は、名前だけしか出てこない可能性もあります。)
・ここが意味不明、理解不能の場合はコメントにて質問してください。今回語彙力が消えかけて、変な部分が多くなってしまいました。
2話の視聴数300超えてました!!
(1話も400超えそうです!
ありがとうございます!!!!!!!
是非今回もいいね押してください✨️✨️
モチベーションが爆上がりします!!
コメント
15件
まだ3話だというのにこの満足感…一生ついて行きます
マジで神だなと思ってた小説に推しのらだぺん出てきで無事死にました 主さん小説作るの上手すぎる✨