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SixTONES/○○闇堕ち 共依存
樹side_
最近、SixTONESとしての活動が調子良くて、
今日の楽屋は皆絶好調。という雰囲気だった。
🎶「「1.2.3.4.
あえて言わないけど なぁ本気で思ってる」」
京本大我とジェシーの発声練習が聴こえて、
もうライブが終わるっていう不思議な感覚。
そろそろ声出しはしておこうか。
最終日の大トリ、 音色。完璧に仕上げる。
🎶「~愛や恋越えて時代や老いも君と見たい
いや、 見るんだって」
まぁいつも通りか、なんて喉を慣らす程度の 声出し。皆それぞれに歌ってる。
高音は苦手としているが今日は凄く調子が 良いと、今の発声で絶対的にわかったから。
バラバラに歌ってても音がどれも全部綺麗な
この光景を見て聴くのが好きなんだ。
🎶「…有り得ないところまで 心が動き出す~」
🎶「何気ない言葉すら ひとつひとつ
この胸を奪っていく」
皆軽く喉を使い慣らしているだけなのに、
楽屋がほぼライブ会場。
この俺らしか味わえない空間って感じが 俺は大好きで、本当に心からSixTONESが この6人で良かったってライブの度思える。
「裏にスタンバイお願いしま~す」
いよいよ、俺らの初ツアーライブ最終日。
「はぁ、マジで音外しそう~」
声からしてわかる。緊張気味のきょも。
「だ~いじょうぶだって なんとかなる」
いつもチャラけるはずのジェスも大人しい。
「はぁあああ こぇええええ」
最年少、森本慎太郎。笑顔が絶えないが彼の
マイクを持つ手が震えていた。
「大丈夫。だって、俺ら、SixTONESだから。」
自分自身だって緊張で声が震えているのに、
最年長だからと気を使う髙地優吾。
「…大丈夫。きっと、絶対大丈夫。」
周りに聞こえる小声で自分に言い聞かせる
松村北斗。
「初ツアー大成功!!!WeareSixTONES!!!」
俺は正直言うと緊張してない。俺はこいつら 信じてるし。こいつらとなら全て上手くいく。
そして俺らのツアーライブ最終日が始まる。
🎶「有り得ない音がする 心で絶え間なく」
🎶「他愛ない一秒も 深く深く
この胸に刻まれていく」
🎶「ありきたりなキスをして」
🎶「凡庸なラブストーリーが丁度いい 」
🎶「~あぁこれから見たことない色で
まだ知らない音色ができてく
君といれば素直な音がすんだ
このまま一緒に歩いて行こう」
「はぁ…まじ最高。」
音色を歌い終えた。歌のパフォーマンスは 終わった。立ち話が始まる。
「俺さぁ、北斗の一発目でマジで涙腺崩壊」
俺の本音、嘘なんてつかない。強がらない。
俺の中のルール。ライブは本当の自分で挑む。
「…んな事考えてたら泣けてきたわ」
小さくなって涙を流す俺に一番に駆け寄って 来たのは北斗だった。
「…俺、本当に、SixTONESで良かった。」
正直いつも聞く言葉でいつも言葉に重みは あったが今日のは特別だなって思った。
北斗は本音を隠す。俺らから距離を置く。
そんな北斗の本音。多分今後一切聞けない、、
「俺、ずっとオーディション落ちてたから、
受かった時は本当に嬉しかったけど、
俺には才能なんてないって言い聞かせて、
社長直々にスカウトされた人、オーディション 一発で受かった人とは差があるからって、 ずっと避けてた。 今日本当なら、絶対逃げてた。
でもやっぱり、お前らといる時の、温かさが、
俺を、逃がさなかった。嬉しくて、今までの 自分が惨めに思えて、悔しくて、ずっと俺を 信じて待っててくれた奴らの事を、、俺は、、
信じきれてなくて、自分が愛想撒かなくても
いいやって甘えてた。馬鹿だった。
俺は、、俺は、お前らが本当に、大好きです。
ずっと、信じててくれてありがとう。
これからもずっと、一緒にいてください。」
北斗は、心に秘めてた自分を全て出した。
俺らの知らない北斗。ずっと一緒だったのに 知らなかった。行動言動でわからなかった。
北斗の心の内が全て吐かれ、会場は沈黙に 包まれた。嗚咽がずっと聞こえる。
SixTONESメンバーからも、客席からも。
皆泣いてた。俺が1番泣いてた。北斗を中心に 5人が囲うような構図、さっきまで立ってた 俺らは皆膝から崩れ落ちた。
この本音が聞けた、もう誰も話せる状況では 無いことは確か。俺は皆を近づけてマイクを 切って耳打ちした。
「「「「「わかった。」」」」」
「いいかぁああぁぁあ!!!!俺たちがぁあ!!!」
「「「「「「SixTONESだぁあああ!!!!!!」」」」」」
これがSixTONES一発目のツアーライブ、
もうJrじゃない。ここは俺らだけのステージ。
俺らがSixTONESだから。上手くいった。
「あぁ、泣き止まねぇえ」
笑い混じりに顔をぐちゃぐちゃにした髙地が 言った。
「あれは不意打ちにも程があるってぇ」
慎太郎もボロボロ。ただ笑顔が絶えない。
「はぁ、ッ…、、」
きょもは言葉を発せないくらいに嗚咽して、
「いいこと聞けたよ。嬉しかった。」
なんて漫画の台詞みたいに。
「えへッあぁ、泣く予定無かったけどな」
皆が泣いてる場でも強がってか泣かない ジェスが今この場で1番泣いてる。
「つらぁ…マジで引きずるこの話。」
場を和ますような言葉は見つからなかった。
多分このまま泣いた方がいい気がした。
「…、、ッ」
北斗が端で、ずっと泣いてた。
「言わなきゃ良かった、だから、こう、ッ」
他4人も泣き止む気配が無く、北斗を慰めに 寄り添いたかった。だけど、
「俺、俺なんか、…また、、こう、やって…」
今日はこのままでいいのかな、このまま家に 帰る、それでいいかな。
俺のそんな浅はかな思考がSixTONESを 壊した。
多分、もうあの頃のSixTONESは 戻ってこない。
全員がそう思った。