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あれから3年の月日が経ち、季節は巡ってまた「春」がやってきた。
私の大好きな季節の到来。
太陽の優しい光に照らされて、桜の花もそろそろ満開になろうかというポカポカと温かい日々。
たまたま自分の名前にも「桜」という漢字が入っているけれど、実際、桜は私の1番好きな花だ。
桜木 琴音(さくらぎ ことね)、25歳。
162cmで体型は普通だと思うけれど、美容師の友人にスタイリングしてもらった髪型はかなり気に入っている。耳から下に向かって緩くかけたシンプルなパーマスタイルのロングヘア、ラベンダーベージュが春らしくて嬉しい。
私は、今、外車の販売店「AYAI」で正社員として受付、事務などの仕事をしている。
広くて洗練されたショールーム、そこには何千万もするようなピカピカの外車がいくつも並んでいる。その横に立つと、私の笑顔など一瞬でかすんでしまう。
私以外の女性の先輩達はみんな美しい人ばかりで、最初はかなり場違いなところに就職してしまったと恥ずかしくなったけれど、みんなすごく性格が良くて、社内の雰囲気にもすぐに馴染むことができた。
全く知らなかった外車の世界。
なかなか奥が深い業界で、難しい専門用語を覚えるのはとても大変だ。免許もない私だけれど、飛び込んでしまったからには早く仕事に慣れるよう精一杯勉強して努力している。
「琴音ちゃん、おはよう」
「あっ、綾井店長。おはようございます」
「早速悪いね。後でこの書類15セット、コピーお願い」
「はい、わかりました」
綾井 俊哉(あやい しゅんや)、31歳。
ここの店長で、外車販売グループ「AYAI」の社長の次男でもある。
身長は178cmあるらしく、確かに細身でビジネススーツがかなり似合っている。
髪型も、ビジネスシーンにピッタリな清潔感溢れる黒髪のナチュラルショート。軽くワックスをつけてトップに自然なボリュームを出している。
上が黒縁、下がノンフレームのシックなメガネをかけていて、秀才風の爽やかイケメンだ。このお店の雰囲気にぴったりなオシャレを心得ている。