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 しあわせだ。きっと、“人”はこれをしあわせという。居場所があって、信頼できる仲間があって、そして、そして……そう、そうなのだ。きっと、きっと……

 ー返してよ、私の異能。人間風情のくせに、一丁前に人間らしく生きないでくれたまえよ……。

 パッと目を開ける。そこには、あの気色悪い“俺”ではなく、×××××の姿があった。

「×、××!」

 俺は××に声をかける。××は、今まで見たこともない陽気な笑みを浮かべた。

「起きられましたか。……心配しておりましたよ」

「わ、わりいな! ちょっと、昨日の二日酔いが……」

「昨日は旺盛でしたから、仕方があるまい。」

「すまねえ。……で、今日の任務は?」

「お忘れですか? 今日は、“星”を刈りにいくのですよ。」

「ほ、星?」

「ええ、星。この世に散りばめられている小さな小さな恒星を、僕たちが刈り取ってしまうのです。」

 ××は変なことを口にする。俺は思わず首を傾げた。

「なぜ、星を刈りにいかなきゃあならねえんだ?」

「……星が、××幹部を“此処”に留まらせる理由になってしまっておられるからです」

「……は?」

 怪訝な顔をしてしまう。だが、××は至って真面目だ。そう、此奴は変な冗談を云う奴ではねえから……

「僕が、星を刈り取って差し上げます。そして、あなたには帰ってもらわなくてはなりませぬ。この盲目な献花を差し上げたくはございませぬ。」

 ーさあ、時だ。交換しよう。

「だ、誰だ!」

 ー私は君だ。そして、君は私だ。君は君を壊してしまった。うまく扱えなかった。だから、こうして君の部下が君の尻拭いを始めてる。君があの時仕留めておけばなあ……“星”は砕け散ったのに……

「なに、訳の解らないことを……!」

 ー星は希望だ。私たちのような異能力者には、特に。だが時には絶望になる。君は考えたことがあったかい? もし、太宰治が死んでしまって、君の異能が剥き出しのまま世に放たれてしまったら、と。

「……」

 ーこの世に救済はない。一切、ありはしない。何かを誰かを信じていても、結局は……裏切りで終わる。



I have spent all my years in believing in you, but I just could not be given salvation! Why? why!? I should believe something?

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