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「先生……」


胸の中で、何気なく呼びかけると、


「なんですか?」


と、穏やかな声音で問い返された。


「まだ、なんだか信じられなくて……」


気持ちのままを伝える。


「ならば、あなたが全てを信じられるまで、私は待っていますから」


唇に優しげな口づけが降りて、


「急がなくてもいいので。焦って答えを出そうとしなくてもいいのですから」


啄むようなキスが幾度となく繰り返される。


「ん…」


思わず声が漏れると、彼は「ふっ…」と小さく笑い、


「このまま、また抱いてしまいそうだ……」


そう呟くや、私の僅かに開いた口端くちはを割り、挿し入れた舌で上顎をねぶり、口内のより深くを探った。


「……起きないと…先生…」


込み上げる恥ずかしさに、その胸を軽く押し返す。


「もう少しだけ……」


彼が低く甘ったるく囁いて、艷やかに濡れる唇が押し当て、息も継げない口づけを迫る。


交わすキスの合間に、微かに零れる彼の吐息に、感じていることが知れると、私自身も、もう少しだけこのひとときを過ごしていたいと思えた……。

「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

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