テラーノベル
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「ちょっと待ってみんな……気づかなかった……?」
一瞬、教室中の視線が彼女に集まる。みんなが息を呑んで彼女の言葉を待った。
「どうしたんだよ……リーダーがそこで動揺していいのか?」
源喜が再び金属バットを握りしめ、皮肉っぽく言った。
雫は深く息を吸い込み、震える声で言った。
「……先生がいない。梶原先生が……」
その言葉に、一同はハッとしたように動きを止める。
「あいつだけ逃げたんじゃね?」
「卑怯だよな。梶原ってそういうとこあるし」
男子たちの間から軽蔑混じりの声が上がるが、誰もその場で動こうとはしなかった。教室内に、疑念が広がる。
すると、スダが冷淡な笑みを浮かべながら、ゆっくりと口を開いた。
「そうですね。実は彼が最初に目を覚ましてしまいましてね……
催涙ガスの濃度を上げたんですが、どうも効き目が弱かったようで」
その言葉を聞いた瞬間、ハルキは何かを思い出す。梶原先生は女子には丁寧で親切だったが、男子、特に自分のような弱い立場の生徒には横柄な態度を取っていたことを。何度もタメ口で指図された記憶がある。
スダは話を続ける。
「それで、立ち向かってきたんですよ。んで、結果として、こうなりました」
スダはゆっくりと掃除用具入れを開けた。その瞬間。
そこから転がり出たのは、血まみれの梶原先生の遺体だった。
教室中に悲鳴が響き渡り、恐怖と絶望がピークに達する。誰もが硬直し、目を見開いてその恐ろしい光景を見つめていた。
遺体の顔は血の気を失い、死後硬直が始まっていた。梶原先生の姿は、もはや人間のものとは思えない。
スダは遺体を一瞥し、何事もなかったかのように、掃除用具入れの扉を静かに閉めた。
「……こうなりました」
その一言が、教室の空気を一層凍りつかせる。
兵士たちが動き、再び黒い布を広げ、梶原の遺体に覆いかぶせた。その音だけが、異様に大きく響いた。
教室には死と恐怖の空気が濃密に充満し、すべての生徒たちはその冷徹な現実を受け入れざるを得なかった。
コメント
1件
うわっ……読んでて背筋が冷えたわ。最後の「……こうなりました」の一言がめちゃくちゃ怖い。スダの淡々とした口調と、掃除用具入れから転がり出た梶原先生の遺体のギャップがエグすぎる。雫が「先生がいない」って気づいたあたりから、嫌な予感がしてたけど、ここまでハッキリ見せられるとは思わなかった。ハルキが思い出す「梶原先生の男子への態度」も、この展開に説得力を持たせてて良かったわ。次が気になる🔥
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