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それは突然の出来事であった
先日の休日のことである。オーストリアは子供と共にレジャーを楽しんでいた
しかし、その日の夕暮れ、彼の子供は誘拐された
必死に探したものの、見つからず途方に暮れるオーストリア。しかし翌日、その犯人と思われる人間から電話があり、その男は子供を返して欲しかったらバルカン会社から退けとのことだった
オーストリアは検討すると話した。それを聞いた瞬間、
男は子供を殺した。その音声は電話をにしっかり残っており、オーストリアにもはっきり聞こえていた
これが火種となり、オーストリアは復讐として
男の住所を特定。直々に殺害した
結果、男はバルカン会社の人間であり、列強の傘下に入ることを嫌っていた
これに対し、バルカン会社はオーストリアに強い恨みを持つようになり、数日後オーストリアの会社本部にデモを起こした
🇦🇹「バルカン会社だろ?どうってことはない。
力でねじ伏せてやるよ」
部下1「それがー…彼らの背後にはロシアがついてるとのことで…」
ロシアはバルカン会社に拡大しようとするオーストリア達を阻止しようと事前に彼らと密約を交わしていた
部下2「申し上げます!ドイツがバルカンのデモを鎮圧するのに協力するとのこと!」
🇦🇹「よし来たか…全員でバルカンを追っ払うぞ!」
ドイツ帝国の行動に目をつけたのはイギリスとフランス。このままあっさりと鎮圧されては権益を彼らに取られる可能性がある。2人は鎮圧に介入することを決めた
これが、大規模な争いへと発展することになる
一度ドイツとオーストリアに鎮圧されそうになるバルカン会社の人たち。そこにロシア、イギリス、フランスの連合軍が到着した
彼らはドイツとオーストリアの社員を押さえ込もうと力を加えていく
🇬🇧「ドイツ!オーストリア!さっさとバルカンから手を引くんだ!」
ド帝「黙れ。貴様らも狙っているだろうに!それに貴様らが干渉する筋はどこにある!」
やがて警察が来たため、デモは強制的に抑えられた。だが、ここで終わるはずがなかった
🇬🇧「ドイツやオーストリアは後々脅威になる…ここで潰しておかなければ今後がまずいです…そうだ」
日帝「はいもしもし」
🇬🇧「私と共にドイツ帝国達を倒しませんか?」
先の騒動の噂は日帝も承知済みであった
しかし日帝自身は何もしなくても良いと考えていた
日帝「どういうことです?」
🇬🇧「そのままです。バルカン会社の為にも、
彼らを再起不能にするのです」
日帝「再起不能…?具体的に」
🇬🇧「彼らの本部に襲撃し、捕縛することですかね」
日帝「そこまでする必要ありますか?」
🇬🇧「私だってここまでしたくはありません…
しかし、そうでもしなければ彼らは力づくでバルカンを手に入れるでしょう」
それでもまだ悩む日帝。そこに禁断の一言が放たれる
「ドイツ帝国が持っている青島の権益は貴方にあげます…」
清の継承者は日帝であるものの、まだ権益な半分は列強に取られており、あまりよく思わなかった。もし参加すれば、権益を手に入れられる…日帝の心の底にあった欲望が疼き出す
「分かりました…」
雪の降る頃、イギリス、フランス、ロシア、日帝の4人は列強連合本部に集合した
🇷🇺「これから俺たちは、ドイツ帝国、オーストリア帝国を襲う。目標は彼らの捕縛だ」
🇫🇷「ヘックション!なんでこんな寒い時に…」
🇬🇧「イタ王からドイツ達はバルカンを襲うと狙っているとの情報をもらいました。やられる前にやりましょう」
日帝「…。」
刀や銃を装備しながら進んでいくイギリス達
クリスマスが近いこともあり、街はライトアップされている
日帝「クリスマスまでには終わらせましょう」
🇬🇧「当たり前です」
数時間後、フランスとロシアはオーストリアに
イギリスと日帝はドイツの会社に到着した
🇬🇧・🇷🇺「進め」
小さな合図と共に、社員達は一斉に会社に突入した。入ると案の定、銃を構えていたドイツ社員達がいた
建物のない場はたちまち、銃声に包まれた
部下「早速来ましたね」
ド帝「我がドイツの戦力に奴らは勝てるのかな?」
お互いに銃を放ちながら戦う社員たち。イギリスは真剣に見つめているが、日帝はソワソワしている
順調にドイツ社員達を後ろへと追いこめていくイギリス社員達
階段を上っていくうちに待っていたのはーー
🇬🇧「この匂い…ゲホッゲホッ!」
なんとドイツ社員達は階段に向かって有毒ガスの瓶を投げつけていた
おかげですぐに階段は有毒ガスで充満し、倒れる社員も現れ始めた
部下「一度退くぞ!このままじゃ全滅だ!」
担ぎながら撤退するイギリス社員達。それを後ろからガスマスクをつけながら狙撃するドイツ社員達
日帝「ゲホッ…皆さん…こっちへ」
安全な路地裏へと避難させていく日帝
周りを確認しつつ、負傷した社員達を手当する
🇬🇧「毒ガスとは…卑怯な」
社員達「ゲホッ!ゲホッ…おえぇ…」
🇬🇧「フランス、そっちの様子は?」
🇫🇷「ゲホッ…こっちも有毒ガスをやられたよ…いつあんな兵器を用意したのやら…」
どうやら彼らも同じ手法で苦しめられていたようだ
これを対処するにはガスマスクをつけて侵入する他ない
🇬🇧「彼らはガスマスクをつけてます。もしこちらに来られたらどうしましょう…」
日帝「…俺が奴らを引き寄せて、その隙に貴方達がやるってのは…」
🇬🇧「…勇気と無謀を履き違えないでください」
日帝「なっ…どうして?」
🇬🇧「貴方1人では絶対にやられる。ましてや実戦経験のない貴方が」
強気なイギリスの言葉に日帝は謝罪する
🇬🇧「いえ…これも貴方には死んでほしくないものでして…」
日帝「せめて見張りはさせてください」
イギリス達が攻撃を始めて一週間。戦闘は膠着した。ドイツ帝国は追い打ちをかけてくるかと思いきやそんなことはなく、ただ窓から銃を撃っているだけだった
社員1「…今頃他の街では皆んなクリスマス楽しんでんのかな…」
社員2「なんで俺たちだけ…」
日付はクリスマス。今日も今日とて社員達は薄暗い路地裏で灯りを灯しながら作戦を練っていた
クリスマスまでにはこの争いが終わるばすだと思っていた社員達は意気消沈していた
「これ…よかったらどうぞ」
後ろからやってきたのは日帝。数少ないチョコを社員達に渡した
社員達「えっ…いいんですか?」
日帝「いいんだよ。今日は一年に一度のクリスマスだからな」
喜びながらチョコを食べる社員達。それを微笑ましそうに見つめる日帝
それと共に早く終わらせなければならないという思いも強まった
🇬🇧「あの…日帝さん?」
日帝「おや、イギリスさん」
何やら物を抱えてきていたイギリスがやってきた
🇬🇧「ちょっとこっちきていただけますか?」
連れてこられたのは人気のない場所
日帝は何が何だかわからない
🇬🇧「日帝さん…この争いが終わってからでいいです。わ、私と…」
日帝「???」
🇬🇧「私と…!」
ドオオオオオン!!
突然大きな爆発音と衝撃波が2人を襲う
日帝はイギリスを抱えるように倒れ込む
「大丈夫ですか!?」
「え、えぇ……」
方向はドイツの会社の方向。
向かった先に目に入ったのはバルカン会社の社員達がドイツ帝国の会社に火炎瓶を投げつけていたのだ
🇬🇧「な、何をしているのですか!?」
ユーゴスラビア(以下ユ)「出てこないならさっさと焼いて殺してやるんだよ!」
日帝「待て、そんなに刺激したら…」
ドドドドドド…
上からドイツ社員達の銃声が響く。彼らは下にいる日帝達を狙って撃ち続ける
日帝「逃げますよ!」
ユ「チッ…仕方ねぇ」
だが彼らの行動が甲斐あってか、会社は下の階から燃え始めた
🇬🇧「さぁ…どうする?」
部下「下の階から火が迫っております!どうしますか?」
ド帝「非常階段から降りて、裏側から回って奴らを殺すのだ」
部下「了解!」
銃を持った社員たちは急いで階段を下り、裏口へと出た。そして、狭い道を通り…
日帝「何も出てこない…諦めたのか?」
社員「大変です!大通りからドイツ帝国の社員達が!」
ユ「は?あいつら出てきたって言うの?」
ド帝「ここまでは予想できなかったのか?意外だなぁ。非常階段さえあればこんなの余裕さ」
後ろを振り返ると銃を構えている者が既に並んでいた
それに対してこちらは今、ほぼ丸腰状態である
🇬🇧「まずい…これは…」
日帝「イギリスさん、彼らを遠くへ」
🇬🇧「前も言ったでしょう?貴方はー」
日帝「そんなこと言ってる場合じゃないです
俺が奴らを足止めする」
ユ「たった1人でそんなことできんのか!?」
日帝「ユーゴスラビア、火炎瓶はまだあるか?」
ユ「まだたくさんあるぜ」
彼はユーゴスラビアとイギリスに作戦を伝えた
🇬🇧「…絶対に、生きて帰ってくださいね」
日帝「はい、命は懸けても、捨てる気ではないので」
日帝を信じ、イギリスとユーゴスラビアは社員達を遠くへ逃すよう連れていく
大通りには日帝が1人立っている
ド帝「へー、1人だけか」
日帝「1人だからこそできるんだ。お覚悟願おう」
刀と火炎瓶を取り出す日帝
銃を構える社員
ド帝「全員、放て!」
「列強連合で大戦、連合軍危うし、か…」
オフィスの新聞で大きく書かれている記事に興味を惹かれる男が1人…
「日帝…」
連合軍に刻まれている一つの名前
かつて数十年前、一度だけ聞いた名前
その少年は今や、列強の一員になっていた
「親父も危ないみたいだし、これはひとっ走り仕事かな!」