テラーノベル
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6話目
気絶した秦中をおぶり、春城たちはたかはし邸へと向かった
「ここが俺ん家だよ
部屋いっぱいあるし好きに使ってよ」
春城たちはあまりにもな豪邸に絶句していた
「ご家族の方は…」
「うちの両親貿易商でさ2人揃って船で外国駆け回ってるから滅多に日本に居ないんだ
半年に1回会うか会わないかだよ〜」
「へぇ、それは寂しいね」
「え?なんで?誠くんもいるし、知らない外国の話やモノ持って帰って来てくれるからむしろどんどん色んな国行って欲しいなぁ」
「やまざ、…誠くんもこの家に?」
「うん僕も10年くらい前から居候させてもらってるんだ」
『ドッペルゲンガーは自然発生型の妖怪だ』
「そうなんだ…だから家族も家もなかったんだけど、明君が僕を気に入って家に置いてくれてるんだ
だから明くんは僕にとって友人でもあり恩人なんだ」
「まぁ結果俺の方が誠君にお世話されてるんだけどね〜
で部屋だけど、狭いけどこの部屋ベット2つあるからここで2人寝かせてあげて」
『…バグってんな…』
春城はおぶっていた秦中を窓際のベットに寝かす
「そうだ!お客様はもてなせって母様が言ってたっけ
とりあえず今朝近所のオババの庭から取ったザクロでも出そうか!」
「あ!君はまたそんなことして!」
「じゃあ切ってくるからゆっくりしてて〜」
「あ、色々ありがとうね」
「気にしないでよ
困った時はお互い様だし」
「確かにヤンチャだけど悪い子ではないみたい」
『……どうかな…』
「え?」
『うーにゃ?なんもねぇや
人型疲れた…入道、肩つかまってていいか?』
「え、嗚呼
重いって言ったらすぐどいてくれよ」
『うっす』
春城は入道の肩にもたれ掛かると、狐の姿に戻る
「あ、そっちか」
【…嗚呼】
そしてたかはしと山崎がいなくなり少しすると秦中は起き上がった
【そろそろ話してもいいんでない?】
「!お前気づいて」
【まぁな】
「?」
「あのな…身体が消えかかったんだ」
「「身体が消えかかった?」」
「嗚呼、今はなんともないけど人攫いを追ってる時確かに俺の身体は透けてた
他にも秦中のマフラーも同じ現象が起こってた… 」
「えなんで俺のマフラーが!?」
【消えかかったのは俺も見た、お前が気絶してる時にな】
「は?」
「確かそのマフラー奥さんに貰ったやつだよな?」
「あ、嗚呼…」
「これはあくまで俺の推測だけど…ここでの俺たちの行動次第で未来が変わるかもしれない
攫われたあの赤ん坊、母親が”一”って呼んでた」
「”一”って君のお父さんの名前じゃん」
「だとしたらもしあのまま攫われてたら俺が生まれてくる未来はなくなってた
だから俺の存在が消えかかった」
「じゃあ飯綱くんのマフラーが消えかかったのは飯綱くんが荊棘さんに嫌われまくって2人が結婚しない未来になりかけたってこと…?」
【まぁそうだろうな】
「なら俺らはここではもう何もしない方がいいのか…」
「いやそうもいかないみたいだ
親父が人攫いから助けられたのだって、俺たちがあそこで手助けしたからだろ?つまり俺らの元いた時代は既に俺らがこの明治の時代て行動しまくった上で成り立ってる時代なんだと思う
秦中も言ってたろ
荊棘さんに出会った頃から好かれてたって」
「それってもしかして…飯綱くんは荊棘さんを許嫁から略奪しなきゃいけないってこと?」
「それ俺すっげー嫌な奴じゃね?」
「もう一縷の望みをかけてその許嫁がすっごいクズとかであってくれと思うしか…」
【…】
「へぇーメガネのお兄さん本気で荊棘と結ばれるつもりなんだ」
「本気だったんだ…」
「いいじゃん俺応援する
面白そうだし」
【本音そっちだろ】
「面白そうで人の恋事情に首突っ込むなよ」
「君どこから聞いてたの?」
「荊棘を許嫁から略奪ってあたりだよ
で?どうやって荊棘を口説くつもり?」
「え!?えーっと…」
「ならちょうどいいのがあってさ今夜鬼妖怪が集まる夜会があるんだ
俺は父親の代わりに行かなきゃ行けなくてさ
そこに神酒家はいやでも来るだろうから荊棘に会えると思うよ
俺の友人ってことで連れてってあげようーか?」
「鬼妖怪だけのパーティーがあるんだ…」
「この時代の妖怪は種族によって明確に階級が違うんだよ」
入道は安倍に小声で伝える
【…】
「妖力や妖術の強さ、知能の高さで階級が決まり、それらの能力が高い鬼妖怪はみんな階級が高かったてわけだ
逆に動物妖怪はどの能力も高いとはいえない
鬼と動物妖怪の身分差を考えたら、山崎さん達が秦中と荊棘さんは絶対結ばれないとおもうのもとうぜんだよ」
【大前提の基準が全く違うからね】
「! 飯綱くん!行こう!夜会!鬼妖怪がなんぼのもんじゃい!君の愛の力は誰にも負けないって見せつけてやろう!」
「愛の力ってお前よくそんな恥ずかしいこと言えんな…」
【…だってよ入道】
「黙れよ…ん?」
【どった?】
入道はドアの方へ歩いていく
「暗!…君」
「ッ…」
「!泣いてんの?」
「見間違いだよ!目ぇ悪いんじゃないの!?」
「いや俺視力はいいから!130.0あるし!
ってちょ!あ〜…!あ!待てよ暗!!」
【うえ!?ちょ入道!!?】
「あちょっと入道くん!!」
【夜会は大人たちで頑張れよ〜!!!!俺は入道に着いてく!!】
「お前らも気をつけろよ!!」
入道は暗を追っていく
鬼妖怪の夜会に参加した晴明一行、晴明がダンスで阿波踊りを披露し、飯綱は婚約者と出会ってしまった頃…入道は暗を追っていた
「なんで追ってくるんだよ!!」
【!ちょ!前!!!】
「!?ぎゃっ!!」
暗は前にいたマンドラゴラに引っかかり盛大に転けていた
「大丈夫か!?」
「大丈夫ちゃうわ!
時代が時代なら切り捨て御免やぞ!」
「あ、ごめん…えっと…あ!飴玉あった!これで何とか許して貰えないかな…」
入道はマンドラゴラに飴玉を差し出すとマンドラゴラは受け取り、めっちゃ美味だったらしい
「で大丈夫か?」
「なんなんだよ…アンタらも兄さんの友達なんでしょ」
「いや…友達っつーか助けられたんだよ
…何兄貴のこと嫌いなの?」
「嫌い以上に怖いんだ…」
【分かる】
「お前は黙っとけ」
「僕昔からいじめられっ子だったんだけどある日兄さんがそのいじめっこを呼び出してそのまま行方不明になった」
【わお】
「翌月本州山奥の寺で修行僧になってるのが発見されたよ
しかも人格は聖人君子になっててあと頭に大きな縫合痕…」
「それ相当法外なことやってね…?」
【こんな時からイカれてたのか…】
「僕を助けるためかと思ってけど、ただ”弟を助けた”という免罪符が欲しかっただけなんだ
しばらくして別の子にまた虐められるようになったけど…兄さんにバレたくないし…いじめっこを庇ってるんじゃない…他人に危害を加える兄を見てそれが自分の血縁と思わされるのが嫌なんだ
嫌いだ
聞いさんも周りの奴らも…普通の家に生まれてこなかった自分も」
【…(少し前の入道みたいだな…)】
「うん
その気持ちわかるよ
でももうなっちまったもんはしょーがねーんだよ」
「!」
「どんなに呪っても恨んでも変えられないことって割と結構たくさんあって、なんかもうそれについて諦めるしかないんだよ
でもそんなに変えられない事実に足を引っ張られて先の人生まで台無しにされるのって癪っつーか悔しいじゃん
そこで足掻いて足掻いて事実ごと変えようとやつもいるけど俺はそこまで負けず嫌いの才能ねーし…だったらもう諦めることはスパッと諦めて他んとこで死ぬほど幸せになってやろうや」
【!】
「まぁた人の不幸を望むと自分はもっと不幸になるって言うしな
お互い不幸に足引っ張られないように生きていかねーとな」
「うん」
「【!?】」
「てめぇ暗!!」
後ろから声が聞こえると女の子が暗のことを蹴飛ばす
「人ん家の前で何やってんだ?またイジメられたいのかコラ!」
「ひ、ヒロちゃん…」
「えっ!?いじめっこってこの子!?この子って…」
『ちょ、大丈夫か?立てるか暗くん』
「お前かい…」
『え?』
「た、たまたま転んだのがここだっただけだよ!」
「なんだ!?やんのかコラ!」
「やんないよ」
『ちょいちょい!待って待って!』
「なんでいつも意地悪するのさ…ヒロちゃんの…
「『!!?』」
「んだとクルァ!!」
「ぎゃっ!」
「コラッ!暴力はダメだって!いやまぁ想像以上の攻撃力の高い言葉で返してびっくりしたけども!」
『暗くん!!離れるぞ!』
「うるせぇ!なんだお前!!」
「ったくもー!可愛い顔が台無しだろ」
「え…な、…なんだよ…」
「ヒロちゃん
このお兄さんに恋したの?」
その瞬間ぐーが飛んできた
「…いつも乱暴なヒロちゃんが恋したお兄さんには優しくなった
そうかお兄さんみたいに女の子にモテたら僕もいじめられなくなるかも…!」
「『え』」
「ありがとうお兄さん!希望が見えてた!」
「え、あっ…うん…え!?」
『…これ女癖悪くなったのお前のせいじゃね?』
「ま、まぁそれで暗の人生が明るくなったなら…」
そして2人とは別れ街を歩いていた2人
「はぁー…暗の女癖について怒りづれぇよ…」
『ま、まぁ…自信がついたならいいじゃね?』
「よりによってバカとすっとこどっこいしかいないメンツなんだ!俺がしっかりしねぇと…」
『俺は馬鹿じゃないよね???』
「あてっ…あ、すみません」
「いえこちらこそ」
「『尾形…っ!?』」
「え?」
『ッなんでもないです!人違い!』
「びっくりした〜…!あんまりうろついて知り合いと接点持つと怖いな…」
『早く戻ろうぜ』
「うん、…でも昔尾形を見たことあるが普通に子どもの姿だった気がするんだけど…神様って俺らや人間と歳の取り方違うのかな」
『さぁ神様に聞いてみなきゃわかんねぇな』
「あの」
『「ん?」』
「すみません
人を捜しておりまして」
「!?佐野…!」
『こんにちは、どんな特徴かな?』
「えっと黒髪で目付き悪くて…」
『黒髪、…俺じゃない?』
「違いますよ!!!そっちの方は…って…あの〜」
「あっごめん知り合いに似てたもんでつい見つめちゃった
あとそんな人も見かけなかったや」
「そうですか…ありがとうございます…」
『変に関わらない方がいいよな…?』
小声で入道に耳打ちすると入道は首を縦に振ったがその後の恵比寿に見てられず結局…
「ハァ…!」
「へぇ…一緒に来たお供の人がいるの…」
「うん
僕妖怪の島って初めてでさ」
『そうなんだな、』
「物珍しくてついあちこち見てたら気づいたらいなくなってて
でも見つかんないのも困るんだけど、見つかっても怒られるよぉ〜!僕の連れすごい怖いから」
「やっぱアンタアイツに似てんな」
「そういえばさっき知り合いに似てるって言ってたね」
「あぁ
顔は俺らの友達と先生に似てるんだけど、性格はその…恩師に似てるかも」
『えー!?似てる?』
「いやだってこの前も」
入道は山で毒キノコに囲まれて熊と蛇と蜂とイノシシに襲われている話をする
「って具合で変な先生でさ」
「そんな人と似てるって言われたの僕…やだなぁ
でも僕の連れに似た人もいるんだね」
「なにおまえの連れもそんな奇行に走んの? 」
『絶対違うだろ』
「うん!僕の連れも_________」
「…へぇそうなのか」
「あ!いたぞアイツだ!」
『!』
「よう俺の部下が世話になったそうだな」
「え」
『「入道/お兄さん!!」』
入道は路地へ連れていかれ投げられた
『この子が一体何したって言うんだよ!』
「春城!」
春城は入道と2人組の男の間に入る
「そいつがうちの後輩にナメたことしてくれたらしいな」
「それで腹いせしようってか?とことんクソだな」
「いいや?ただの取り調べだ」
「よく見たらその妙な髪の色に妙な着物
お前らがいちばん怪しいからな」
『へぇ〜』
「盗っ人には手抜きで俺には随分仕事が早いのな」
「だから苦労して警官になったのさ」
『そりゃあ本当にご苦労なこった…だけどなぁ…お前らみたいなのはすぐいなくなるぜぇ?』
「は?」
「そうだな…!残念だな!せっかく警官になってもお前のようなイキリ警官
そのうち時代に消されんぞ!もうこの時代は今後の妖怪界を変えてくれるやつらが生まれてんだからな!」
「チッどうやら少々痛めつけないとわかんねぇみたいだなあ」
『へぇ〜子どもに剣〜?陰湿で本当に救いようのないクズだなぁ?』
「その口黙らされてやるよ!!」
『俺の目を見たな…!?』
「!?なんだ、身体が動かない…!」
『ふん!!』
「!」
「て、てめぇ!なにしやがる!」
その瞬間後ろの警官に瓦が落ちてきた
「ギャッ!」
『わぁまじか!?』
「!なんて不運な…いや…あいつか!」
「はわわ!!すみませんでも子供相手に刀を振るのは良くないかと…!」
「じゃあ瓦を落とすのはいいのか?あ?」
「ぼくもよくないです!!」
「おい!そいつに手出すな!」
『チッ!』
【グルルルルッ!!】
「わっ!?狐…!?」
春城は九尾の狐に戻り、少年の前へでる
「警官に逆らうつもりか?お前らまとめて牢にでも」
その瞬間警官の肩から血しぶきが飛んだ
【!】
「あの…その方俺の連れなんで、乱暴にしないでくれません?」
「ギャア!!」
「なっ!」
【てめぇ…!】
「だから妖怪の島に行くのは反対だったんですよ」
【お前…】
「【…倉橋…?】」
「お…遅いよ〜!!!もう少しで僕牢屋に入れられちゃうところだったよ!?あだっ!!!?」
恵比寿らしき少年に頭の上にチョップが降る
「いっそ入れて欲しかったですよ
すぐウロチョロして」
「ごべんなさい…!」
「さてお説教は後です 」
「え今のがお説教じゃないの!?」
「僕がいいと言うまで目を瞑っててください」
「う、…うん」
「勝手に開けたらお説教3時間コースから5時間コースに延長です」
「3時間は確定なんだ…」
「そのまま目ぇ開けないでくださいね」
「ひっ!」
「やめっ!」
『やめろ』
「…放しなさい、貴方から殺します、よ…結月…さ、ん?」
『は?』
「それはやめとこうや」
「『!』」
『うっ!』
「春城!」
春城は蹴飛ばされ剣が降ってくると倉橋ぽいお供は剣を弾く
「わ!なんか足元に刺さる音が聞こえたんだけど!!」
「まったくもーこの島で面倒事は勘弁してよね〜ただでさえ今夜はあちこちでゴタゴタしてるみたいなのに君らの相手までしないといけないなんて」
『!』
「さて争い事は起こしたくないんだ
その警官傷つけたのは見なかったことにしてあげるからさここは帰ってくれないかな」
「…お言葉ですがこんな人達生かしておいても貴方達になんの利益にもなりませんよ」
「わかんないかなぁ」
「『!』」
「!君!」
「貴方!」
『…ッ……烏天狗のお兄さんは見逃してやるから引けだとよ…!』
「…お互い守りたいモンあるでしょ」
『手引いてくれないですか、あんたの連れを巻き込んだのは悪かった』
「… 」
2人は剣から力を抜き、鞘へしまう
「もう目を開けていいですよ」
「おっす!」
「高天原に戻りますよ」
「えっ!?もう!?」
「どこかの誰かさんが迷子になったので時間切れです」
「あっすみません…」
「ではまたどこかで」
「…悪いけど金持ちの顔しか覚えられないんだよね」
『ッ…』
「おい春城!大丈夫か!」
『大丈夫大丈夫!気抜けただけ……』
そして春城と入道はたかはし家へ戻り秦中たちの帰りを待っていた
「あ!玉緒!起きてたのか!」
「おう!」
『良かったよ』
秦中たちが帰ってきたのは朝方だった…しかも何故かボロボロだった
『!?』
「お、お前ら…何があったんだ…」
「まぁちょっとな…」
「あつい友情を交わしてたのさ」
『んで、いい大人がボロボロになんな!おバカ!』
安倍と秦中は夜会であったことを話した
「夜会でそんなことが…まぁ一応言っておくが俺らの時代では医療も発展して少なくとも寿命70年ってことはないから 」
『それでも他の妖怪より短いけどね』
「まぁな、ホラ
春に身体測定で動物妖怪だけワクチン打たれたろ?あれができてかなり寿命が延びたんだぜ
ってか率先してそれの開発に励んだのが…」
「お兄さん達怪我大丈夫?」
『ギャー!!!出た!!』
ドアを開けて入ってきたのはたかはしだった
「酷いなぁ人をおばけみたいに」
『お化けはお化けだろうがよ!!?』
「それよりも昨日の病院から傷薬かっぱらってきたから手当してあげるね」
そうしてアルコールらしきものを安倍の傷口にドバっとかける
「雑雑!」
『ちょ、薬箱貸せ!俺がやるから!』
「え〜!あ、そういえば一つ目君さ
暗になにか言った?なんか帰ってきてから鏡の前でオシャレしだししてさ〜」
「え!?い…いやぁ思春期だろ?」
『そーだよ』
「ってか随分帰ってくるの遅かったね何かあったの?」
「えっと…(昨夜のこと話すべきなんだろうけど…)」
『…フゥ…』
「んもう色々ありすぎて説明できねぇ!」
「よくわかんないけど本当に色々あったみたいだね
春城くんも怪我してるし」
『転けただけだ』
「え?」
「詳しくは元の時代に戻ったら言うわ」
「そう?」
『そっちの方がいいな(今は余計な話で困惑させるべきじゃないってのは入道も同じ考えだろうな…)』
「秋雨くん体調どう?」
「まだ人型になる妖力は回復してないぞ
ごめんよ…」
「何言ってんのさ!神通力が使えたんだよ!?これで補習はクリアだよ!」
「俺お前のそういうとこ尊敬するわ…」
「俺も」
『見習いたいよね〜』
「あとは婚約者問題だね!2人は荊棘さんの婚約者について何か知らないかな?」
「たしか羅刹家の長男坊だね」
「鬼妖怪の中でも神酒家に次ぐ豪族だよ」
『……』
「羅刹って鬼妖怪の羅刹鬼のことか!」
「妖怪名でもあるんだねどれどれ」
安倍は服の中からユルっと妖怪辞典を取り出し羅刹鬼について調べはじめた
『どこから出したよ』
「うひゃ怖そう」
「羅刹家は元々東北中心に幅を利かせていたから、鬼妖怪界隈じゃ東の羅刹家
西の神酒家って言われてたくらいだよ」
「それがなんだい!だったら愛知出身の飯綱君は”真ん中の秦中家”だぞ!!?」
「いやムリヤリ俺ん家をねじ込まれても
神酒家の本拠地入ってるし」
「それって明くんの家よりも権力があるのか」
「もちろん
ホラ、港の方にでかい家がある
あそこが羅刹家だ」
『…』
「主に本州に住む妖怪こっそり人間相手にも商売してるとか…」
「もうこの時代から人間と裏で繋がってる妖怪がいたんだな」
「ただその商売品ってのにどうもきな臭い噂があって」
「噂?」
「なんでも売り物は妖怪自体だーとか」
『!』
「!それって人身売買じゃないか!」
「まっ噂だけどね」
『じゃあちょっと待て…お前さっき…東の羅刹家、西の神酒家って言ったよな…?そのウワサが本当ならば…』
「うん、神酒家と羅刹家が組んだら誰も逆らえないだろうね
あの校長先生でも厳しいかもね
僕は権力とかどうでもいいけど奴らにでかい顔されて僕の行動が制限されたら困るんだよね」
「もしかして君遠回しに晴明たちに婚約破棄という名目で羅刹家の悪事を暴こうとしてる?」
「さぁ?」
「よ…」
『?よ?』
「よっしゃー!!!悪い奴フラグ立ってきたー!!」
「こりゃあいい婚約破棄の免罪符だぜ!」
「そこでテンション上がんのか」
「でも暴くってどうやって?
あの屋敷の警備は厳重だっていうよ?」
『まぁ豪族だもんなぁ〜…』
「そこで君の出番だよ」
「え」
安倍と秦中、春城、たかはし、山崎は羅刹家の近くの川沿いまで来ていた
「ね、…ねぇ…やっぱりムリだよ〜僕がねずみ先生に化けて潜入なんて…」
「大丈夫大丈夫」
「うん君はね?」
「僕の百々目鬼の力で君のお腹に僕の眼をつける
僕は五町(約540m)までならどこまでも眼を生やせるからね」
「じゃあ君が全部視てくれよ」
「視ることはできても声は聞こえないしそれに眼を出したところにたまたま誰かいたら即バレるよ」
「確かに」
「でも君の眼を通して最低限周囲を見渡して人が来たら伝えるよ
右側から誰か来たら右の手に左なら左手に眼出すからそれが出たらすぐ隠れて」
「俺たちは?」
「僕が妖術で視界を共有させるから目をつぶれば」
「おお!」
「俺らが視える!」
『…便利ねぇ』
「だから万が一の時は…!」
「「『助けに行く要因!』」」
「わかったよ…もし本当に羅刹家が悪いことしてるなら見過ごしたくないしこの屋敷に何かあるはずだから」
『…学生の君にこんなことを頼んでしまって申し訳ないし、不甲斐ない……けど絶対助けに行くから』
「春城くん…」
「何かあったら僕も助けに行くよ」
「君が来るのは羅刹家に捕まるより怖い」
ドッペルゲンガーの山崎さんは羅刹家へ入り込む
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