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『何処だろう、』
キョロキョロと、彼を探す。
彼の事だ、きっと掃除をサボって
休んでいるに違いない。彼の休憩スポットを
くまなく探す。視界の端に目的の彼を見つけ
名前を呼びながら向かう。
『あ!ラムリ〜!!』
「あ!主様!やっと会えました!数日主様に会えなくてホントに寂しかったんですよ?」
修学旅行に言っていた私は数日ここを空けた
毎日来ているからか、ラムリはとても
寂しかったらしい。
なので彼にピッタリのお土産を買ってきた。
『ごめんね、でもその代わりラムリにピッタリのお土産買ってきたんだ!』
「え!?ボクにですか!?嬉しいです!」
目をキラキラと輝かせ今にも飛び跳ねそうな
彼を見ているとそれほど嬉しいのだと
嬉しさがこちらにも伝わってくる。
『コレだよ!』
「コレは…なんですか?」
取り出したのは五角形の箱。
中央が少しとんがっている変わった箱だ。
『ふふーん!コレはね〜』
『映画っていうか、本っていうか、魔法使いが出てくるお話の中の”カエルチョコ”って言われてるお菓子なんだよ!』
そう、あの遊園地(テーマパーク?)
に行く事が決まった時に
コレを彼に買おうと思っていた物だ。
彼はカエルが好きなのできっと、
喜んで貰えるだろうと期待を込めて渡した。
案の定彼は「ボクの為にわざわざ選んでくれてありがとうございます!とっても嬉しいです!」と言ってくれた。
その後彼は私に素朴な疑問をぶつけた。
「でも、主様、コレってどうやって食べるんですか?」
『あ、…』
そんな声が口から漏れ出た。
彼にそのお土産を買うことだけを考えて
どうやって食べるかなんて考えていなかった。
『えーっと…と、とりあえず取り出してから考えよ!』
「そうですね!」
取り出すと中には10cmほどの大きなカエルが
そこに居た。取り出すと彼は下に敷いてあった
”Salazar Slytherin”と書かれた五角形のカード
を取り出した。
「主様!このおじさんは誰ですか?」
『プッ…お、おじさんwおじさん、ね(笑)』
いきなりおじさんと言うものだから、
少し吹き出してしまったが、
しっかりと説明をする。
『さっき言ったお話の中に出てくる人だよ!主人公では無いけどね、』
と説明すると彼は「そうなんですね!」と
すぐに理解をしてくれた。
すると彼はカードを揺らし驚きの声を上げた。
「あ、主様!このおじさん動いてますよ!とってもカクカクしてます!!」
『そうでしょ?それ動くように作られてるの!お話の中だったらいつもは居ないんだ。居たり居なかったりするんだけどそのカードの人はどこかに行ったりしないか安心してね?』
「?わ、分かりました(?)」
頭に疑問符を浮かべがら言う姿に少し
『可愛いな』なんて思いながら説明をした。
「それにしても…」
『それにしても?』
「凄い完成度ですね!どこから見ても大きい茶色のゲコちゃんです!」
『フフッでしょ〜?』
「食べるのがもったいなさそうですね…」
と言いじっくり見ているラムリを横目に
どうやって食べたらいいのかを1人悶々と
考え込んでいることをラムリは知らない。
(カエルがミルクに沈んでいくのは
見ていてあれだけどね、)