興味本位だった。
ただ、どんな反応をするのか見てみたくて。
指先で無骨な鎖を弄びながら、目の前の光景をじっくりと味わう。
黒い首輪が岩本くんの首にぴたりと馴染んでいて、まるで最初からそこにあったみたいに自然だった。
鍛えられた首筋に沿う革の質感が妙に色っぽくて、思わず唾を飲み込む。
「……ほんとに似合う」
ぽつりと漏らした言葉に、岩本くんがびくりと肩を震わせる。
普段は堂々としているくせに、こういう時だけ妙に素直なる。
鎖をゆっくりと引いてやると、岩本くんの喉が上下し、僅かにうるんだ瞳が揺れた。
羞恥と興奮の狭間で揺れる表情が、俺の欲を一層煽る。
「……目黒」
弱々しく名前を呼ぶ声が愛おしい。
いつもは頼れるリーダーなのに、今は俺の手の中で揺れている。
「嫌なら言って」
わざと優しく囁くと、岩本くんは噛みしめるように唇を閉ざしたまま、小さく首を振る。その仕草は満更でもなさそうで。
「そっか……じゃあ、もっと引いてみるね」
くい、と鎖を引く。
瞬間、岩本くんの身体が震え、中がきゅうきゅうと締め付けてくる。
熱を帯びた吐息が漏れ、汗ばんだ肌が艶めかしく光った。
なんて素直な反応。
それが可愛くて、もう一度鎖を引いた。
「っ……!」
岩本くんの背中が反り、押し殺した声が漏れる。
目尻には滲んだ涙。
ぐっと噛みしめた唇は赤く腫れ、ほんのりと開いた隙間から乱れた吐息がこぼれていた。
そんな姿を目にすると、意地悪したくなる。
「もっと聞かせてよ……岩本くんの声」
言いながら、指先で鎖を少し巻き取る。
自然と岩本の首が引かれ、ほんの僅かに身を寄せてくるその動きが、たまらなく愛しい。
「……っ、ばか……」
震える声がかえって煽る。
「何が?」
耳元で囁けば、岩本くんの熱がさらに上がるのがわかった。
俺は、鎖の先を握る手に少しだけ力を込めた。
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