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翔太Side
フリーズとの最終決戦。その中で、知らぬ間にフリーズのループ術にハマってしまっていた俺たち。術に気づいた照の声かけで、俺たちはひっそりと作戦会議を行った。
そこで俺、ラウール、涼太、佐久間の四人は、フリーズが大切にしている水晶を狙って壊すことになった。目黒いわく、その水晶が全ての力の元凶であるらしいのだ……
フリーズに攻撃を仕掛けつつ、どこに水晶玉を隠し持っているか確認する。でも、
💙「水晶玉なんて、どこにもないけど……」
フリーズの王座の方を見ても、水晶玉のようなものがどこにも見当たらないのだ。この部屋に来たときは、確かにあの辺りにあったはずなのにな。
「どこを見ているのです?」
💙「!?」
不意に耳元でフリーズの声がしたかと思うと、俺は声を出す間もなく吹き飛ばされていた。
💚「翔太!!」
気づいた阿部ちゃんが風のクッションを作ってくれたおかげで、俺は壁にぶち当たらずに済んだ。
💙「ありがと、阿部ちゃん……!」
「私との戦いでよそ見をする余裕があるだなんて……そんなにお仲間のことを頼りに?それとも、あなたのことを私が見ていないとでもお思いで?」
💙「くっそ、あいつ……!」
意地になって戦いに行こうとする俺を、阿部ちゃんが制止する。
💚「ちょ翔太、落ち着いて!何を話し合ったかは知らないけどさ。何か探すならもっと慎重に、さりげなくね?」
💙「……はい、心がけます」
察しのいい阿部ちゃんの助言を胸に、俺は阿部ちゃんと一緒にフリーズとやり合う。周りではふっかや涼太、目黒が兵士を薙ぎ倒し、背後からは佐久間とラウールが援護してくれている。触手に立ち向かうのは康二と照。フリーズは全員のところに順番にやってくるから、その都度役割を交代しながら戦いを続けている。……そのせいで、俺たちの体力が永遠に消耗され続けてるんだよな。
「よそ見をするような方には、お仕置きが必要ですねぇ……!」
俺はフリーズの大きく振りかぶった攻撃をバク転でサラッとかわし、言ってやる。
💙「フッ、お前からのお仕置きなんて受けるないだろ!」
言い終わる前に、俺は二丁拳銃でフリーズの胸元に2発撃ち込む。それが効いたのかどうか、フリーズは苦い顔で俺を睨みつけると隣の阿部ちゃんに狙いを定めて襲いかかった。
触手を一通り片付けた照と康二がこっちに来るのが見えたので、フリーズは三人に任せて俺は作戦を遂行すべく戦いから外れた。
❤️「翔太!」
俺の動きを見計らったかのように、涼太が俺のところに走ってきた。
❤️「目黒が、水晶は王座の向こうに隠されてるって」
💙「なるほどな。隙をついていこう」
フリーズや兵士たちの様子を見つつ、俺たちは王座に向かって走った。
💙「あ、あった」
王座の後ろに少し窪んだ空間があり、水晶はそこに隠されていた。
💙「思ったより単純なんだな」
さっさと撃って終わらせようとした俺を、涼太は止めた。
❤️「待って翔太、なんか違う気がする……」
涼太は辺りを見回すと、
❤️「あ!翔太、あれ!」
何かを見つけて指を差す。俺もその方向を見ると、
💙「うっわマジかよ!」
メンバーと戦うフリーズの、一瞬めくれた服の中。そこに、もう一つ水晶があった。
💙「なんで涼太わかったんだよ……」
❤️「こういうのって、単純じゃない気がして。でも、これも放っておけないよね」
涼太の鋭い洞察力に驚嘆しつつ、俺はフリーズが隠し持つ水晶とここに隠されている水晶を見比べる。
💙「これ、両方大事なやつだったりしねえかな」
❤️「……なるほどね?」
💙「だから多分、同時に壊さないと」
二つ同じものがあるようなやつは、一つがダミーで一つは本物ってパターンと、同時に壊さないと効力がないってパターンが考えられる。となると、一番確実なパターンは同時に壊すこと。
全部言わなくても分かってるであろう涼太は、ふんふんと頷いている。
❤️「なら、俺フリーズの方行ってくるよ。翔太はここに残ってて」
💙「え、でも……」
言いかけたけど、やめた。涼太の目が、俺に「大丈夫」って言ってるのが分かる。
💙「……分かった。向こうはお前に任せる」
❤️「タイミングも分かるでしょ?」
💙「おう。何年一緒にいると思ってんだ」
涼太は、阿部ちゃんと目黒が戦っているフリーズへ一直線に向かっていった。その様子を見ながら、俺は銃弾に力を込める。
必ずこの水晶玉を壊す。涼太と同時に……!
(続く)