コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
パーティーが終わった次の日、神様からもらった力を試すことにした
(まずは…鑑定から)
『魔王国』
・現在大陸の半分を占めている
・魔王城
・何千年前から存在
・勇者と魔王は何代も前から戦が続いている
・…
・…
とりあえず、この国については知れた。見えない部分もあるがそこはゆっくりと調べていく。次にメイドや両親など片っ端から鑑定をしてみた。どうやら、この能力は無制限のようだ。使ってみた結果、魔力量も減ってなく何人までと制限がないので最強だ。
(…怪しいやつも何人かいた)
一応、この国に仕えてる貴族にも使ってみたらきな臭いやつが出てきた。鑑定はこの人がどんな人か詳しく見ることができる。いわば、履歴書みたいなものだ。その中で奴隷商や闇商売など危ない内容が出てきた。また、私がお披露目をしたそれ以来、媚を売るものがいた。鑑定を使わずしてもわかるように私に自分の息子を婿へと進めるきた。その際は、父様がつまみ出したり、私が鑑定の結果を使い
「父様…あの人のこと調べて…ずっとつけて来るの…こわ〜い」
「よし、始末しよう」
私は、渾身の泣き真似をして訴えた。本人は笑顔で許可してくれた。なんか、恐ろしい単語が聞こえた気がしたけど
(私はあんたらの策にはハマらんよ。べぇーだ)
これこそ、魔王の娘のやり方だ。私が何も知らない馬鹿だと侮らないでほしい。国のことは鑑定を使えばわかる。貴族社会などは漫画やアニメ知識があるのでそれをフル活用すれば理解できる。話し方はハキハキと喋ることができるようになった。毎日毎日…発音練習したからな。これで完璧だ。
それと、最近は家庭教師がついた。ピンク色の瞳がピンポイントなメデューサだ。
「さすが、姫様。礼儀作法が完璧ですわ」
「ありがとうございます。先生」
「ほんとうに可愛らしい方ですわ。石にしたいくらいですわ」
ニッコリ
(怖っ)
メデューサジョークにはなれないものだ。メデューサ達は美しいものに惹かれる。それ故に素晴らしい者は石にして飾る。なので石にしたいということは、それほどの価値があるということだ。
「それでは、次は国の歴史についての授業ですが姫様は国についてどんな事を知っていますか」
「えっと…魔王と勇者は長い間争い続いている。何千年前から存在していること…とか」
鑑定の結果だけどね
「正解ですわ。確かに勇者とは犬猿の中でね〜…奴らくたばらずにノコノコと国に侵入してくるんだから…チッ雑魚共」
「先生…心の声が聞こえてますよ」
小声で言っているつもりだろうが本音が丸聞こえだ。定番の話では、魔王軍が人間たちを襲い、戦争をふっかけたのがほとんどだ。
(状況が違うのか…)
「先生この国の法律で絶対的なのはなんですか」
「そうね…特に言うならば奴隷商ね。これは国をもって禁止されているわ。でも、最近は奴隷商が増えてきてる噂があるからな…チッ」
また、聞こえてますよ。奴隷商か…非道な行為をするやつはいるんだな。街を見てこの国の状況や考えを知る必要があるな。
(よし、ちょっくら行こう)
次の日、両親にプレゼントを買う事を建前として街の様子を見に行くことにした。父様は一人で行くのはまだ早いと言うが母様が
「いいわね。ついでに王都がどんな場所か見てきたら」
「いってきます」
従者としてラナと護衛達が数人付いてきた。姫様はお一人で出かけることができない。大変だな。
街は活気に溢れている。耳を澄ませれば
『また、人間の国が企んでるらしいぞ』
『勇者か』
『奴隷商も増えてる噂よ』
『捕まえないのか』
『手こずらせてるみたいよ』
こんな話ばかりだ。奴隷商の件はどうせなら片付けたい。将来ここが自分の国になるならやることがある。悪事は消し去る。根は絶たないとね。
(ん…)
確かに、ここは平和だ。表では平和そのものだが、裏側の方路地裏では乱世そのものだ。所々見える路地では荒くれ者が見える。鑑定を使っても結果は犯罪などがだらけだ。
「姫様何を買います? 」
「母様には髪飾りを父様は…万年筆にするわ」
「いいですね」
二人に似合う髪飾りや万年筆を探し周りカフェで休憩をした。
「いい、買い物をしたわ」
「きっと喜ばれますよ」
あの二人は何でももってそうな気がするけど、喜んでくれると嬉しいな
「姫様次は…」
「そいつを捕まえろ」
「待て」
宝石商の店からフードで顔を隠した子供が飛び出てきた。その後ろから顔つきの悪い大人達が追いかけてきている。
(盗っ人かしら)
「物騒ですね」
「…こっちに来てる」
私達の方へと走ってきた。鋭い眼光がこっちを定めている。
(いい目をしている)
ドン
そんな事を考えていた時、相手は走って来たと思えばぶつかってきた。そのまま何事も無かったように走りさっていった。
「姫様お怪我はありませんか」
「大丈夫」
「待てコラ」
…
「ラナ…追いかけましょう」
「何をおっしゃっているのですか…危ないですよ」
「財布を盗まれた」
「えー…それなら護衛の人たちに…」
「私が取り戻す。それに土産ができそうだわ」
「はぁ…危険だった際はすぐに帰りますからね」
路地裏では、作りが迷路のようになっていた。右に進んだのに戻って来る。左に進んでも元の場所に…ややこしい。さっきの人達はどこに行ったのやら。必ずここらに戻ってくるはずだ。
(ん?)
この壁真ん中だけ高さが違う。
ドカッ
蹴り飛ばしてみたら真ん中が扉になっていた。
(…この仕組み改良したらからくり部屋になりそうね)
進んだ先には、半壊した家があり木の板で簡単に作られたものまである。
「お邪魔します」
家に入ると中は誰かが住んでいたようだ。キッチンらしき鍋や木が置いてある。奥には…
「何者だ」
振り向くと先ほどのフードで顔を隠した子がいた。再会は良いのだがラナを人質としてクビにナイフを当てている。
「答えなければ殺す…」
「財布返して」
「は…」
「さっきぶつかってきた時盗ったでしょう」
「金を持ったお貴族様なのにそんな事のために来たのか…」
「どうして貴族と思ったの」
「礼儀作法が身についているからな。服装を変えても分かるよ」
この子観察眼がめちゃくちゃ良い。刃物をどうしたら効率よく使えるのかも知っている。とっさに誰を人質として取るべきか分かっている。こんな子欲しい。
「返して」
「もうお前のじゃない。この世は弱肉強食。やられた者が負けだ」
「そう」
「出ていけ」
「ねぇ…貴方家で働かない?」
「働くわけないだろ」
路地裏から出て表の世界へと戻ってきた。私は、奥で見たものとあの子を見て思ったことがある
「姫様…財布は良いのですか」
「えぇ…それよりラナ、奴隷商について調べて」
あの金は投資だ。あの子を家で迎えに入れる。あの子は路地裏で終わっていいような人じゃない