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ひまりは手を泳がせながら言った。
「最近暑いねー」
「…うん」
ごめんなさい。ひまり。ひまりが何か会話をふってくれても、私はあいずちで終わってしまう。
ひまりはにっこりだけど内心『つまんない』って思っているかもしれないと不安になる。
だって怖いから。
もし嫌われてたらどうしよう。
今の反応ちょっとひまり明るくなかった?
とか考えてしまう。
だから自分が嫌いだ。ひまりは私にどうしてこんなに優しくしてくれるのかわからない。
ひまりは優しく微笑みながら言った。
「夏は、好き?」
…私はどう言えばいいかわからなかった。
夏は…好きかわからない。
私にとって季節って気温とか生き物が違うだけであってなんとも思ってない。
だってそれ以外いつも同じじゃん。学校でも。家でも。
でも少し
変わった気もする。
今はちゃんと
うるさいセミの声。風の声。森の静かなのに少し冷たい声。星の穏やかで優しい声。
色々な音、『声』が前よりハッキリ聞こえる気がする。
「…普通」
……苦手では…
ないかも。
「まぁ良さもありなしですよね!」
ひまりが続けて言った。
「私は…」
そこでひまりは咳をしていた。
「ごめん!むせただけ!それでね」
そうひまりは髪の毛を触りながら言った。
「私は夏が好き。」
どうでもいいのに。どうでもよくない気がした。
ひまりはそんなことを言いながら、病室に戻ると言って行ってしまった。
最後に『また明日ね!』と言っていた。
思わず『……うん』と言っていた。
久しぶりに明日のことを考えた気がした。