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クラスでのオリエンテーション受け、色々と分かったことがある。
学園で学べる内容は以下の通り七つ。
魔法学 薬学 経済学 王国史学 錬金学
社交学 冒険者学
魔法学は名前の通り魔法を教わること。
専任の属性魔法使いが自分の属性魔法の指導。
薬学は文字通り薬の調合。
経済学は経済の仕組み、景気や消費行動など。
王国史学は王国の歴史。
錬金学は複数のものから一つのものを調合、生み出すこと。
社交学は礼儀作法を。
冒険者学は実際に現地に赴き魔物討伐の実戦、そしてそれを実行するための戦闘について学ぶ。
七科目中から選択で三つ選択し、それを重点的に学ぶ。もちろん進級時に変更可能。
学ぶ段階が一年ごとに基礎、応用、研究の三段階に分けられていて、基礎を学びたい人は三年間かけて全学科習得可能。
ただ、人によって選択の授業はバラバラの為、学年が違う人も一緒の授業を受ける。
どうも、できる限り交流の場を設けることも目的にあるらしい。
研究まで学ぶ人は将来その分野を専任として進む方向が決まっている人のみでほとんどの人は研究までは学ばずに大体基礎と応用を学ぶ。
一日の授業は午前中に終了し午後は自由。
ほとんどの生徒は自習をしているが……。
俺が選択したのは社交学、冒険者学、錬金学の三つ。
社交学の理由はゼフから基礎は習ってはいたものの、やはり不安な為学び直そうと考えた為。
次に冒険者学だが、これは絶対に取らなければいけない。
だってそうしないと原作に関われないし。
そして最後の錬金学だが、これは別に興味があるわけではない。
理由は復活アイテムの存在を探るため。
この分野を学べばもしかしたら入手を出来るかもしれない。
まぁ、無駄に終わる可能性はあるが……。
それでも少しでも可能性があるのではと思い選択しようと決めた。
そして、俺は学ぶ方向性が決まったため、教室を出て自分の寮部屋へと向かった。
学園の寮は一人部屋で、広さとしては十畳の大きさ。
生活に必要な設備は全て部屋で完備されている。
食事に関しても食堂が設けられていて全て無料。
本当に充実しすぎだろ。
まぁ、でも生徒数を考えれば可能なのだろう。
一学年百二十人で合計三学年計三六十人。
それを考えれば可能なのだろうな……。
俺は一人納得した。
その後はクーインと飯を食べて自室で就寝した。
次の日、初授業当日は俺はワクワクしていた。
理由は授業を受けられるということ。
何を当たり前のことをも思うかもしれないが、それには理由がある。
ゲームの中では基本授業の描写はない。
そのため、実際の授業で原作キャラたちがどんな授業をするのか気になっていた。
今俺は錬金学と社交学が終了し、冒険者学を学ぶ場にいる。
この場にはレイブン、モーイン、サリーの三人と主要キャラが勢揃いし、仲良く会話をしていた。
俺は話しかけられるのが面倒な為、モブに紛れひたすら風景に同化する。
ちなみにクーインは授業の初日なのに急な体調不良とかで冒険者学を欠席している。
暗い表情をしていたが大丈夫だろうか?
後でお見舞いいこう。
「集まったな」
俺が考え事をしているとカインさんが来て話始めた。
冒険者学の基礎はカインさんなのか。
今後のことを考えると色々便宜を図ってくれそうだな。
「私は冒険者学の基礎を教えるカインだ。よろしく頼む。本来は魔法学を教えているんだが、今回は私用で担当することになった。これから授業の流れを説明する。一度しか言わないから心して聞くように」
そう自己紹介、前置きをしながら話始める。
カインさんが俺を見た?
私用ってまさか俺のことなのかな?
まぁ、いいや別に。
それにしても授業の流れというのはどんな感じなのだろう?
「先に言っておく。お前たちには一ヶ月後に実戦の為近くのノウブル森林に行ってもらい実戦をしてもらう」
カインさんがそう言うと、周囲はざわめいた。
堂々としているのは俺を含めた推薦入学者の四人を含め数人。
生徒の殆どが実践経験がない者ばかり
その人たちはどうするのだろうか?
「あぁ、安心していい。森林に行く一ヶ月間は実戦で戦うための訓練を徹底して行うからな」
カインさんがそう言うと、少し静かになり、あたりを見渡すと安心、安堵そんな表情をする人がいた。
でも、不安はぬぐい切れていないけど。
訓練か……俺は対人戦闘をやりたい。
俺は初見相手の戦闘経験は殆どなく、いままでゼフとの訓練のみ。
初見で相手の癖、得意分野、間合いなど瞬時に見抜く能力を養いたい。
「では早速だが、訓練を開始する。始めは戦うための技術を学んでいく。まぁ、それを聞いたところでピンとこない人もいるだろう。訓練で学ぶ内容は武器の扱い、戦闘スタイルの固定とかだ。人によっては純粋な魔法や近接タイプが得意なやつもいるから、そういったところの訓練をするからな」
カインさんはそう言い、授業の趣旨を説明し、話を続ける。
「そうだな……ここには実戦の経験をしている者がいたな。どうだろう?この中で代表者二人よる模擬戦を披露してもらおうか。皆もこれから学ぶためと目指す基準があった方がいいだろう。誰かやっている人はいないか?」
そうカインさんはそう言いながら俺を見てきた。
え、何……俺にやれってか?
やらねぇよそんなこと。
晒し者みたいで嫌だし。
俺はそう考えてカインさんから視線を離す。
「私がやります」
「お、イゴール君がやってくれるか」
ふと、俺がカインさんから視線を外したタイミングでレイブンが手を挙げ、名乗りを上げた。
うわ、なおさらやりたくねぇよ。
「もう一人、誰かいないか?」
カインさん……お願いだから俺を見ながら言うのやめてくれない?
死にたくないの俺。
俺は全力で拒否表すため、首を横に振る。
それが結果を成したのか、カインさんは諦めた。
「そうか……無理強いはしない。イゴール君、すまないが私と戦ってもらうがいいか?」
「………カイン先生、私が相手を指名しても良いですか?」
諦めたカインさんが自分と戦うと言った後、レイブンがそう提案する。
誰指名するだろう?
「それでもいいが、本人の意思は尊重してくれ」
「分かりました、大丈夫です。今から指名する人は私と同じ推薦入学者で、実力も保証します」
「そうか」
推薦入学者ということは、モーインかサリーのどちらかかな?
幼少期に交流があったというし。
「アルト、お願いするよ」
「…………え?」
なんて言った今?
俺指名された?
いや、大丈夫だ。カインさんは本人の意思を尊重すると言っていた。
つまり、俺には拒否権がある!
とりあえず断ろ。
そう判断し話そうとするがーー。
「ちなみにアルト君は私が直接見て推薦した生徒だ。実力は折り紙付きだ」
「そうなのですか?それはよかった」
話す前にカインさんの追記の説明がくる。
え?なんか心なしか俺の周囲がざわめいて、全員が俺に期待と興味の眼差しをむけてくるんだけど……。
そしてこれらの原因作った二人に視線を向けると笑顔でこちらを向いていて「こっちに来い」と言っているようだった。
「嘘!レイブンと互角にやりあえる人がいるなんて……」
「アルトさんってすごい人だったんですね」
そして、カインさんの説明でモーイン、サリーがそれぞれコメントをする。
……もう断れないじゃんこの雰囲気。
これで秒殺されたらやばいじゃん。
とくにサリーからの折角の期待を裏切ることになる。
裏切った結果、俺への評価はマイナスになる。
それは絶対にしたくない。
やられた。もう後には引けなくなってしまった。
「わかりました」
覚悟を決めた俺はそう言ってのレイブンとカインさんがいる場へと移動した。
俺モブだよ。
なんでこんなに目立ってんの?