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#オリジナル
えれめんたる
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……ムク
数日前。飼っていた犬が、死んだ。
あの日までは元気だったのに……
元気に駆け回っていたムクを思い出す。でも、そんな光景はもう見れない。
………
あの日から、私の心は動かなくなった。
夜だけが、私を包んでくれた。
小学3年生の頃に、誕生日プレゼントとしてうちにやってきた、ムク。
中学生、それも受験生の私を支えてくれた、大切な存在だったのに。
…なんで
私はまだ、立ち直れていない。家族や友人は「仕方ない」なんて言うけど、私にはわからない。
…なんでそんなに簡単に割り切れるんだろう
そこから、私の休める場所は夜だけになった。
夜はいい。泣いても俯いても、暗闇が隠してくれる。
どこを向けばわからなくなっても、月明かりが導いてくれる。
私は夜が好きだ。学校や家では元気に振る舞っている。でも、心はまだ悲しんだまま。
私には、夜にしかできない顔がある。ムクのことを思い出す時は、決まって夜だった。
…会いたいな、ムク。
元気に公園を駆け回っていたムク。おやつをたくさん食べるムク。少し嫌そうな顔してたけど、私とたくさん遊んでくれたムク。
気づけば涙が出てくる。でも、夜が私を隠してくれる。
私は立ち直れないかもしれない。今の私には、そんなこと考えられない。もしかしたら、本当の私は夜にしか生きられないのかもしれない。
それでも、私はムクを思い出す。例え、夜に生きることになっても。
月明かりが、朧げに照らしていた。
コメント
5件
夜って、孤独って捉え方も出来るけど一人でいれるっていう 身軽さもあって良いよね〜
うわあ、このエピソード、胸にぐっときました……。飼い犬ムクを失った喪失感と、夜だけが自分を包んでくれるという感覚、すごくリアルで切ないです。特に「夜にしか生きられないかもしれない」というセリフに、悲しみの深さと、それでも思い出し続ける強さが感じられて。月明かりが朧げに照らすラストも、余韻が美しかったです。えれめんたるさんの繊細な心情描写、大好きです。