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第8話『魏軍三万』
柳国北方。
見張り台から見える地平線の先を、無数の旗が埋め尽くしていた。
魏軍三万。
その圧力だけで柳国の兵たちは震え上がる。
「終わりだ…。」
「三万なんて勝てるわけがない…。」
兵士たちの顔には絶望が浮かんでいた。
柳国に残る兵はわずか二千。
まともな戦いになるはずがなかった。
王城。
柳国の王は軍議を開いていた。
しかし打開策はない。
誰もが沈黙している。
その中で、じゃぱぱだけが地図を見つめていた。
「敵の指揮官は?」
「魏国将軍・白虎将軍です。」
王が答える。
周囲の将軍たちは顔をしかめた。
白虎将軍。
周辺諸国では名の知れた猛将だった。
「正面から戦えば終わりだな。」
たっつんが腕を組む。
「でも正面から戦う必要ないやろ。」
その一言に皆が注目した。
同時刻。
魏軍本陣。
白虎将軍は豪快に笑っていた。
「小国一つ潰すだけだ!」
「半日で終わる!」
周囲の将たちも笑う。
柳国に勝ち目はない。
誰もがそう思っていた。
しかし一人の斥候が飛び込んでくる。
「報告!」
「柳国に未知の軍勢が入りました!」
「未知?」
「虹色の旗を掲げています!」
白虎将軍は眉をひそめた。
「虹色だと?」
翌朝。
魏軍は前進を開始した。
三万の大軍が大地を揺らす。
だが前方にあるはずの柳国軍は見えない。
「逃げたか?」
将軍たちが笑ったその時。
ドォォォン!!
山道の上から巨大な岩が転がり落ちた。
「なっ!?」
先頭部隊が混乱する。
さらに。
左右の森から無数の矢が飛来した。
「伏兵だ!」
「伏兵だ!!」
魏軍は大混乱に陥る。
丘の上。
もふが戦況を見下ろしていた。
「予定通り。」
のあも頷く。
「敵は数が多い。」
#リゼロ
すず
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「だからこそ動きを制限する。」
正面決戦ではない。
地形を利用した戦いだった。
一方。
別働隊を率いるなおきりは敵補給部隊へ接近していた。
「食料車両を狙う。」
「戦う前に兵糧を削る。」
虹桃軍団の兵たちが静かに頷く。
戦場では剣だけが武器ではない。
補給もまた重要だった。
その頃。
魏軍本陣。
白虎将軍は怒りに震えていた。
「小細工ばかりしおって!」
その時だった。
前方の丘に一人の男が現れる。
じゃぱぱだった。
風に揺れる虹色の旗。
白虎将軍は目を細める。
「貴様が敵将か。」
じゃぱぱは静かに答えた。
「敵になりたいわけじゃない。」
「引いてくれれば戦わない。」
白虎将軍は大笑いした。
「三万を相手に降伏勧告だと?」
「面白い!」
そして剣を抜く。
「ならば力で語れ!」
次の瞬間。
白虎将軍の背後から慌てた伝令が駆け込んできた。
「大変です!」
「兵糧庫が襲撃されました!」
「何!?」
「さらに後方部隊との連絡も途絶えています!」
白虎将軍の顔色が変わる。
気づけば三万の大軍は各所で分断されていた。
いつの間にか。
虹桃軍団の策にはまっていたのだ。
そして、じゃぱぱは静かに言った。
「戦いは始まる前に決まることもある…。」
白虎将軍は初めて笑みを消した。
目の前の相手は、ただの謎の軍勢ではない。
本物の脅威だった…。
コメント
1件
「三万対二千」って数字だけ見たら絶望的だけど、じゃぱぱの「正面から戦う必要ない」って一言で戦況がガラッと変わるのが気持ちよかったです!地形使って兵糧狙って…って、頭脳戦の積み重ねがじわじわ効いてくる感じがたまらない。最後の白虎将軍の笑みが消えたシーン、痺れました…!🫶