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羽海汐遠
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天楽°
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#塩レモン
comi
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「死んだかと思った?」
「は…はい」
「大丈夫だよ、それより治癒能力持ってる子はいる?君達の学校からもう1人助けて来たんだ。」
思い出した、後輩にもう1人能力者がいたことを。
「大丈夫っすよ、クローバーの奴に足やられただけなんで」
「…!慶斗君!」
慶斗君、私達の一つ下の学年の子だ。
真弥と仲良しだった、私もよく遊んでいた。
「奈緒先輩無事だったんすね」
足を引きずりながら歩いてくる。
大きな切り傷が右足にあった。
「治癒能力のある子はいる?」
「あ…今力尽きて休ませてるんです」
「そっか、なら、なにか手当するものは…」
春子がポケットから包帯を出した。
「使って。さっき薬局から持ち出したの 」
「ありがとう」
慶斗君の手当が終わって、私達は仮面の人物にこれまであったことを説明した。
「それは災難だったね。生きててくれて良かった。私のことは八雲と呼んで。ところで、生かされてるということは全員能力者なんだね?」
私達は頷いた。
「あの…なにか知ってるはありませんか?私達ある日急にこんなことになって、何も分からなくて…」
「知ってることか、いっぱいあるよ」
「教えてください!」
八雲さんは休んでいる2人を見た。
「凄く重要な話だから、この2人が起きてからにしよう。」
「寝ながらでいいなら聞けるぜ」
「私も…」
「そっか、無理はしないで。」
そして、私を見てこう言った。
「奈緒は、私の能力はわかるね?」
「はい」
「じゃあ、皆には私が説明する。私の能力は『完全武装』。物理攻撃であればなんでも実体化させられる。剣、斧、弓、銃、エネルギーの必要ないものは何でも。」
少し間を置いて、話し出す。
「私は、前身混沌に属す。前身の記憶を完全に受け継いだ。君と同じだよ叶太。いや、君よりも鮮明に覚えている。」
「!!」
叶太と同じ人間!
「覚えてること全て話して!」
香織が身を乗り出して言う。
「言われなくても今から言うよ。」
1呼吸置いて話し始めた。
「まず、宇宙の外には、別な性質を持つ宇宙、ここでは別世界と呼ばせてもらうね。君達が学校で会った彼らはその別世界から来た者だ。」
「宇宙より外から来たということか…」
叶太が不思議そうに呟く。
「宇宙というのは元素が並ぶことで物体が成立するという性質のもと成り立つひとつの世界。別世界はそうではない。そういう別世界では性質が違うためこの世界とは違うことが起こる。この能力が良い例。」
「頭痛くなるような内容ね…」
「彼らが来た世界の名前は『フィゲルダ』。4つの領域からなる世界で、地球とは少し似ている。」
八雲さんが人差し指を出す。
「1つ目は大地界。地形としては地球に似ている。ゴブリンや魔女、妖精や巨人など、陸海空に多様な種族がいる。領域の大きさと種の多さは1番だ。2つ目は天界。空を突き抜けた先にある領域。神や聖女、精霊などがいる。3つ目に冥界。大地界地下の奥底にある。魔神や悪魔、死神などがいる。4つ目は混沌。特殊な場所にあって、普通は行けない。種が特別な理由で堕ちた者達がいる。つまり、全種族誰でもなりうる。」
叶太が考え込んで、突然口を開く。
「つまり、宇宙に能力が入るということは、その…性質に合わないから、理に反してるってことか?」
「あの人達はそれをなんとかするために地球を壊すってこと…」
「待ってください。空の上とか、奥底なんて不可能じゃないですか?混沌はもっとよく分からないし…」
八雲さんがふっと笑う。
「だから『別世界』なんだよ。世界のあり方も、形も、何もかもこことは違うんだよ。」
「じゃあ、前身〇〇に属すっていうのは…」
「私達に能力が散らばる前に能力を持っていた人がどこの領域にいたかってことだね。」
「ねぇ」
内田さんが手を上げる。
「保護型って何か知ってる?」
「君は保護型なの?」
「私と春子。保護型って言われて生かされた。」
「なるほどね…」
「….」
「保護型は『遅咲き』って思えばいいよ。保護型はある条件を満たすと強力な能力が開花する。それまではただの人間と同じ。」
「ある条件って?」
「人によって違う。だからある時急に強く開花する。今は要らないかもしれないけど、後々の能力が強いから保護される。だから保護型。 」
「…そう」
私は真弥をふと思い出し、八雲さんに聞いてみた。
「あの…真弥という子を見ませんでしたか?髪は短めで…」
「どうせ死んでるでしょ」
香織の横槍に腹が立ち、また怒鳴りそうになるが、叶太が仲裁した。
「この状況で、真弥に当たるのは違うだろ香織。」
香織は叶太に言われて、不貞腐れて黙った。
「…………生憎生存者は君らしか見てないんだよね。ごめん。」
「そう…ですか」
「それともう敬語じゃなくていいよ。私同い年だから」
「え!?」
「はははっ」
八雲が笑う。
すると悠真が起き上がった。
「奈緒、さっきは助かった。ありがとう」
あの悠真が素直に感謝しているのを見て思わずびっくりする。
「あ…うん」
「いじめっこの割に、意外と素直じゃん」
…?
悠真がいじめをしていたことなんて、話したか…?
「っるせーな…ところで八雲、仮面は外さないのか?」
「あー、見たいなら見てもいいけど…..ぐっっちゃぐちゃだよぉ…?」
八雲がそういう言い方をしたので、春子が全力で拒否した。
八雲が立ち上がり、神社から出ようとする。
「…さて、私は彼らを探してくるよ。殺さないと。」
私はそれを聞いて思わず大きな声を出してしまった
「え…あんなの3人も相手にっ…しかもハートが合流したって言ってた、勝てないよ!」
八雲は立ち止まって振り返った。
「悪党は、殺さないとさ。 」
静かに怒りながらそう言い、去っていった。
「不思議な人っすね、あんなの相手に…」
!
そういえば慶斗君の能力は…
『感覚集中』 五感のうちどれかに感覚を集中させ、大幅に上昇させる能力。前身大地界に属す。
「これからどうする?」
内田さんの問いに誰も答えられなかった。
愛菜が起き上がって慶斗君の傷を癒す。
「あざっす」
どういたしまして、と愛菜が言ったあと、私達に向き合って提案した。
「真弥を…探してみるのはどうかな」
「嫌だよ!なんでアイツを!」
香織がいち早く拒否した。
「学校にいた人は全員死んだ。学校にいなかった真弥は能力者かそうでないかまだ分からない。能力者であれば少なくとも生きてはいるはず。」
内田さんが冷静に言う。
「俺は賛成っす」
「俺もだ」
「私も」
皆次々に賛成していく中、香織だけは頑なに反対していた。
「私は嫌だから…なんであんなやつのこと助けに行くの皆、意味わからないし」
春子が説得する。
「でも、もしかしたら真弥がこの状況をどうにかできるくらいの能力を持ってるかもしれないし…生きてたら、仲間が増えるでしょ」
「それでも私は嫌だから!」
「もういい、お前はここにいればいい」
悠真が置いていこうとした時。
「あの」
慶斗君が手を挙げて提案をする。
「保護型のお2人もここに残ってもらって、香織先輩にはその護衛をしてもらうのはどうっすか」
「….それがいいね」
私が賛同して、内田さんと春子を神社の中へ戻す。
「じゃあ、行ってくるね」
「気をつけて」
内田さんの声を聞いた後、私達は真弥の家の方へ進んだ。
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慶斗君が聴覚集中をしてくれたおかげで化け物にはほとんど会わずに済んだ。
真弥の近くの公園に行くと、衝撃の光景が広がっていた。
ダイヤの少年とスペードの男がボロボロになって道路に倒れていたのだ。
「な…何があったの…」
「あれ見ろ!」
叶太が指さした方向、真弥の家の前にワンピースを着た女の子がいた。
「はっ…!!真弥ぁっ!!!」
私が走って真弥の元へ行く。
よかった、真弥も能力者で、この2人を倒してくれたんだ。
私の声に真弥がこちらを向く。
「真弥っ…」
もうすぐで抱きしめられる。
ずっと会いたかった。
無事でよかった。
「近寄んな、ゴミが」
「え…」
唐突に現れた巨大な、灰色でぐちゃぐちゃした触手が私の手に巻き付き、私の両腕を折った。
「あ゛あぁああ゛ぁぁぁぁぁああぁ!!!!!!!!!」
コメント
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うわっ…最後の展開やばすぎる。 真弥無事でよかったって思った矢端口が開いたまま固まったわ。 しかも「近寄んなゴミが」って今までのキャラと真弥の雰囲♡♡♡すぎてガチで背筋凍った。 設定の解像度も高くて特に別世界の領域説明はめちゃくちゃ好み。 八雲さんは同い年設定なのに異様に大人びててめっちゃ気になるキャラ。 続きが待ちきれないっすマジで。