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あ み
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私は昼に横になっている
休日というわけでもないのに
なんだか罪悪感があるが
熱なのだからしょうがない
昼下がりの人気のない街の音が
ただ寝ているつまらなさを助長させる
時たま聞こえる車の音が耳障りで余計に眠りにくい
することもなく静かな部屋の隅をぼーっと見つめる
天井の染みがゆっくりと形を変えていく
最初はただの湿り跡だったはずなのに
次第に輪郭を持ち目のような窪みを作り
こちらを覗き返してくる瞬きをすると消えるが
目を開けるたびに少しずつ近づいている気がした
喉が渇き水を飲もうと腕を伸ばす
しかし腕は布団の重みの下で鉛のように動かず
代わりに耳の奥で水の流れる音がした
さっきまで耳障りだった車の音は消え
代わりに街全体が呼吸しているような
湿った吐息が窓の隙間から入り込んでくる
うとうとと意識が沈む
夢だと分かっているのに夢の方が現実よりも手触りがある
近所のよく通る路地に立っている
昼下がりのはずなのに影は異様に濃く
建物の隙間に黒い溜まりができている
目を凝らすと
その溜まりから人の形をした何かが滲み出てきた
顔は私に似ている?
いや私の熱を映した鏡のように歪んでいる
なにか訴えてくる訳でもなくただ見つめてくる
息が詰まり目を覚ます
全身嫌な汗が滲む
ちょうど逢瀬のあたりの時間で
濃いオレンジの西日が部屋を紅く染め上げている
部屋は静かで相変わらず何も起きていない
熱のせいだと自分に言い聞かせる
再び横になると、うとうとと意識が沈む
夢だと分かっているのに夢の方が現実よりも輪郭を持って迫ってくる
目を閉じているはずなのに
まぶたの裏に部屋が見えた
さっきまでと
同じ六畳
同じ天井
同じ壁
だが少しだけ配置が違う
時計が逆向きに進み
窓の外にあるはずの街路灯が
部屋の中央に立っている
灯りは点いていないのに部屋は妙に明るかった
熱で滲んだ視界の中布団の端に影が溜まっていく
その影はゆっくりと厚みを持ち人の形を作った
顔は見えない
ただこちらを「見下げている」という感覚だけが確かにあった
「起きなければ」考えが直接書き換えられるように頭に差し込まれた
しかし、体は動かない
熱に押さえつけられ思うように体が動かない
息が荒くなり目を覚ますと
部屋の時計は夜2時頃を指していた
布団はびしょびしょで気持ち悪い
氷枕も生ぬるくなり、冷めたお粥が机に置いてある
ほっと一息つき動悸を抑える
熱は下がり街路灯は煌々と灯っている
それは夢の中で
部屋の中央に立っていた位置と
ほとんど同じ高さに見えた