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そんなふうにして、治療を終えた乗組員の皆と一緒に僕は日本海軍の軍艦、“比叡”と“金剛”に乗って、イスタンブールまで送り届けられた。
帰って少し、1923年10月29日に僕の主様、トルコ共和国の化身のトルコ様が生まれたんや。
まぁこの辺の事は、興味持ってへんやろうから、省くわ。
1985年3月。イラン・イラク戦争で、日本人が沢山イランに残っとるって聞いた。
「こんなん助けるしか無いやろ!」
会議室に僕の怒鳴り声が響いた。
「僕らは恩を受けたんや!恩を仇で返したいんか?僕はそんなん嫌や。そんなんやったら僕、この国から出てくわ!」
あの日以来かも知れんってぐらいいっぱい話したわ。
「確かに、この国は隣国だ。恩を仇で返す、か。確かに、嫌だね。飛行機をすぐに出そう!」
主様の心は動かせたみたいで、嬉しいわぁ。
そうして、僕らは日本人達を救うことができた。良かった。あんときの、恩をやっと僕は返すことができたんや。
「まぁ、僕が大阪弁話しとって、日本国が好きな理由はそんな感じやな」
いまだに目をキラキラさせながら僕の話を聴いとった阿香里達の締め括りとしてそう言った。