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「あの日俺は間違いを犯した」
「あの時私は救われた」
「彼に命を拾われた」
「アイツがいたから頑張れた」
「彼のおかげで生きていられる」
1人は誰かの為に死力を尽くす
そして1人…また1人と枯れ果てていく
それは誰にも訪れる
この世界の絶対のルールだ
青井らだお31歳
俺は警察官だ
ロスサントスというギャング共が蔓延る無法地帯で日々犯罪を阻止している
今日も大型が3軒連続はしごのヘリIGLきつかった
最終的に俺しかヘリ要員が生き残らなくて地上部隊に指示が通らずあと少しで警察が全滅するところだった
俺は空の悪魔だとか第二のハクナツメだとか言われるが完璧じゃない
俺にも限界はある
今日だってウェッさんのブレードあと一回当たってたら俺のヘリは間違いなく爆発しただろう
なんて今日の報告書を書く上での思い返しをしていた
らだお ふぅ…
右手に煙草を持ちながら屋上でヘリ大臣をする俺は溜息を吐いた
煙草の火を消しヘリの修理を行う
いつものルーティーンだ
俺はヘリと共に過ごした日々が多い
子供の頃からヘリの運転の才能だけはだれにも劣らなかった
だからなのかヘリが何を考えているかえわかる
こう言うことを言っておいてなんだが厨二病ではない
本当に聞こえるんだヘリの声が
らだお 俺はヘリの声が聞こえるって…すごいよなぁw
「今日もお疲れ様」
独り言を呟いていたらふとヘリにそう言われた
らだお 今日もありがと守ってくれて
らだお お疲れ様明日もよろしくね
そう言って俺はヘリの機体を撫でる
「うん」
短いけれど暖かい返事が返ってきた
俺は報告書作成へと足を進めた
また一日、また一日と過ぎていく
らだお もう…疲れた………
俺はレギオン前のデヤンスがいつもホットドッグを売っている所で座り込んだ
もうデヤンスはホットドッグ屋を続けられないと言って閉店してしまった
俺の愛店だったのに…
らだお はぁ…
溜息を吐き空を見上げる
嫌なくらいに晴れ渡った青空だった
? らだおくん?
ふと耳に懐かしい声が響いた
俺は声の主を確認しようを体を動かす
そこには俺の先輩だった人が立っていた
らだお ナツメさん…
ナツメ なんかあったの?
らだお いやぁ…何にもないっすよ……
俺は目を合わせられなくて顔を背けた
こんな弱った状態でギャングに素性を明かすわけにはいかない…
そしてなにより俺の大切な人には心配をかけたくない
ナツメ ほんと…?
らだお ほんとっすよw
らだお それとも俺のこと信じられないんすか?
ナツメ その言い方はずるくなーい?
らだお んー?ずるくないよ
ナツメ らだおくんは酷いなぁ
らだお あはは…
ナツメ そんなに辛そうにしないでよ
図星を突かれた
俺は顔を上げられない
俯いたまま黙ってしまった
ナツメ 僕が堕ちてから色々皺寄せが来て大変だったと思う
ナツメ 本当にごめんね
ナツメ でも…そんな姿見てたら僕………
顔に無理矢理笑顔を貼り付けて俺は言う
らだお そんなことないっすよw
らだお 俺は大丈夫だから…
立ち上がり歩き出そうとすると腕を掴まれた
ナツメ じゃあ一つ…正直に質問に答えて
らだお …
ナツメ らだおくんは警察が…今が楽しい……?
もう疲れたよナツメ先輩…
俺はもう堕ちることもこのままで居続けることも…
何もできない
らだお ………
らだお まぁ…ちょっと疲れた…かな
ナツメは無言で俺を離した
ナツメ いつでも来ていいからね
ナツメ らだおくん…無理はしないで
ナツメ 僕に言われるのは嫌かもしれないけど
らだお ありがとうございます
らだお 少し楽になったかもしれないっすw
俺はそのままその場から立ち去った
そして海沿いの歩道を歩いていた
そして急に足に力が入らなくなってしまった
俺は座り込み海を眺める
らだお いつでも来ていい……か
その言葉が俺には深く突き刺さっていた
らだお もう…行けないけどなぁ………
らだお 辛いよ
らだお 苦しいよ
らだお 楽しくなんてない
らだお いっそ…このまま……消えれたらいいのに…………
らだお もう……俺は…………
そのまま重力に身を任せ体を投げ出した
ヒヤリとする浮遊感を身体に感じ
酷く冷たい海水が身に染み込んでいく
俺を呑み込んで包み込んで隠してくれる
全てを忘れて
無かったことになる
自分が溶けていく
一つになる
眼を開き見上げると
光も届かぬ深海だった
俺にはお似合いの場所だ
最後に聞こえた言葉は
俺を呼ぶ声だった
成瀬“らだおってどこいるかわかる人いますか?”
ネル”そういえばレギオン行ってから帰ってきてないね“
キャップ”GPSを見たらいいんじゃないか?“
成瀬”じゃあこの海沿いのやつってらだおですかね…?“
つぼ浦”もしそうだとしたらダウンしてるんじゃ…“
マンゴー”歪んでてダウン通知と無線が入ってないのかもしれないよ?“
成瀬”俺確認行ってきます“
気がつくと俺はベッドに寝かされていた
身体を起こし状況を確認しようと周囲を見渡す
白と黒の色合いの部屋に赤色の真っ赤な絨毯がひかれている
俺はベッドから降りて目の前のドアを開こうとドアノブを捻ろうとした瞬間
ドアが開いた
俺はまだ力を入れていない
正確には捻ってない、というより触れてないのだ
ナツメ 起きた?
らだお ナツメさん…
ナツメ もーらだおくんは安静にしててよね
らだお え?
俺はそう言われるや否やすぐさまベッドに寝かされた
らだお ここってどこなんですか…?
恐る恐る聞いてみると信じたくない答えが返ってきた
ナツメ 飴ブレラのアジトの寝室部屋
らだお なんで俺がここに?
ナツメ らだおくん覚えてない⁉︎
らだお は…はい?何を…?
ナツメ あー
ナツメ えっとね簡単に説明すると
ナツメ らだおくんは死にかけたけど僕が助けたって事かな
らだお 死にかけた?
ナツメ 本当に覚えてないの…?
らだお はい…
ナツメ 僕と話したの覚えてる?
らだお それは覚えてます
ナツメ そのあとらだおくんは海沿い歩いてたんだけど急に座り込んでその後少ししてから倒れて海に沈んでったんだよ
俺は…あの時……死に損なったのか
ナツメ らだおくん大丈夫?
らだお ありがとうございます助けてくれて
らだお 仕事があるので俺はこれで…