テラーノベル
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効果付与が百を越えた言葉
一覧を開くと、
数字が三桁になっている。
一〇一。
端末を持つ手が止まり、
画面の光だけが指に当たる。
床に座り、
背中を壁に預ける。
灰色のスウェットは毛羽立ち、
膝のあたりが丸く伸びている。
髪は結ばず、
肩に落ちたまま動かない。
爪は短く、
切り揃えた跡が白く残っている。
スクロールする。
似た言葉。
忘れていた言葉。
もう使わない言葉。
それぞれに、
小さな印が付いている。
付与済み。
ひとつずつ、
思い出そうとするが、
途中で分からなくなる。
いつ買ったのか。
なぜ選んだのか。
効いているのか。
百を越えると、
数えた感覚だけが残る。
レキシリーダを横に置き、
両手を膝に置く。
静かだ。
言葉は増えたのに、
内側は広くならない。
むしろ、
通路が細くなっている。
付けた言葉を見ながら、
そこまで付けたのか、
と他人事のように思う。
画面を閉じる。
一覧は消える。
数字も消える。
それでも、
百を越えた重さだけが、
まだ、ここにある。
由天。
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