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鬼教師ロカvs能力者たち
【教師ロカ•タランティーネの勝利条件】
•米津高校一年生の中にいる
《トイレの亡霊》の 噂の真犯人を見つけだす 。
→そのために、赤点を取った生徒の
能力を破壊し、能力者の数を炙り出す。
(米津高校一年生の生徒数は全部で145名、そのうち、ロカ先生達の暗躍によりまだ能力の判明してない能力者及び非能力者は残り45名。)
【妖怪沢どろりの勝利条件】
赤点を回避し、なおかつ自分がトイレの亡霊の噂の真犯人であることを隠し通すこと。
(理由:彼は触れた人間を溶かして消すメルトを使って悪事を働く人間をこの世から消して
回っているから。)
【他のクラスメイトの勝利条件】
赤点を回避すること。
それではいよいよ、小テストの開始である。
能力者達の様子をじっくりと観察してみよう。
【以下、細菌達による能力者達の記録】
《独絵三十九秒
彼女は勉強中時間を39秒だけ巻き戻す能力
《アンハッピーリフレイン》を使い完璧な
準備をしてこの小テストに臨んでいた。
今回の小テストの難易度は通常の小テストの2倍だったが 彼女はこの小テストの全ての範囲を完全に 網羅していた。
彼女はこれまでも学年一位の妹に勝つために完璧な状態でテストに臨んでいた。
ではなぜ彼女は今までずっと妹に勝てなかったのか?
それは彼女の深層心理と 《アンハッピーリフレイン》の隠された副作用にあった。
彼女はズルを嫌う性格だった。
その性格は《アンハッピーリフレイン》が
勉強中にしか使えないという極めて限定的な
能力であることからも窺える。
そして、彼女に とって《アンハッピーリフレイン》を使ってほぼ無限の勉強時間を獲得することはズルそのものであった。
その罪悪感とストレスは 彼女の心を蝕み、彼女すら知らない 《アンハッピーリフレイン》の副作用を 生み出した。
それは 《アンハッピーリフレイン》を使用した者は決して100点満点の人生を 送ることが出来ない という呪いにも似た副作用であった。
正直、彼女はこの能力を使えば世界中のどの大学にも合格することはできるだろう。
しかし彼女の願いは《天才の妹に勝つこと》だった。
そして《アンハッピーリフレイン》を使い続ける限り彼女は決して妹に勝つことは出来ないのだった。
こうして独絵三十九秒はアホの海街でも解ける簡単な現代文の選択問題を間違え 250点中248点を取り、また妹に敗北した。
(独絵三十九秒、赤点回避。学年2位。)
《独絵転々の視点》
一方、独絵転々は開始15分も経たない内に
全ての教科の問題を解き終えていた。
この 答えは全て正解。彼女はまた学年一位に
なった。
時間が余って暇な転々はテストの 裏側に四コマ漫画を描いた。 ちいかわとおぱんちゅうさぎの壮絶なバトル。四コマ漫画とは思えないほど緻密でダイナミックな構図と描き込み。
そして四コマ目のラストを見開きの大ゴマにするというおよそ常人の発想とは思えない 壮大な四コマ漫画を書き終えた。
(四コマの最後はちいかわとおぱんちゅうさぎがクロスカウンターをするところで終わっていた。とてつもない迫力の絵だった。)
ロカ先生は転々を注意しようとしたが
転々がルール違反をしてないことと 転々の描く四コマ漫画の続きが 気になり注意するなら後で注意しようと 心の中で決めた。
(アイヤー!!)
と転々は心の中で満足そうな声をあげた。
そして
(お姉ちゃん満点とれると良いアルなー。
そしたらきっと仲直りできるネ。)
と心の中で姉の勝利を願った。
転々の能力《ローリンガール》は
《もっとかしこくなりたい。かしこくなって
お姉ちゃんと仲直りしたい。》
という転々の強い願いから生まれた能力で
あった。
転々はいつ、どうして姉が自分を嫌いになったのかがまるで分からなかった。
どれだけ でんぐり返しをして頭の回転をよくしても 転々には姉の気持ちが分からなかった。
転々は敗北者である姉の気持ちがまるで
分からなかった。
自分より強力な能力を持っている姉がどうして自分に負けれるのか 不思議で不思議で仕方なかった。
彼女が 純日本人であるにも関わらずカタコトなのも 姉の好きな漫画のキャラを真似ればきっと姉と仲直りできると考えたからだ。
結果は逆効果だった。
姉は時々しか転々と 口を聞いてくれなくなった。
中学生の時に 一度姉のためにわざと成績を落とし負けて あげたことがあった。
姉は本気で怒った。
「ふざけないで……!!!!次やったらあんたはもう あたしの妹じゃないわ…….!!!!」
姉にそう言われて以来転々は決して勝負事で手を抜くことはなくなった。
転々は悲しかった。
どうしたらお姉ちゃんと仲直りができるか何度でんぐり返しをしても 何度《ローリングガール》を使ってもまるで
分からなかった。
転々が天才であり続ける かぎり、独絵姉妹の溝はずっと深まったまま なのだろう。
(この漫画…..あとでお姉ちゃんに見せたいアル…..本当は勉強なんてあんま好きじゃないネ。どうか今回こそお姉ちゃんが私に勝ちますように。)
転々はそう思いながら余った時間でロカ先生の古文の問題に出たお話に関する40000文字の論文を書き上げ、ロカ先生をたまげさせた。
(独絵転々250点満点中250点、赤点回避、学年一位。)
(最後まで読んでくださりありがとうございます。)