コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【第4話 恋原表裏一体の日常①】
【能力者名】恋原表裏一体(こいはらこいん)
【能力名】 裏表ラバーズ
《タイプ:友好型》
【能力】 自分、または他人の性別を自在に操ることができる。
【以下、細菌達の記録】
表裏一体は、クレイジーな芸術家である父
恋原積木とアバンギャルドな ファッションモデル恋原月美のもとで 生まれ、育てられた
クレイジーでアバンギャルドな 女子高生一年である。
父親は表裏一体を溺愛した。
「ああ…..ああッ……!!!!ン可愛いよぉ女の子の姿をも男の子の姿もかわいいよぉコイン!!!! マイエンジェェルコイン可愛いよぉ!!!ミッ…. ミッ…..!!ミケランジェロォッ……!!!!!!!! 」
表裏一体の父親は娘である表裏一体の
あまりの可愛さに涙を流しそう叫んだ。
母親もまた表裏一体を溺愛した。
「はぁかわいいわぁかわいいわぁんーまっ
んーまっ、んーちゅっ、んーちゅっちゅー!!!
女の子の姿も男の子の姿も
かぁーわいいわぁー!!!!んーまっ、んーまっ、 ぶちゅぶちゅぶちゅーーーーー!!!!!!」
毎日のように表裏一体のホッペが
デロンデロンになるまでチューをして
宝物のように抱きしめた。
朝、表裏一体にぶちゅぶちゅ出来なかった日はそれはそれは体調を崩した。
もうそういう生物なのだろう。
そしてそんなクレイジーでアバンギャルドな
両親のド愛情をうけ、じっくりコトコト育って いった恋原表裏一体はとてつもない自己肯定感の塊となっていた。
(きゃはっ☆ボクって罪ー☆)
唇に手を当て、 鏡の前でいろんなポーズを決めながら 表裏一体は自らのかわいさを再確認していた。
(こっちのボクもォ…….いいじゃん♡)
唇に手を当て、 彫刻のような端正な美少年になりながら 表裏一体はウッットリしてた。
うっとりなんてもんじゃない。
ウッットリである。
こうして朝の支度を終え父親が作った大量の
ハチミツがぬりたくられたパンを元気いっぱいほおばりながら、抱きついてベロベロベロベロほっぺを舐めまわす母親を雑に引き摺りながら玄関を開けて、 表裏一体は大好きな皆のいる米津高校へと 向かった。
《登校時間、米津高校正門前にて》
「おねえちゃん、おっはよー☆」
表裏一体は校門で見かけた姉ヶ崎茜色にハグをした。
「あ、おはよーコインちゃん。もー、口にハチミツついてるよー。」
そういって《みんなのおねえちゃん》
姉ヶ崎茜色はハンカチでコインの顔をふきふきした。
「えへへー、おねえちゃんの手ひんやりで
きもちー☆まったねー!!おねえちゃん☆」
「まったねー。」
姉ヶ崎茜色が柔和な笑みで手を振った。
次に表裏一体が抱きつこうとしたのは 最近表裏一体が見つけた新しいオモチャ妖怪沢どろりだった 。
「おっはよー!!!どーろりっ☆」
抱きつこうとするコインをどろりは素早い身のこなしで躱した。
「 …..ぎゃあっ!!!?なにすんのさー!!!」
「……それはこっちのセリフだ恋原。前体育の着替え前に《裏表ラバーズ》でぼくを女の子にしたまま放置したの忘れてないからな……。」
そう、恋原表裏一体はド畜生だった。
「けちー」「けちじゃない。」
「けーーちぃ!!」「けちじゃない!!!」
そうやって表裏一体とどろりがやいやい言ってるともう一人の新しいオモチャ海街心蔵がイヤホンで音楽聴きながら登校してきた。
「おっはよー☆しーんぞうっ!!」
そうやって表裏一体は海街に飛びかかった。
「……《深海シティーアンダーグラウンド》。」
低い声で彼がそう言うと 彼はシュッと異空間へと消えていき 表裏一体は地面におでこをぶつけた。
ぬるっ、と海街心蔵はすぐに再び姿を現した。
「おはよー海街。」
どろりが手をあげた。
「…..あぁ。」
海街がどうでもよさそうに返事をした。
これに、表裏一体はキレた。
自己肯定感の塊である表裏一体にとって、
雑に扱われることや仲間はずれにされる
ことは彼女の逆鱗だからである。
唇に手をあて、表裏一体は能力を発動する。
「《裏表ラバーズ》、
《高速振動(バイブレーション)》。」
表裏一体がそう言うと、
「「あばっ!!?あばばばばばばば!!!!!」」
どろりと海街の二人が男になったり女になったりを高速で繰り返しながら痙攣しだした。
《高速振動》は《裏表ラバーズ》を高速で
発動することで例えるなら ポケモンの主人公選択画面で男と女を高速で交互に繰り返し続けた時のように相手をバグらせることが技である。
これは、表裏一体の裏技の内の一つであった。
この技を1分以上かけ続けると 相手は廃人になる。
(これを、表裏一体が放課後に出会った露出魔に能力を試した時に知った。その男はぱぴぷぺぽしか言えない体になった。)
今回は30秒で許してあげることにした。
情けをかけたのではない。
学校に遅れそうだったからだ。
倒れてる彼らをほったらかしにして
友達の白雪毒林檎ちゃんのもとへ飛びつく。
「白雪ちゃんおっはよー☆」
「わっ、おはようコインちゃん。」
薄幸そうな少女は、表裏一体に抱きつかれ、ながら驚いたような声で そう言った。
表裏一体は毒林檎のことを気に入っていた。
りんごみたいないい匂いがするからである。
「いい匂いー。」「えへへー。」
ふたりがくっつきながら登校すると 同じクラスのちゃん酒池肉 林(しゅちにく りん)がやってきてさらに二人にくっついた。
その様子は、宛ら女子高生の塊魂であった。
「おいーっす!!!こいこい、どくりーん。」
「あっ、林ちゃんおいーっす☆昨日も
居酒屋のバイト~?」
「まあねー。」
「ほんと酔っぱらい好きだよねー?」
「ンまあねぇー。」
表裏一体と林はにやりと笑いあった。
「あっ、りんちゃんおはよー。」
「どくりんもおっはよー!!」
こうして表裏一体達はいつものように
米津高校一年B組の教室へ向かっていった。
(最後まで読んでくださりありがとう
ございます。)