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第12話「閃光と絶望」
🚀 シーン1:包囲
ゼインは背中に冷たい汗を感じながら、瓦礫の上に立っていた。
彼の黒いジャケットの裾が夜風になびく。
その隣には、無造作な黒髪のナヴィス。
青い瞳がネオンの光を反射し、冷静に周囲を見渡している。
「どうやら逃げ道はねぇみたいだな」
ナヴィスが苦笑しながら言った。
「ふざけるな……」
ゼインは小さく呟く。
彼の碧色の刻印が微かに脈打ち、戦闘の気配を察知している。
——ヴェール・バインド。
黒い装甲を纏った兵士たちが、すでに周囲を囲んでいた。
背中のエネルギーコアが淡く発光し、武装が展開される。
「ターゲット確保——排除開始」
機械的な声が響いた瞬間、兵士たちが一斉に武器を構える。
🚀 シーン2:迎撃戦
「クソッ、来るぞ!」
ゼインは即座に跳躍。
その瞬間、青白いレーザーが地面をえぐった。
「チッ……」
ナヴィスは着地すると同時に、碧色の刻印を輝かせる。
「《フォールトシフト》」
次の瞬間——ゼインとナヴィスの位置が入れ替わる。
「っと、悪いな!」
ナヴィスは敵のど真ん中に現れると、拳を振るった。
電撃のような光が弾け、敵の装甲を弾き飛ばす。
「ゼイン、行くぞ!」
ゼインは地面を蹴り、敵の背後へと瞬時に回り込む。
彼の左腕の刻印が発光し——
「《オーバーライド》!」
ヴェール・バインドの兵士の武器が一瞬で機能停止。
「なっ……!?」
混乱する兵士の隙を突き、ゼインは素早くナイフを突き立てた。
青白い火花が散り、兵士がその場に崩れ落ちる。
「やっぱりこれが一番手っ取り早いな……」
🚀 シーン3:新たな敵
「ほぉ……やるじゃないか」
その声と共に、ヴェール・バインドの部隊の中央から、
黒いコートを羽織った男が歩み出る。
「……誰だ?」
ゼインは警戒しながらナイフを握る。
男は銀色の短髪に、冷酷な黄金の瞳を持っていた。
「俺の名前は……まぁ、言う必要はないか」
彼はゆっくりと両手を広げる。
「見せてやるよ、”本物の力”を」
——次の瞬間、重力が歪んだ。
「っ……!?」
ゼインとナヴィスの体が、一気に地面へと引き寄せられる。
「なっ……重力が……!」
ゼインは歯を食いしばる。
この感覚は……普通のフラクタルとは違う。
「アンチ・フラクタル領域内では、お前たちの力はほぼ無力だ」
男は冷笑する。
「さて、どうする?」
ゼインは息を整え、拳を握りしめた。
「……なら、拳でぶっ飛ばすしかねぇな」
戦いの幕が、再び切って落とされる——。