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20
その言葉は静かだったけれど、まっすぐ胸に届いた。
夕暮れの公園で、風が木の葉を揺らす。
彼は少し照れたように笑った。
pr「なんか変なこと言うてもうたな」
ak「変じゃないよ」
そう答えると、彼は一瞬驚いた顔をして、それから安心したように目を細めた。
pr「……よかった」
繋いだ手が少しだけ揺れる。
pr「付き合う前はさ」
pr「好きになってもらえたらそれでええと思っとったんやけど」
彼は空を見上げながら続ける。
pr「実際こうなったら、もっと色々考えるな」
ak「例えば?」
pr「ちゃんと笑っとるかな、とか」
pr「困っとらんかな、とか」
優しい声だった。
pr「お前が嬉しそうやと、俺も嬉しいし」
胸の奥がじんわり温かくなる。
ak「……ありがとう」
小さく言うと、彼は少し照れながら笑った。
pr「礼言われることちゃうよ」
空は少しずつ暗くなり始めている。
昨日もそうだった。
帰る時間が近づくたびに、名残惜しくなる。
彼も同じことを考えていたのか、小さくため息をついた。
pr「また帰る時間やな」
ak「うん」
pr「帰したくないけど」
ak「毎日言ってる」
pr「だってほんまやし」
即答。
思わず笑ってしまう。
彼は少しだけ拗ねた顔をしたあと、ふっと笑った。
pr「でも明日も会えるもんな」
その言葉がなんだか嬉しい。
昨日までは“明日会う”なんて当たり前だったのに、 今は特別な約束みたいに感じる。
二人でベンチから立ち上がる。
繋いだ手はそのまま。
公園を出て、ゆっくり帰り道を歩き始めた。
夕焼けはもうほとんど消えていて、 街灯がぽつぽつ灯り始めている。
その光の下で、彼が少しだけ照れたように笑った。
pr「……明日も、おはよう言いに行くからな」
ak「毎朝?」
pr「毎朝」
迷いのない返事。
ak「起きられなかったら?」
pr「起こしたる」
ak「どうやって」
pr「気合いで」
ak「無理でしょ」
二人で笑いながら歩く。
何気ない会話なのに、 どうしてこんなに楽しいんだろうと思った。
そしてその時、彼がふと呟く。
pr「……来年も、その先も、こんな感じやったらええな」
未来の話。
少し照れくさいのに、 不思議と嫌じゃなかった。
コメント
1件
第26話、じんわり沁みました…🤍 夕暮れの公園、風の揺らぎ、そして「来年もその先も」という彼の台詞――あの瞬間、現実の空気が変わったような気がしました。方言の柔らかさがキャラクターの優しさを際立たせていて、特に「明日もおはよう言いに行くからな」の迷いのなさに胸を掴まれました。何気ない一日が、誰かと特別な約束に変わる感覚をこんなに静かに描けるのは、水無月さんだからこそだと思います。続きが待ち遠しいです🌷