「この結果に伴い、俺から堂本さんへ提案があるんだけど……いいかな?」
森田部長からの問いかけに、この状況は何だ、と思いながら、不安混じりに曖昧な頷きを返す。
「え、ええ……」
座ったまま腰の引ける私に、部長が、にこり、と笑いかけてくる。
「実は、堂本さんの企画を回してほしい、って、うちの戦略部から依頼が来てるんだ」
「――は」
「審査に戦略部の部長も参加していたのは、気づいているよね?」
「は、はい、それはもちろん……」
あの日、審査役として並んでいた管理職らの顔と名前は当然、一致している。
「『これは良い商材だ、高値で売れる』と息巻いていたよ」
はは、と乾いた笑いを零す部長の瞳が、背筋に悪寒が走る程に冷えている。
そして、そのまま低く言い落とした。
「……全く、うちの大事な子の企画を横取りしようなんて、図々しいよね」
「………****************************
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