TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
救ってくれたのは

一覧ページ

「救ってくれたのは」のメインビジュアル

救ってくれたのは

8 - 第7話 _過去

♥

15

2024年08月14日

シェアするシェアする
報告する



_sha視点





俺はA国の研究対象だった。

簡単に言えば実験体。

誰かの傷を癒し、

俺自身の傷も癒すことができる。



こんな能力があるから、育ての親にも捨てられた。能力を利用するだけ利用して捨てていった。



でも、俺はそれで良かった。売ったお金で幸せに生きてくれるなら。




特にこれといった思い出もないけど、孤児だった俺を救ってくれたから。こんな俺でも役に立てて嬉しかった。




…あの人たちは幸せに暮らしてるかな。







A国に売られて、俺は戦争の道具になった。

俺の力を頼りに無理矢理な戦争を繰り返してた。



俺は兵士たちの傷を癒した。数え切れないくらい。でも傷を治したからこそ、苦しみながら死んでいく兵士もいた。



あの時、そのまま死なせてあげてたら、苦しまずにいられたのかな。




sha

「…ごめんなさい。」ポロポロッ





何人も戦争で死んだ。俺が長く苦しませた。俺の力を求めて戦争が起こることもあった。


俺がいたから。

俺がいなければ、命を奪わずにすんだかな。





この力も、誰かを救うために使いたかった。

誰かを苦しめたいわけじゃなかった。



そう思うようになってから、俺は誰かを癒すことを拒んだ。もう誰も苦しめたくない。







そしたら、A国の研究者の人たちは俺を実験対象にした。


不老不死の薬を作るために、俺を地下で監禁した。



どれくらいまでの傷を回復することができるのか?毒にも耐性があるのか?死ぬことはあるのか?



色んな仮説を立てて、俺で実験した。


でもまだ小さかった俺の体は限界で、

自分自身すら傷を治し切れなくなった。



食事や睡眠も充分にとってなかったから、回復にも限度があったのだろう。


切り落とされた腕も繋がるまでに時間がかかった。繋ぎ目の跡は一向に消えない。




傷を癒せるはずの俺の体は、ボロボロになっていった。



sha

「もう、疲れたな..」











救ってくれたのは

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

15

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚