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#シークレットベビー
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#シングルマザー
水羽凛
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会社員として働いていた隼人が急に仕事を辞めると言い出した。
それは結婚してすぐのことで、正直、私は隼人の気持ちをすんなり受け入れることができなかった。
生活のことを考えると、不安で不安で仕方がなくて。
私の収入だけじゃとてもじゃないけど、今までのような暮らしはできない。
画家として売れるには、どのくらいの年月がかかるんだろうって、将来の希望が持てなかった。
今現在、たくさんの画家を含め、アーティストと呼ばれる人がいる。アーティスト活動だけでご飯を食べていける人は一握り。
隼人だって、正社員じゃなくてもアルバイトか何かをして、家計を助けてくれるんじゃないかって思っていたけれど、彼が選んだ道は<画家一本>だった。
私は当時、相当悩んだ。
隼人のことは好き。だけど、応援できるほどの余裕はない。
周りはどんどん子どもも生まれていくし、本当なら夢だった結婚式だって挙げたかった。それは叶わぬ夢となって、現実には隼人の親に借金をしている状態。
「そっか。大変だよね。穂乃果だけの収入だけだと、何もできないじゃん?」
現実、そうだ。
美里の言っている通り。余裕ある生活なんて、隼人が仕事を辞めてからできていない。今住んでいるマンションも引っ越しを考えた。
「言い方悪いかもしれないけど、旦那さん、ほぼ無職でしょ?お小遣いとかどうしているの?」
私が悩んでいるところ、やっぱり気になるよね。
「義母や義父がお小遣いを渡してる。私だけの給料じゃ無理だよ。一応、財布は別なの。家賃とか食費とか生活費、全部半分にしてる。旦那の分は、親からもらってる。言い辛い時は、私の貯金から貸したりしているけど……」
隼人が画家一本になると言った時、近くに住んでいる義親に相談をした。
本当は
<穂乃果さんに迷惑をかけないよう、売れるまではアルバイトとかして両立をしなさい>
って言ってくれるのを期待していた。
それは私の希望だけになって、義親から出た言葉は
<頑張るんだぞ。隼人なら大丈夫。今は苦しくても、絶対売れるから>
なんて励ましの言葉だった。
ああ、恥ずかしい。
本当のことだから、美里には隠さずに話してしまったけれど。
「えっ?何それ?マジ、別れた方が良いよ!画家なんて、いつ売れるかわからないじゃん。親に借金とか、あとあと面倒なことになると思うし……」
そうだよね。でもそう簡単に離婚なんてできない。
隼人にだってたまに良いところもあるし、そんなにすぐ売れるなんてほとんど奇跡でしかない。
数年はなんとか応援しようって前向きに考えてはいるけれど、他人から見たら、すぐ別れる案件だよね。
「だよね。そう思うよね」
美里の意見は、きちんと聞いておこう。
他人から見たら、やっぱり離婚の案件なんだな。
ケンカしたり、最近はうまくいっていないけど、隼人の描く絵は好きだから。
「それにさ!」
なぜか美里はパッと瞳を輝かせた。
「穂乃果もさ、三十四歳なんだから。子どものことを考えたら、卵子凍結とかしておいた方が良いよ!絶対!三十五歳になったら、一気に妊娠しにくくなる身体になるみたいだし」
子どもか。
私だって子どものことを考えないわけじゃない。考えられないんだ。
ほしいよ。今の自分の生活がいっぱいいっぱいで。そんな中、子どもを作っても、その子のことを幸せにしてあげられるかなって不安なんだ。
「卵子凍結って、結構高いよね?」
「えっと。凍結って平均で五十万円くらいじゃない?詳しいことわからないけど、そんな風に聞いたことある。他に最終的には諸々かかってくると思うから。高額になるけど、子どもが欲しいなら絶対やっておいた方が良いよ」
平均で五十万円くらい?
だけど、それに保管料とか、妊娠した時もかかるんじゃないかな。
補助金みたいな制度もあるみたいだけど、今の私には敷居が高すぎる。
「アドバイス、ありがとう。考えとく」
美里は私のことを思ってアドバイスしてくれたんだ。
それを無碍にすることはできないよね。
美里の話は続き
「あと私、最近。家もほしくて。内見しているんだけど……。私、都外だから、一戸建てが良いなって思って。楽しいよ。いろんな住宅公園とか行くの!」
「えー。いいな。私、全然考えられないや」
家か。
それこそ考えられない。ずっと賃貸なんじゃないかって思うくらい。
都内のマンション購入なんて、今の私には夢のまた夢だ。
「まあ。そうだよね。そんな旦那なら、考えられないよね。うちの旦那、特にカッコよくもないし、愛想もないけど、浮気はしないし、お金は持ってるから、優秀なATMだよ。ま、穂乃果の旦那だって画家として有名になれば、一気にお金持ちじゃん!」
ええっと。美里、なんか雰囲気変わった?
旦那のことを<優秀なATM>って言い方、私はイヤだ。
応援しているのに、隼人の有名になったビジョンはすぐには思い描けない。矛盾してるのかな。
「私、高校生の時、穂乃果のことが実は憧れだったんだ。穂乃果、あの時、可愛くて明るくて……。《《夏目くん》》っていう、カッコ良い彼氏もいたよね?」
美里、当時の私のこと、そんな風に思っていてくれてたんだ。
「えっ。そうなの?嬉しいっ……」
「今の穂乃果、疲れてるように見えるよ。生活感ありすぎだし。なんか昔と違うから、心配」
コメント
1件
うわあ……読んでて胸がぎゅっとなったよ🥺 穂乃果さん、すごく頑張ってるのに、周りから「別れたほうがいい」って言われちゃうの辛いな。隼人さんの絵が好きで応援したい気持ちと、生活の不安で揺れる気持ち、どっちも本物なんだよね。 美里の「優秀なATM」発言にはちょっとモヤッとしたけど、それだけ現実って厳しいってことなのかな。34歳の穂乃果さんが抱える焦りとか不安がひしひし伝わってきて、応援したくなりました。 煉彩さんの書く人間のリアルな感情、すごく好きです🖤