私と君との備忘録

逸美：昔はね、凄い人見知りだったの

綾子：はぁ…

逸美：でも、徐々に友達が増えて来てあの子も毎日楽しそうに過ごしてたんだ

綾子：そうなんですね…

逸美：でも高校の時も知らない人ばっかりだったし中々だったの

逸美：いつかの日に大丈夫？って聞いたら隣の席の女子と仲良くなれるかもって話してくれたのよ？

綾子：和也…そんな事思ってたんだ…ｸﾞｽｯ

綾子は思わず涙を流してしまう

逸美：ちょっと、綾子ちゃん…笑

綾子：すいません…ｸﾞｽｯ

逸美：ほらっ。ティッシュ貸すから

綾子：ありがとうございます…

綾子：今の話聞いてたら和也って本当に良い子ですね…

逸美：そうでしょ？笑　和也は昔から良い意味で変わらないのよね〜…笑

綾子：素敵ですね…

逸美：そう？笑

綾子：はい…ｸﾞｽｯ

逸美：今は和也の復活を待つしかないね…

綾子：そうですね…

医師：ご家族の方ですか？

逸美：あ、はい

医師：少しお話ししてよろしいですか？

逸美：どうぞ

医師が和也の容態を話す

医師：和也さんはMRI、別名若年性アルツハイマーという病気にかかっています

綾子：え…

逸美：それって治るんですか？

医師：確実に治るとは言えません…

綾子：そんな…

医師：ですが進行は遅らせる事が出来ます

医師：あなたの和也さんとの関係性は？

医師は綾子に向かって尋ねる

綾子：私は…彼の交際相手の川島綾子です

医師：綾子さん、今のうちに和也さんと過ごす時間を大事にしてください

綾子：分かりました…

医師：ではこれで

逸美：ありがとうございました…

医師は戻っていった

逸美：綾子ちゃん、今のうちに和也との時間を大事に使ってね

綾子：はい…