テラーノベル
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昼食のねぎだくラーメンを食べていると、千歳(幼児のすがた)に聞かれた。
『なあなあ、そう言えばちゃんと聞いてなかったけど、咲さんってどんな人なんだ?』
「うーん、一言で言えば、明るくて元気で愛想がいい人だよ」
『おっ、だいぶお前の好みじゃん』
「まあ、話してて気持ちのいい人ではある。あとは、病院づとめの保健師さんで、人にメイクするのが好き」
『お前、こないだどんな風にメンズメイクされたんだ?』
「えーと、こんな」
俺はスマホを取り出して、咲さんにメンズメイクされたときの自撮りを見せた。
「まあ、二割増くらいにはなってるだろ?」
『うん、なかなかいい男だ。お前、今週咲さんと会う時このメイクしてけ』
「あー、その手があったか」
そうか、月曜に会った時もメンズメイクしてけばよかったな。咲さん的に好印象だったかもしれないし。
「あ、でもダメだ、咲さんの本売る向けのフルメイクするって言ってたから、すっぴんで行かないと手間になっちゃう」
『えーと、咲さんの趣味の本売るんだっけ?』
千歳には、即売会の簡単な説明と咲さんの趣味本を売る手伝いの説明はしてある。女装のことは全力で伏せている。
「そう、咲さん謹製のメーキャップ本。俺のすっぴん写真の後ろにメイクした俺が座って、この本読めばこんなになれますよって宣伝しながらの売り子」
『おー、うまい宣伝だ』
千歳はぱちぱち拍手した。
『即売会って、どんなところでやるんだ?』
「東京の、大田区の産業プラザってところの1階」
『遠いな』
「車で送り迎えしてくれるって。まあ、メイクは咲さんちでするから、早起きしないといけないんだけどね」
即売会の打ち合わせをLINEで引き続きしているのだが、咲さんが車出してくれるそうだ。女装しての電車乗車が回避されただけで、俺は相当気分が楽になっている。即売会だけの女装なら、女装コスプレイヤーがたくさんいる場所とのことだし、そんなに心理的に抵抗はない。
『じゃ、フルメイクでかっこよくしてもらって、いっぱい咲さんの本売って惚れられてこい』
千歳はにかっと笑った。……かっこよくというか、女の人にされちゃうんだけどね……いや、でも咲さんのヘキはそれなわけだしな……。
「まあ、その、咲さん好みになってくるよ」
俺は、ごまかすようにラーメンのスープをすすった。
コメント
1件
384話、読みました〜🥀 千歳くんに咲さんのこと説明するシーン、ほんわかしてて好きです。メンズメイクの♡♡♡見せるところとか、千歳に「惚れられてこい」って言われてごまかすようにラーメンすする主人公の反応が、照れ隠しっぽくて可愛かったです🤍 女装のこと伏せてるのが後々どう転ぶか、ちょっとドキドキしながら次も楽しみにしてます🌙
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がくじゅつてき・あかげ
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