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#恋愛
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『3918年2月27日』
[検査終了]
目が覚めると検査機の上だった。検査が退屈過ぎてうっかり寝ちゃったのかな。なんて呑気なことを思って体を起こすと94号がムスッとした顔をしていた。その隣にはウトウトしている3号がいた。
やっぱり3号も眠いよね。ていうか、検査する時にこんな薄い服着るかな〜。布の面積小さいから私的には手とか足とか出て嫌なんだけどなー。
2号は検査機から降りるとぐでりと椅子に座る。94号は、少し不服そうというより呆れたような顔をしている。ちょっと怒っている様子だった。
「3号、ここって寝ちゃダメな場所でしたっけ。」
「わからん…、でも謎に眠気が…。」
「2人まとめて検査機にぶち込んでやろうか?」
それはさすがにやめてほしい。もう一度あの検査機に入ったら今度は仮眠じゃすまない。
「検査機って、たまにムズムズして嫌なんですよー。」
「わかります。なんか鳥肌立つよねあの感覚。」
3号が眠っけのある声で便乗する。やっぱり94号はやれやれとした顔で見てくるだけだった。
2号は寝る体勢を取りながら94号の膝に頭を乗せて無防備にも寝始めた。94号のため息混じりの笑いが聞こえた。
「あなたこれからこの子と任務でしょう?この子抜けてるから見てやってね。…あと、薬…飲みすぎて身体また痩せてるわよ。顔色悪いし。」
3号は目が覚めたのか少し怒ったようにわかってると投げかける。3号は不安そうに自分の左腕を掴み俯いてでも確かに手の震えが見えた。
「手首の傷、戦闘で怪我したモノじゃないでしょう?」
94号は3号の手首を掴み惨たらしく刻まれた手首を見るが、3号は黙ってその手を振り払いあしらう。
「だとしたらなんですか。あなたには関係の無い話じゃないですか。」
「それじゃ、任務に支障が出るわよ。」
3号の瞼が一瞬ピクリと固まった。ため息をついて94号の方を体だけ向け顔を逸らした。
「わかりました。やめます。」
2号がふぇっ!?という情けない声をあげ場の空気は一変した。2号は体を起こそうとするが、全く動けそうになかった。
「3ごぉ〜起こすの手伝ってぇ〜!動けない〜。」
「本当に寝起き弱いわね!!!3号に頼らずに自分で起きなさい!!」
あれ、なんか3号また手首に傷が増えてる。3号の顔が少し暗いし、やっぱりこの子は戦ったら壊れちゃうよ。今度上と話してどうにかしてもらわないと。
3号は2号の肩を掴み体を起こすのを支えた。けれどまたグラりと足がフラついて2号は結局3号にもたれ掛かる形で落ち着いていた。
「94号、この人もう一旦部屋連れてった方が良さそうだから、自分連れていくので大丈夫です。」
「お〜、3号私のお部屋来ちゃうか〜。女の子のお部屋入っちゃうか〜。」
94号が苦笑いしながら手を振っていた。部屋の方まで距離があるなと3号はキツそうな声で呟く。
「あれぇ〜?私のお父さんのお母さんどこ行ったっけ。」
「寝ぼけてないでできれば早く起きてくれ。」
3号は怒っている様子はなく、もたれかかられると動きにくいと言い2号のことを肩で担いだ。
「思い出した〜。私のお父さんもお母さんも、もうこの世にいなかったんだ〜。」
「…そうか。そう…だよ…な。 」
やばいまた寝そー。ま、いいや寝たい時に寝るのが私のモットーって事でお休みしよ〜。
知らん間に部屋に着いたのかベッドの上にいた。3号は疲れたと言い地面に膝をついていた。
3号の手首を見るなり2号は目が覚めたのか、体を起こした。その勢いに驚いて3号の肩が少しピクリと動く。
「3号…、お母さんは…。」
「に…、2号大丈夫か?ここには…。 」
3号がいないというのを躊躇ってるのもわかってる。たまに夢を見るとお母さんとお父さんの死んだときの記憶が出てくるんだ。
「3号、平和になったらさ。花かんむり作らない?」
花かんむりは私にとっての平和の象徴だが、それは私にとってのだ。3号にとってはただの花遊びでしかないだと思うけど、私にとっては大事なモノ。
3号は呆れるでもなくただポカンた顔を浮かべていた。3号には、平和に暮らせるイメージもついていなさそうに見えた。
ただ確かに2号は3号の傷だらけの手首を傷に触れないように掴む。
「手首の包帯ほどけてきてるよ〜?」
「大丈夫。自分でやるから2号は寝といた方が──」
やっぱり3号私の部屋来るの気が気じゃないよねぇー。男の子が自分の部屋にいるって思うと私もなんか目が覚めてきちゃうし。
「たまにはお姉さんみたいな所見せたいよー。私弟は撫で回すタイプなんで3号も撫で回す〜。」
3号は腕を掴んだ驚きで膝をがっくりさせて屈んでいるから撫でるのは簡単だった。
「あ、包帯私やるよー。支え合い〜」
「やめて…」
私の手を振り払って3号は顔を引き攣らせた。やっぱり君は、その傷にも心の傷にも、触れてほしくはないんだよね。
「3号は…、もう少し不真面目に生きていいと思うよ〜。私も嫌なことに目を背けたくなるしー。」
「不真面目っつったって自分にはよく分からないよ。」
何となく近くにあった包帯だけ渡しておいた。渡した時、少し辛そうな顔をしていた。
「怪我したら、私にお任せ〜、たまには3号の傷に触れるのもペアとして大切なことだから〜。」
「君は優しくしていられるの?僕がもし…」
自分がヤバいやつだったらクズだったらその優しさが憎しみになるとかを言いたいのかな。そんなこと気にする時点で君は…、十分なのに。
重い瞼を落として眠りについた。