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第2章 昔の思い出
あいつは悪魔だ。あいつは俺になんの意味も教えてくれなかった。ミサキお姉ちゃんがあの悪魔と同じ学校に通っている。俺の大好きなお姉ちゃんがあの悪魔と一緒の学校にいるなんて俺は心配でならなかった。もしお姉ちゃんに何かあったら万が一のことがあったらと夜も眠れなかった。もし俺が女性だったらあのお嬢様学校に入ってお姉ちゃんの事を学校からでも守れるのに俺が守れるのは家に一緒にいる時か一緒に出かけている時だけ。唯一離れ離れになるのはお姉ちゃんが学校に行っている時だけ本当は毎日学校に行ってお姉ちゃんの事を見ていたいけど、俺も学生だ。学校に行かなくてはならない。さっき悪魔と言っていたがその悪魔は、安藤ミナミだ。あいつは俺に心を奪った。恋をしたなどの意味では無い希望、夢、何もかもを俺から奪った。なぜそう思うかと言うとあれは俺が中学の時思い出すだけでも寒気がする本当は話したくない過去だがこのままでは物語が終わってしまう。本当は語りたくない話を自分の口から言うのは抵抗がある。でも仕方ない俺が中学生の頃俺はいじめグループに酷いいじめを受けていた。いじめグループの奴らは俺を囲いながら「あ〜ほ、あ〜ほ、死ね、死ね、」とリズムに合わせながら俺を侮辱していった。アホと言われたが俺はいつもテストは90点以上でありアホではないと思っている。90点以上採っているなら別に自分の口からアホでないと言っても大丈夫だろう。あいつらはただ俺に嫉妬していたのだ。そしてあのいじめグループのリーダーはミナミだった。なんで?なんで俺を?ミナミは頭が良くてテストの点数もいいから俺に嫉妬するなんて思わないのに多分ミナミは俺に嫉妬しているんじゃなくて俺のその性格を羨ましがったんだと思う。いじめ受ける前までは自分で言うのはおかしいが友達が多くいた。そんな俺を見て友達の少なかったミナミは俺の事憎んだのだろう。そして俺をいじめたそうに違いない。ミナミは俺と目が合うと俺に近づき、「余計なことすんじゃねぇよ、ブス」などと言われたりした。余計なこととはなんだろう余計なことをしているのはお前らの方なのに。俺は分からなかった。自分を完璧だとは言わないでもいじめられる本当の原因もまだ見つかってない。さっき言ったものも断定ではなく予想だ俺を自分を見つめ直した。どこがいけないのか、何がダメなのか深夜になるまで考え続けた。でもよくよく考えているとバカバカしく思えてきた。なんでいじめグループのために俺がわざわざこんな事を考えなければならいのか、自分を責めてもなんの意味もないもはやあいつらにとっては好都合になる。あいつらは俺の心をズタズタにするためにいじめているのに自分で自分の心をいじめたらあいつらにとってはより俺をいじめやすくなる。そう思うと何をしているだろうと感じてきた。自分で削った時間だが懸命の思いで考えたこの時間を返して欲しいと思った。俺は学校に行き続けた。こういう時は不登校になりがちだが不登校をしてしまえばあいつらに負けるそう思ったのだ。学校に行き続けていじめを受けた。すると何故だろういじめを毎日受けているからかもう慣れてきて毎日言われてきた罵詈雑言や酷い暴力もバカバカしくなってきたそんな俺はおかしくなってしまったのか。慣れというのは恐ろしいものだ。俺は感情を無くしたかのように授業を受けていた。それを不気味に思ったあいつらはより酷く俺をいじめた。カッターナイフで俺の小指を切ったり、画鋲でしりを刺したりして楽しんでいた。でも俺は我慢し続けた。いや、苦しむ顔を楽しみにしているあいつらの思い通りにはなりたくないと思い苦しむ顔をしなかった。あいつらの思い通りにはさせないそう思うとなぜか痛みを感じることは無かった。赤い血が流れているのを自分の肉眼でまじまじと見ているがそれも綺麗だと思うようになった。自分にも綺麗な血が流れているんだとそして周りいるこいつらも俺と同じ綺麗な赤が体内に循環しているのだと生きるためにでもこいつらはそんな俺の命を奪おうとしているのだ。俺に怪我をさせ血を流しそれみて喜んでいるこいつらには人情も何もないそう確信した。俺はもうそろそろで卒業する。そういじめられた時期は3年生の冬からだった。寒い時期にバケツに入った水を被せられたのも思い出した。リーダーであるミナミはいじめに慣れてきた俺の事を見て悔しいと思ったのだろう。ミナミは俺の事をいじめることはやめた。するとその因果応報なのかミナミの学年末テストの点数は過去最低で先生からも注意を受けていた。恐らく俺をいじめることに集中してあまり勉強しなかったのだろう。自業自得だそう思うとミナミは俺のところに向かい「お前のせいだ」と点数が低かったのは俺のせいだと矛先を俺に向けたのだ。でもいじめを考えている最低な性格のミナミがそう思うのはしょうがないなぜなら性格の悪い人が自分のせいではないというものはよくドラマやアニメで見たことはあったが本当にそんな人がいるなんてと思うとおかしくなってきた。しかも目の前の人があんな最低な人間だったとはまぁいじめをしていたから当たり前だが。
俺も3月あの地獄のような中学から卒業することが出来た。もうあいつに二度と会えないように男子校に進むことを選んだ。これであいつともおさらばだ。俺は卒業出来る嬉しさとそれと同時にもうあいつに会わなくていいと思うとなぜか涙が込み上げてきて周りからは中学を卒業するから感動して涙を流したのではないかと思っているようだがとんだ勘違いだ。ここからは少しだけ時間を経過させる。高校入学から1ヶ月後お姉ちゃんからこんなメールが届いた。「ミナミが同じクラスにいじめられてる」と、俺の心は歓喜に溢れたざまぁみろと、俺にやってきたことがあいつにも降りかかったのだ。俺の事をいつもバカにしやがって本当なら俺がこの手でいじめてやりたいとも思った俺の憎しみは力となりその力は他の人の倍になりそうだからだ。だがそうしてしまうとアイツらと同じ人情のない最低人間になってしまうそれは避けたい。そうして考えたのはミナミにあって意味の無いアドバイスをしてよりいじめを助長させようとする作戦に出た。ミナミをレストランに呼び食事をすることにした。俺をいじめた悪魔と一緒に食事するのは嫌だったが作戦を成功させるにはやるしかない。ミナミは容姿が変わった俺に驚いていた。この日のために、頭を金髪にしピアスを開けメガネを外したのだから。この俺を見たミナミは少し顔が火照っていた。俺を見て一目惚れしたのかいやっこれは考えすぎだ。本当にそう思っていたとしても俺は遠慮する。食事をする時も昔の印象を変えるために不慣れなブラックコーヒーを頼んだ。初めて飲むブラックコーヒーはやはり苦くて砂糖を入れないと飲めない位だったがここは我慢して飲みきった。そして俺はミナミにアドバイスをあげた。そう意味の無いアドバイスを。ミナミはそれを信じ早速その翌日実行したらしい。無理のあるアドバイスだったがあいつがバカだから信じてもらえてよかった。すると予想通りミナミのいじめは酷くなりミナミはもうボロボロになっていたという。よし、作戦は成功だ。でも俺は諦めていないあいつを殺すことを。ミナミがいつも通学路として利用している横断歩道であいつの背中を突き飛ばし殺してやろうと思った。だが俺は何故かミナミの腕を引っ張ってしまった。焦ってどうすればよかったのか分からなかったのかもしれない。でもミナミはありがとうと感謝していた。どういう意味か尋ねるとミナミはここの横断歩道で自殺しようとしたらしく身を投げようとしていたらしい。あの時俺が助けなければあいつは俺の目の前で無惨な姿で死んだはずなのに俺は余計なことをしてしまった。悪魔を救ってしまったのだ。