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「んぅ…はわあぁ〜。」心地よい陽の光を浴びて目覚める。
俺はなぜか、平原の真ん中にいた。
辺りには見る限り建造物が見当たらない。
むしろ地平線まではっきりと見えるし。
近くには、崩れた洞窟のようなものがあるけど…。
眠る前の記憶があやふやで思い出せない。
とりあえず今の時刻を確認しようと、握りしめていたスマホを取り出す。
電源を付けてみる。…付かない。
えっ、付かない!なんで!?
俺がスマホと対峙していると、ふいに服を引っ張られた。
か弱い力で腰に巻いているパーカーの袖を、くいくいッと。
先を見ると、手のひらサイズの生き物がいた。
そこで俺はすべてを思い出した。
そう。洞窟で見た生き物が目の前にいる。
白い球体が2つ付いてて、可愛いお手々も2つ。
青いつばあり帽子に、季節外れの真っ赤なマフラー。
おまけにつぶらな瞳。
言い表しようのないほどの、THE 雪だるまがそこにいた。
…かわいい。
「ねぇ、君。…雪だるまくん。」「ここがどこか分かる??」
雪だるまくんはしばらく虚空を見つめていた。
やがて、ふいに生気を取り戻したかのように動き出した。
4、5歩程度、ぴょんぴょんと跳ねると、俺の方を振り返った。
着いてきて、と言っているみたいだ。
俺はパーカーを腰に巻き直して雪だるまくんに着いていくことにした。
【次回第二話】何かおかしい集落
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