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#Snow Man
桃紫 さく🌸
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#Snow Man
fura
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junp_Sn-Fk.
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後半、直接的な表現はありませんが、結構重めな暴力表現を含んでいます。
苦手な方は注意してください。
(渡辺視点)
タバコが嫌いだ。
「……ポイ捨て…」
後夜祭も終わって、まだ片付けが残ってる涼太を待つ。
先帰っててもいいよって言われたけど、俺が涼太を待ってたいから。
なんとなくうろついてたら、結構ポイ捨てとかも目立ってて…
涼太たちの仕事増やしたくないから、俺もこっそり拾う。
その中で見つけたのがタバコの吸い殻。
もちろん、触りたくない。
誰だってそうだろ。
俺は、煙も匂いも、全部が嫌いだ。
それが紙タバコだろうと電子タバコだろうと…
俺はタバコが嫌いだ。
誰が吸ってたかも分からないタバコ。
できれば…っていうか、ほんとに触りたくないけど。
「涼太たちにも触らせたくねぇしな…」
第一発見者の俺が捨てるべきなんだろうけど…
「あれ?翔太、まだいたの?」
「……ふっか?」
そんなこと考えてたら、急にふっかに声をかけられる。
こいつ、なんでまだいんの?
「あら〜、ポイ捨てじゃん。ひどいね〜」
「あ、お前!素手とかやばいだろ!!」
急に現れたかと思ったら、素手でタバコを手に取る。
こいつ、どういう神経してるんだよ!!?
「お前潔癖症じゃなかったの?」
「もちろんだけど?俺も触りたくはなかったよ」
じゃあなんで触ってんだよ!!
「お前、火傷してない?」
「ちゃんと冷めてるって。まだ火がついてたらとっくに校舎燃えてるしね」
「そういう問題じゃないだろ…」
わからねぇ…こいつ、何がしたいんだよ…
「それに、吸い殻には慣れてるし…」
「……え?」
吸い殻に慣れてる?
「涼太のこと待ってるんでしょ?俺も一緒に待っててあげようか?わら」
「べ、別に寂しくねぇし!!」
一瞬だけ複雑そうな顔を浮かべたふっかだけど、すぐにいつもの笑顔に戻る。
「で、お前はなんでまだいるの?」
「ん〜…な〜んでだ?」
「………家、帰んなくていいの?」
「さあね〜」
また、そうやって誤魔化す。
こいつは、昔からそうだったな。
俺が、佐久間が…
家の話をしたら、すぐ笑って誤魔化すんだ。
そこだけは、2年前から何も変わらない。
『翔太!涼太!ふっか!今度俺の家で遊ばない?』
『あー、いいじゃん。涼太も来るだろ?』
『翔太が行くんだったらね。ふっかは?』
『ん〜…俺も行きたい!佐久間の家行ったことないし!』
『じゃ、賛成!!そういやさ、ふっかの家は?俺、めっちゃふっかの家行きたいんだけど!!』
『俺の、家……?』
『確かに、お前んち知らねぇな』
『……あはは!ごめーん!うちは友達呼べなくてさ〜!わら』
『そっか。ふっかがダメならしょうがないね。翔太、佐久間、諦めよう』
『え〜!!行きたかった〜…』
『………?』
あの時だって、ふっかは絶対に俺らを家に入れようとしなかった。
笑って、何か隠してた。
「タバコ……翔太嫌いだよね」
「……急になんだよ」
ふっかが話題を変える。
よりにもよって、タバコの話かよ…
俺が家の話したからその嫌がらせか…?
「たまたま俺が通りかかったほんとよかったね。俺がいなかったら翔太が触ってたんでしょ?」
「お前みたいに素手では触んねぇよ」
今度は、少し心配するような笑顔。
こいつ、たまに男子高校生とは思えないくらいの母性オーラ出すよなぁ…
「ポイ捨てとか、マナーとしておかしくない?」
「後から片付ける俺らの気持ち考えろって感じだな」
「翔太はそういう役じゃないけど、偉いね」
「涼太と一緒に早く帰るためだし」
「あらあら、お熱いですこと」
「うるせー」
こうやって誰かと話してると、後夜祭の記憶も、タバコのことも考えないで済むからいいな。
「あーーー!!!!」
「うわ!?なんだよ!?」
急にふっかが隣で叫ぶ。
「………スマホのバッテリー無くなったぁ…」
「モバイルは?」
「忘れちゃったんだよね〜…翔太!」
「持ってるわけねぇだろばーか」
「ええ!!!うっそ…!!!」
「お前みたいにスマホゲームばっかしてねぇからな」
「俺だって忘れたくて忘れてきたわけじゃないんだからね」
持ってないってのは嘘だけど、どうせゲームするこいつに貸す気なんて俺にはないね。
「うわぁ…ほんと無理なんだけど」
本気で絶望を顔に滲ませてやがる…
どんだけゲーム命なんだよ!
「はぁ……帰るしかないのかぁ…」
「おう、とっとと帰れ」
「あはは…!ひどいな〜」
その笑い方……っていうか…雰囲気?
なんて言うんだろ?
さっきは母性オーラって言ったけど、今は……
「上司のセクハラに耐える女性社員…?」
「急に文学作品引用してくるじゃん」
「最近読んだ」
「ふーん」
でも、ほんとにそんな感じがした。
なんでだろ?
よくわかんねぇな。
結局、あいつは帰ってった。
涼太からもちょっと長引きそうって連絡きたし……
1人、か……
去年の後夜祭も、今みたいに1人だったな……
まだ、俺が風紀委員だった時…
俺が、涼太たちみたいにこうやって後夜祭の後片付けをしてて……
「……っ……」
タバコの、匂いがしたんだ。
見回り中に……高校で香るはずのない、特有の苦い匂いが……
おかしいなって思ったんだ。
一般客も帰ってるはずなのに、なんでタバコの匂いがしたのか。
俺は風紀委員だし、もし吸い殻だったら早く処分しないとだしで、急いで匂いの場所まで走った。
ほんとに、それだけだった。
「……!おい!何してんだよ!」
体育館裏、当時3年生だった男たちが群がってタバコを吸ってた。
紙タバコもいれば、電子タバコもいて……
その時の俺は2年生だったけど、そんなん関係なかった。
風紀委員として、注意しないと、止めないとって思ったんだ。
人を、呼べばよかった。
注意しようって前に出る前に、先生に連絡しておけばよかった。
俺は、判断をミスったんだ。
俺みたいな2年生、下に見られて当然だった。
俺の注意なんて聞くわけなかったのに……
「何やってんだよ!」
声を荒げて、俺はその群れの中に足を踏み入れた。
あまりの匂いに、喉が焼けるような感覚がした。
そいつらの口から吐き出される煙で視界が濁る。
思わず顔を顰めた俺に、そいつらは笑ってた。
「2年生のくせ生意気だな」
「こいつ、風紀委員の狂犬で有名な渡辺じゃん」
「ああ、とにかく声がでかいって有名な?w」
「誰にでも噛み付くってだろ!w」
そいつらの下卑た笑いが、すごい不快だった。
だからなんだよ。
それが俺の仕事なんだよ。
「お前らこそ3年だろ。何やってんだって聞いてんだよ」
俺は、ゲラゲラ笑うそいつらを思いっきり睨みつけた。
俺の態度が気に食わなかったのか、群れのリーダーみたいな奴が俺に近寄ってくる。
「てめぇ、立場わかってんのか?」
近くで喋られると、余計タバコの匂いが俺の鼻を刺激する。
でも、俺だって折れるつもりなんてない。
「だからなんだよ。お前らの方こそ、この後どうなるかわかってんだろうな?」
先生にちくってやる。
立場が危ういのはお前らの方だ。
俺の言葉に、群れにいる奴らは顔色を変える。
はっ、ばかがよ。
鼻で笑ってやるよ。
どれだけ謝っても、ぜってー許さねぇかんな。
そんな余裕が俺にはあった。
「暴力で口止めも無駄だぞ。俺の傷が証拠になるだけだから」
立ち上がって俺を殴ろうとしてきた奴らに釘を刺す。
こう言うのには慣れてるんだよ。
伊達で風紀委員やってねえんだわ。
「へぇ……だったら、先生に言われる前に思う存分テメェのことをボコってやろうか?」
リーダーみたいな奴がそんなこと言いながら笑う。
脅しだな。
こう言う奴は最初から殴る気なんてない。
ただの脅し、焦ってる証拠。
「やれるもんならやってみろよ」
真正面からそいつを睨みつける。
どうせ、できないんだろ。
一瞬、そいつは確かにたじろいた。
こんなふうに返されるとは思ってなかったんだろうな。
きっと、今までこうやって後輩たちを脅してたんだ。
……イライラする。
こう言う奴が、俺は大嫌いだった。
でも、それはほんの一瞬で……
俺も、相手が1人じゃなかったことを思い出した。
「言ったな?」
リーダーみたいな奴が、不快な笑みを浮かべる。
いつの間にか、背後に別の奴がいて……
「……っ!てめっ…!離せよ!!」
ダメだ、まずい……!!
相手は複数、力でも勝てるわけがない。
………‥殴られるなら、まだよかった。
何回か、こうやって注意しに行って殴られたことはあったし……
涼太が、心配してくれるから……
殴られる痛みだって経験済み。
いいよ、来いよ。
これでお前らも終わるんだよ。
俺が泣きながら先生に報告してやるからな!!
「………っ!?てめぇ……何す……っ!!やめろ!!!」
目の前に突きつけられたのは拳じゃない……
タバコ、だった……
「殴られるくらいは慣れてんだろ?だったらこっちのがおもろいじゃん?w」
そいつの言葉に、周りの奴らが一斉に笑い出す。
「ふざけんな!!おい!やめろ、離せ!!!」
無理やりシャツをまくられて、俺の腕があらわになる。
暴れる俺に注がれる笑い声とシャッター音。
笑いながら、そいつはタバコに火をつける。
タバコの先端が、赤く染まる。
「生意気な後輩、黙らせようと思いまーすw」
「やれやれ!!w」
「ははっ!今更暴れ出しやがったこいつ!ww」
息が上がる。
タバコの煙も相まって、息がしにくい。
これ、ほんとにやばいやつなんだなって思った。
ばかだな、誰にでも通じるわけなかったんだ。
そうだよな、だってこいつらは高校生なのにタバコを吸ってるんだ。
正論なんて通じるわけなかった。
赤く光る先端が、俺の腕に触れた。
「翔太!?どうしたの!?」
いつの間にかあいつらはいなくなってて、別の場所の見回りをしていたはずの涼太が、俺の目の前にいた。
それだけで、結構な時間が経ったんだなって言うのを感じる。
涼太が急ぎながら、体育館の壁で倒れてる俺に駆け寄る。
俺のことを心配して、起こそうとしてくれたんだと思う。
でも、俺の腕には………
「やめろ…触んなっ!!!」
触れると‥‥シャツが擦れるだけでも痛い……
大量の、火傷の跡があるから……
反射で、涼太に触れられることとを拒絶した。
涼太は、焦ったような、戸惑った目で俺を見つめる。
「翔太?翔太、俺だよ、?翔太?」
俺が、正気じゃないって察してくれて……
涼太は優しく、俺の背中をさすってくれる。
そうだ……目の前にいるのは涼太だ……
それのおかげで、俺はだんだん冷静さを取り戻してく。
「はぁっ、はっ、はぁはぁ…涼太、ごめ、俺……」
涼太のこと、拒絶するつもりなんてなかった。
「……ううん、大丈夫だよ。帰ろうか」
涼太は、何も聞かないで、ただ優しく俺を支えてくれた。
「…………うん」
俺は、タバコが嫌いだ。
あの日からずっと、タバコが嫌いだ。
コメント
4件
よし!その先輩は一旦◯そう☆( ^ω^ ) 🔫🔫🔫

ああ、読んでいて胸が締め付けられました……。渡辺のタバコ嫌いが、単なる好みの問題じゃなくて、あの日の出来事と直結してるんだなって。後半の回想、タバコの先端を腕に押し当てられるシーンはゾッとしました。涼太が何も聞かずにただ支えてくれたところ、あの優しさが本当に救いですよね。ふっかの「吸い殻に慣れてる」って言葉も気になるし、渡辺の視点から見えてくる彼らの関係性の奥行きがすごく好きです。