めめside
康二の話を聞いている間、Ωという性の辛さを再認識させられた。発情期の時の症状や抑止剤の副作用。こんな辛いのに、今までちゃんと気付いてあげられなかったというに胸が締め付けられる。
康二は途中途中言葉に詰まりながらも、一生懸命俺に話してくれた。
康二『まぁ、こういう感じ、やな…』
はは、と震えた声で笑って俯いてしまう康二。話してくれてありがとう、と伝えてまた抱きしめる。
抱きしめた康二の身体は震えていて、不甲斐なさと同時に愛しさが込み上げてきた。
康二『ごめ、っ…なんか安心してもうて、…』
蓮『謝んなくていいから。』
泣いていいんだよ。無理しなくていい、溜め込まなくたっていい、そんな気持ちをこめて抱きしめた腕に力を込める。
部屋には康二の荒い不安定な呼吸音と、鼻を啜る音だけが響いていた。
康二『…なぁ、めめ』
落ち着いたのか、俺の胸に顔を埋めながら話し始める。
康二『なんで、俺にそんな優しくしてくれるん?』
思いもよらない質問に心臓がドクンと跳ねる。固まったまま何も言わない俺を不思議に思ったのか、目鼻を赤くした康二が顔を上げる。
蓮『…そりゃ、大切なメンバーだから』
そんな事が言いたいんじゃない。確かに大切なメンバーだけど、それ以上に俺は…
康二『…そうよな、ごめんな?変なこと聞いて』
また俯く康二。俺の言葉を聞いた瞬間、一瞬だけ哂ったように見えた。
違う、まだ言いたいことがあるんだ。そう思っているのに中々声が出てこない。言わなきゃいけないんだ。
蓮『本当に、大切なメンバーだと思ってるけど』
康二の身体が反応して少し揺れる。
蓮『それ以上に俺は…』
言葉に詰まって何も言えなくなる。言いたいのに、なんで
また何も言わなくなった俺に、心配したような声がかかる。
康二『めめ…?』
康二はまた顔を上げたけど、反対に俺は俯いていて。言おうとする度に痛いほどに鼓動が加速して。
その時、自分の手が震えていることに気付いた。
…そっか、俺、怖いんだ。康二に拒絶されるのが。メンバーのままで入れば拒絶されることも無いし、一緒にいることだってできる。
でも、それでも伝えたいから。まだ震えている手で康二の手を握る。
蓮『康二は大切なメンバーだよ』
もう一度最初から、1つずつ伝える。
蓮『でも、それだけじゃなくて』
康二は下を向いたまま。でも俺の手を握り返してくれて。
蓮『俺は、康二のことがーーーー』
コメント
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(☝ ˘ω˘)☝ふぅー!!
すき😌😌😌😌😌😌😌😌😌😌☺️☺️☺️☺️☺️