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11年後……

私は26歳になった。今でも巫女としての役目を務めている。あの子たちは20歳になって今でも交流を続けている。あの子たちがいる日常が私にとっては幸せだった……


でも、その日常は長く続かなかった。


日常が壊れてゆく音がもう既に近づいてきた。


桜舞う4月。


(紗代子)「妖怪め……」

(紗代子)「覚悟!!!」

(紗代子)「ふぅ、これで最後ね」

(紗代子)「さてと……帰ろう……か……ん?」

なんだか嫌な予感がする。

(紗代子)「村の方に戻らないと!」

急いで村に戻った。

(紗代子)「なんともない?」

(紗代子)「気のせいか?」

(紗代子)「……ん?」

遠くから音が聞こえる。

ゴオオオオオオオオオオオ……

(紗代子)「……この音は……まさか……」

(紗代子)「みんな!!逃げろ!」

ゴオオオオオオオオオオオ!!!

津波だ。津波が村を飲み込まれた。

一瞬で奪われた。

(紗代子)「嘘でしょ……?」

ドドドドドドドドドド……!!!

(紗代子)「地震だ!」

(紗代子)「神社の方に……!」

山崩れの音と津波の音と地震の音が混じって恐怖の音として私たちに襲ってくる。

(紗代子)「神社……大丈夫かしら……?」


神社に着いた。

神社の様子は大丈夫みたい。

とにかくみんなの安否を調べないと!


津波に巻き込まれた人々の遺体を見つけてその人たちを抱えて神社の土地にある土を埋めてお祈りにした。

ごめんなさい……

助けられあげなくて……

日夜であの子たちを探し続けた。

あの子たちの名を呼んで探した。

(紗代子)「大二郎!亮平太郎!翔太郎!良太郎!辰太郎!照太郎!蓮太郎!康太郎!」

(紗代子)「真一郎!」

声を枯れるまで出し続けた。

そして、次の朝あの子たちには見つからないままに神社に戻った。

(紗代子)「……!」

そこにはあの子たちがいた。

(紗代子)「あなた達……」

(蓮太郎)「俺と真一郎だけだ……」

(蓮太郎)「他にはもう死んでる。」

(紗代子)「蓮太郎!真一郎!」

(蓮太郎)「この神社に着いてすぐに死んだ。俺達も死ぬ。」

(紗代子)「そんなことを言わないで!」

(紗代子)「私がなんとかする!」

(蓮太郎)「……」

(紗代子)「蓮太郎?蓮太郎!」

(紗代子)「真一郎だけは助かりたい!」

(紗代子)「手当てするから動かないで」

私が包帯を取って真一郎の足は血まみれだった為にそれを手当てにしようとした時……

ガッ!

(真一郎)「いい……もういい……」

(紗代子)「だめ!」

(紗代子)「あなただけは助かりたい!」

(紗代子)「これ以上は死なせたくない!」

(真一郎)「無理だ。俺は死ぬ。」

(紗代子)「……っ!」

(真一郎)「津波に巻き込まれたんだ。」

(真一郎)「それに山崩れと地震が来てさらに命を奪っていった。」

(真一郎)「俺はもう死ぬ覚悟してる。」

(紗代子)「どうして!」

(紗代子)「どうして!」

(紗代子)「あなただけは……」

真一郎が死んでいくことを耐えられなくてぽろぽろと涙が出てきた。

(紗代子)「お願いだから……」

(紗代子)「……」

(紗代子)「真一郎……」

(紗代子)「みんな……」

私は真一郎以外にあの子たちの亡骸を抱きしめて泣き続けた。そして夕方まで泣き続けた。

どんな時代でも色褪せない四季達。

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