学年一の優等生様には
才能がないらしい。
# prsk夢小説注意
# 魔法学園パロ
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「__よって、更に強い水の魔法を
使うことにより、火の魔法を
打ち消すことが出来る。そして
これを利用したのが…」
「じゃあここを朝比奈。これを
利用したのが何かを答えろ。」
「はい。消化活動です。」
「正解だ。朝比奈は出来がいいな。」
「そんな事ないですよ。
でも、ありがとうございます。」
歴史の授業開始から約20分弱。
今日も私は、授業の問題に当てられ、
その問題に正解する、という
単純作業を繰り返していた。
席に戻れば、
「朝比奈ちゃん、すごいね。」
「朝比奈さんって、頭良いよね」
近くの席の子達がそう言ってくる。
「えっ、そんなことないよ。
でも、ありがとう。」
私が微笑むのもセットで、
いつも、毎日繰り返してる。
『魔法祭での、ゴミ処理を
お願いしたいんです。』
( …魔法祭での、ゴミ処理か。)
別に、嫌では無かった。
でも、私にも魔法祭でやることがある。
魔法で出し物を作ったり、
宣伝チラシを街に配りに行く。
それが終わったら接客で、
やる時間はない。
( あ…でも、間に10分休憩があったはず )
( それを利用して、地下に行って、
ゴミ処理すれば何とか間に合うかも )
( 地下へはそんなに遠くはない。
みんなに言って、間に行けば行ける )
そう考え、私は後で
生徒会室へ向かうことを決めた。
「_そして、人類には誰しも
少なからず、”魔力”がある事が判明した。」
「魔力がある事が分かった当時、
とある事件が多発していた。それは何か。」
「はーい。」
僕が挙手をすると、
「白月さん。」
青髪のショートカットがよく似合っている、
学習委員会委員長の
桐谷遥さんが僕を当てた。
「魔力が多くなる時期の子供…6歳から
18歳に渡る広い範囲の子供が、
誘拐・拉致・殺害等の被害に遭った。」
「正解。けど正しくは6歳半からだよ。」
「あ、忘れてた。」
たった6ヶ月で、何が変わるんだろうと
いつも思いつつ、
僕は教科書のページを捲る。
歴史はちょっと苦手なんだよな。
「じゃあその被害に遭った子供の人数は?」
「はい。」
「星乃さん。」
次の問題で当てられたのは、
星乃さんだった。
「えっと…約12万人です」
「正解。」
「_もう二度とこんな被害に遭う
子供を作ってはいけないと思った政府は、」
「なんという政策・法律を考案したか。」
「はいはいっ!」
「鳳さん。」
「あたし達みたいに、学園に入学させた!」
「…鳳さん。『方法』じゃなくて
その方法の『名前』だよ。」
「あっ!えーと、政策が『学園入学政策』、
法律が『誘拐罪』です!」
「正解。」
「やった!」
キーンコーン カーンコーン。
ちょうどその時、チャイムが鳴った。
「じゃあ今日はこれで終わろうか。」
ぱたんと教科書を閉じ、
黒板消しを持った。
「次は…実技だから、
準備したら実技教室かな。」
そう時間割を見ながら桐谷さんは呟いた。
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