鬼の本拠地、無限城は最深部の一部だけ、起動しており、行灯の明かりが灯っていた。そこで激しい音を立てて鍛錬を行っていたのは、強さをだれよりも追い求めるもの、上弦の参、猗窩座だった。しかしその時、彼は城の外から来る気配を感じ取っていた。それも百や二百ではない。敵、味方、交じり込んだような。その時、全く動いていなかった無限城の第一層までもが明かりが灯り、鬼たちも目覚める。
「……一体、何が…だが!楽しそうだ」
その瞬間、無限城に百ほどの障子が浮かび、人や異形の生物が落ちてきた。
その中にいたのは、ホロライブ、ヒロアカ、鬼滅の刃、呪術廻戦の陣営、そして彼らの敵だった。その中で、沙花叉クロヱがビビりながら落ちてきていた。
「何ここ〜!!怖いぃ〜!」
横で同時に伊黒も落ちてきていた。
「うるさい、異国の女!足手まといになるぞ!」
「誰!?そんな事言わないでぇ〜!」
しかし、沙花叉は運良く城の床に着地した。それを横目に伊黒は落ちていく。しかしクロヱの隣の障子から、鬼と呪霊が戸を突き破って出てくる。
「うわあっ!!」
その時、水飛沫が舞い、剣士が鬼たちを切り刻んだ。半々羽織の変わった羽織と、その落ち着いた風格から、只者ではないことはクロヱにもわかった。
「た、助けてくれてありがと…」
「…お前、どこから来た?」
「ん……?、…東京…?」
「ほお…?その割には格好が奇妙だが……まあいい…来るな」
その時、さらに無限城が輝きを持ち、行灯がパチンパチンと灯る。その明かりが灯った塔の最上部に座りながら琵琶を持っている女、鳴女を照らし出す。
「あの女か……」
その瞬間、ベベン、と琵琶の音が鳴り響き、障子が現れ、さらにクロヱを飛ばす。彼女は無限城から弾き飛ばされた。そこに広がっていたのは、ただでさえ無限に続く無限の城よりも大きい、無限に広がる和風の街だった。眼下では鬼殺隊、ヒーロー、呪術師、ホロライブの陣営が、共同戦線を張り、戦争を行っていた。クロヱも落下しそうになる。しかしそれを黒い影が受け止めた。
「やはり異国の女とやらは危なっかしい…」
蛇柱の伊黒小芭内は、不安定な足場の中、街を駆け巡り、クロヱを受け止めたのだ。
「あ…ありがとうございます!!」
「ふんっ…異国の女と言えど一般人を鬼殺隊が見捨てるわけにもいかん!」
「わ、私も戦います!」
街の屋根から和風の街に降り立つと、すぐに街が歪み、青い炎が渦を巻いた。
「チッ…なんだぁ…?この世界。死柄木たちもどこいった…?」
それはヴィラン連合の中でも冷酷な青い炎を武器とした残虐性を持つ男、荼毘だった。
「なんだ…?お前、人間なのか?」
「あ?心外だなあ…さっき聞いたぞ?鬼殺隊は人を守るお仕事だってなぁ」
「ふん、何をいう、カタギの人間はな…俺も元々お前のような奴だったからわかる。お前はあちらの世界の人種。そして俺もそうだ。」
「ふーん!じゃあ、仲良く火祭りと行こうか!」
荼毘が火を向けると、街に引火し、すぐさま青い炎が渦巻く大火事と化し、広場に煙が上がる。すぐさま、鬼殺隊と鬼、ヴィランが集まる。
「貴様らよく聞け。あの炎男は俺が引き受けた。お前ら一般隊士は鬼、そしてヴィランと呼ばれている奴らを掃討しろ。」
「了解しました!こちらはお任せください!蛇柱殿!」
「ほお…?任せるとは随分余裕だな!その余裕も全部燃やし尽くしてやる!」
「燃焼70%プロミネンスバーン!」
荼毘が突撃してきたので、クロヱを抱え、隊士にも回避指示を出すという柱ならではの余裕を見せつけ回避すると炎を纏った荼毘が家に突撃し、家が激しく燃え始める。その様子を青白く黄色くもある瞳が無限城から眺めていた。
「ふん。俺も隊士抹殺といくか。……貴方様の期待に答えます。無惨様!」
ホロライブの一員、角巻わためは、一般隊士と合流し、開けた無限城の目立つ道を走っていた。後ろからは無数の鬼が追いかけてきている。
「みんなぁー!わためたちの方向にいっしょにきて!!」
わためは、一般隊士との共闘をおびえながらも楽しんでいた。その時、雷鳴のようなものが響き渡り、上から黒雷が落ちてくる。その目には、上弦の陸の数字が刻まれており、粉塵の獅子の目でこちらをぎろりと睨み込んでいた。
「…珍しい見た目のやつだなぁ…」
コメント
1件

異国の女…w確かにそうかもだけど…🫠