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ワイルドウルフの依頼終了後、夜間の道は危険と判断し、森で野宿をしてから帰る事になた。

ワイルドウルフが討伐されたが、森の生態系が元に戻るまで数日かかるらしく、その間は安心安全に野宿が可能らしい。

俺はワイルドウルフとの命賭けの鬼ごっこ、『部位強化』の魔法使用でかなりの疲労が溜まっていたため、この後の移動がないのはありがたかった。

『部位強化』で使う魔力の量は『見切り』と同じ『バレット』の弾丸10発ほど。

ただ使用してからしばらく経つと、副作用として『部位強化』を使った四肢に疲労が蓄積される。

アドレナリンが出ていたためか使用直後は平気なんだが……。

一応『見切り』も目や脳を少し酷使するため多少の疲れは残るものの、魔法を開発してから毎日のようにゼフとの訓練で使用していたため、それほど疲れなくなった。

もちろん『部位強化』も使っているが、肉体疲労はどうしても解決できなかった。


「ふぁ〜」

「アルト君、今日は君に無理をさせてしまったからね。限界だろう?見張りは私がやるからゆっくりお休み」


考え事をしていたがついに眠気の限界が来て欠伸をしてしまう。

カインさんが見張りをしてくれていると言ってくれたし、お言葉に甘えることにする。

俺は疲労の限界に達していたため、眠気に逆らわず意識を手放した。







次の日俺は朝早く森から馬車で帰宅をし、報告のため冒険者ギルドへ向かう。

マリナさんに結果報告をしたら、何故か安堵された。

そんなにワイルドウルフが心配だったのだろうか?

マリナさんには冒険者登録をした時からずっとお世話になっていた為、結果で恩返しが出来たみたいで本当に良かった。

報告が終了し、依頼全てが片付いた。

そして今、俺はカインさんと別れの挨拶をする。


「アルト君お疲れ様。依頼に協力してくれてありがとう」

「いえ、これらこそ良い経験ができました。全てわかった後ですが、リスクがあまりなく、あそこまでの経験は普通できません。それに今回の依頼を通してまだまだ自分の足りないところがわかりました。今後精進していきたいと思います」

「依頼が終わった後だと言うのに……君は努力家だな」


俺の言葉にカインさんはそう評価した。

本当にカインさんには感謝しかない。

こんな経験は絶対にできないし、原作開始前にできたのは大きい。

自信に繋がったし、目上の存在にも俺の魔法は通用し、Bランク程度ならなんとか時間を稼ぐことができる事が分かった。

これは今後のことを考えるとすごいことだ。


「あ!」


俺はふとカインさんから借りていた魔力ポーションのことを思い出した。

結局使わずに依頼を終了させた為、未使用だ。

俺はすぐにバックから取り出しカインさんに渡す。


「カインさんこれ、お返しします」

「あーこれか……」


俺がカインさんに渡すもすぐには受け取らなかった。

そしてカインさんは少し考えてから言い始めた。


「これはアルト君にあげよう。もともとそのつもりで渡したものだ」

「?!でもこんな貴重なもの貰えません。それに俺は魔力量は多くありません。カインさんが持っていた方がいいと思います」


本当にこれは受け取れないし、俺が使ってはもったいない。

カインさんが使った方が絶対いい。

俺がそのことを伝えるがカインさんは受け取らずに俺に話してきた。


「君は魔力総量が少ない。だから短期決戦のスタイルをしているんだったね」

「はい……」

「なら尚更これは持っておいた方がいい。魔力総量が少ないからこそアルト君にとって魔力ポーションは必要なはずだ。それに君にとってこれは切り札になるはずだ」

「切り札ですか?」


確かにカインさんの言う通りだ。

俺は魔力総量が少ない。

だから短期決戦を好むし、短期決戦しかできない

そんな俺にとって魔力ポーションは喉から手が出るほど欲しいものだ。

それにしても切り札とは?


「まだ理解してないみたいだな。そうだな………これは例え話だが、もしも一回の戦闘で魔力を使い切っても、敵を倒せなかったとしよう。その場合はどうだ?」

「それは……」

「その時、魔力ポーションの有無は天と地の差がある。ポーションがあれば即座に回復し、再び戦える。しかし無ければ当然回復はできず、無力に終わってしまう。ピンチの時に何かしらの打開策があること。それが切り札というものだ。冒険者にはどんな場面でも打開出来るような手段があった方がいい」

「確かに」


その考えは俺にはなかった。

確かにカインさんが言ったような状況が来たらまずい。

今後必ずその局面は来ると思う。

原作改変を目指す俺からしたら頻度は多いと思う。

……カインさんからのせっかくのご厚意だし、もらっておこう。


「わかりました。ありがたくいただきます」

「うん、それでいい」


俺は出していた魔力ポーションをしまう。

そしてお互いに挨拶を交わした。


「ではこれで。本当にありがとうございました」

「ああ。こちらも良いものが見れた。ではまた今度!」

「はい!」


そう言ってお互い別れた。

今回の件は収穫が多い。戦闘経験に魔力ポーション。

本当に依頼を受けてよかったと思った。

しかし、最後にまた今度とはどういうことなのだろう?

多分冒険者をやっていれば今後会うかもしれないということかな。

俺は考えをまとめながら家族が待つ屋敷に帰った。





それから数日後、冒険者ギルドに俺宛の「王立フューチャー学園」から手紙が届き、驚くことになった。

俺モブじゃん……〜ギャルゲの世界に転生した俺は超不遇当て馬ヒロイン救済のため、奮闘する〜

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