「やばい、あと少しで11時になる…」
「なに仁人、緊張してんの?笑」
「してるよ普通に。」
「大丈夫だってお前は」
「どっからそんな自信が湧き出てんだよほんと」
しばらくすると針が11時を指した。
期待を抱きつつ、スマホを前に一通の電話を待つ
♪ ..ιllιlι.
その音を聞いてすぐさまスマホを手に取った
…
「永遠…」
そう呼ぶと、嬉しそうに俺を見つめ返した
「で、どうだった?笑」
「合格した…」
「笑笑だからいったろ?大丈夫だって笑そうと決まれば、さっそく行ってこい!」
「今から?」
「うん」
「…わかった」
荷物をまとめ、玄関へと向かう
「あ、永遠」
「ん?」
「ありがと」
「笑笑おう 」
「あ、あと、お前の言う"大丈夫"嫌いじゃないよ」
「笑笑早く行けって」
仁「失礼します。吉田仁人です。」
勇「お、 きたきた。まずは合格おめでとう」
仁「ありがとうございます」
太「満場一致で君だったよ笑」
柔「まさかあの"Ito"だとは思ってもなかったけどね笑」
え…?
あぁ、毅が話したのか,,,まぁそりゃあバレるよな…笑
思いもしない言葉に頭が真っ白になったが直ぐに理解した。
勇「明日色々と事務所やら活動やら話すから、10時くらいにまたここに来て」
仁「分かりました」
勇「てか、もうメンバーなんだから敬語じゃなくていいからな?笑」
仁「わ、、…うん。」
舜「あ、そういえば、吉田さんに会いたいって人来てるよ」
仁「ん…?」
…
ドアの開く音とともに振り向けば
嬉しそうだが今にも泣きそうな顔をした毅だった
何年かぶりにこうして…ちゃんとお互いに顔を合わせて言葉を交わす。
審査員と応募者ではなく
"古川毅"と"吉田仁人"として
緊張はなく、ただ目の前に毅がいるという妙な安堵と、穏やかな脈打つ鼓動を感じた。
どんだけ毅に会いたかったんだよ、俺…笑
「よ、仁人。久しぶりだな」
「毅…久しぶりだね」
「4年経っても変わんねぇな笑」
「いや、あなたも変わってないですけどね笑」
「…身長低くなった?笑」
「お前は知能が低くなったか?」
「冗談だよじょーだん笑てかお前、踊れたんだな。びっくりしたわ」
「いや、毅こそ、歌えたんだな」
「まぁ、あなたには負けますけどね」
「当たり前だろ笑"天才"なんだから笑」
「笑笑そうだな、俺らって"天才"だったな」
「笑笑」
こんな、至って平凡な会話が何よりも幸せで
「ほんと、待ちくたびれたわ〜…4年も待たせやがって」
「うん。長い間待たせてごめん」
「いいよ…俺はお前が戻ってくるって信じてたから」
「仁人、」
「ん?」
「おかえり笑」
「ただいま笑」
お互いに向き合って歩んだ道に
新たな道が
"古川毅"として
"吉田仁人"として
新たな居場所で、
お互い歩み始めた。
end.(仮)
コメント
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あと2話ほどありまして、明日が本当の最終話になります。 (「その後の2人〜」についてです) 最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです☺️