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僕だけの姫と 私だけの王子

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僕だけの姫と 私だけの王子

11 - 第11話 間に合わない

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2022年02月10日

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「兄様…」

城に帰る途中で兄に会った。兄は…怒っていた。

「どういうことだ。ルーガ…!!」

僕は何も言えずに兄を見つめることしかできなかった 。

「 あの子だったんだな。父親が入っていたのは…。 お前は、王なんだぞ!! 罪人と一緒にいるなんてあってはならない!!」

「 僕は!!…彼女を治したいんだ。僕が治すから、もう少しだけ待って。」

「…………待たない」

「え…」

「 父上が言っていたことが本当なら、もう民に病気がはやり始めてもおかしくない」

「 まだ何もないだろ!大丈夫だよ」

「 その一言で多くの者の命を奪うことになるんだぞ」

「 それは…」

 その時、王子。と優しい声が聞こえた。

「 王子…。 もういいよ」

「ベル!その姿は…」

「あのね、王子。私が罪を犯したのは、今から三年前なの。もう、いつ病気が流行るかわからない」

「そんな…」

僕はどうしたらいいかわからなかった。すると兄は、あまり感情を込めずに、ボソッとつぶやくように、

「父上に報告する」

と言った。

僕だけの姫と 私だけの王子

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