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「兄様…」
城に帰る途中で兄に会った。兄は…怒っていた。
「どういうことだ。ルーガ…!!」
僕は何も言えずに兄を見つめることしかできなかった 。
「 あの子だったんだな。父親が入っていたのは…。 お前は、王なんだぞ!! 罪人と一緒にいるなんてあってはならない!!」
「 僕は!!…彼女を治したいんだ。僕が治すから、もう少しだけ待って。」
「…………待たない」
「え…」
「 父上が言っていたことが本当なら、もう民に病気がはやり始めてもおかしくない」
「 まだ何もないだろ!大丈夫だよ」
「 その一言で多くの者の命を奪うことになるんだぞ」
「 それは…」
その時、王子。と優しい声が聞こえた。
「 王子…。 もういいよ」
「ベル!その姿は…」
「あのね、王子。私が罪を犯したのは、今から三年前なの。もう、いつ病気が流行るかわからない」
「そんな…」
僕はどうしたらいいかわからなかった。すると兄は、あまり感情を込めずに、ボソッとつぶやくように、
「父上に報告する」
と言った。