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コメント
1件
あのさ…最高なんだけど〜♡♡
ヴァンパイアの世界に来て、かれこれ一週間が経った。
いきなり翔太や目黒に抱かれたりして、俺の心も体も追いつけていない。
翔¦ごめん、涼太
あの日の夜、翔太は二度目の血を吸った。
それから翔太と会うことは少なくなった。
避けられてるのかな、俺……。
言い過ぎちゃったし、傷つけちゃったよね。
なんだかつらそうな表情を浮かべて、俺に謝ったのが最後で……。
そうだ、今日はバレンタインだった。
ヴァンパイアの世界にそういう文化があるかわからないけど、俺は毎年 翔太に感謝を込めて作っている。
だから、これを理由に翔太と お話がしたい。
しっかりと謝らないと……。
涼¦えっと、阿部さんでしたよね?目黒はどこにいるか知りませんか?
亮¦今はこのお城の書庫にいますよ?
涼¦あの、案内してください!
亮¦わかりました。ついてきてください
亮¦めめ~?
そこには、メガネをかけ、本を真剣に読む目黒がいた。
その姿は なんとも美しい。
蓮¦あれ、舘さんも来たの?
亮¦舘様がめめに用があるんだって!俺は席を外すから、あとはごゆっくり~♪
蓮¦どうしたの?
涼¦あの…バ、バレンタインって知ってる?
蓮¦知ってるよ。想い人にチョコを渡したりするんでしょ?
涼¦そうそう!
蓮¦それがどうしたの?
涼¦俺、翔太にチョコを作りたくて…。それでお願いなんだけど、目黒にチョコ作りを手伝ってほしい!
蓮¦いいけど、俺には作ってくれないの?
涼¦もちろん、作るよ
蓮¦え、ほんとに?
涼¦ほんとだから!
蓮¦じゃあ、今から材料 買いに行こう!
涼¦うんっ、!
ヴァンパイアの世界にもデパートが存在する。
ただ、種類が豊富で、どれもよくわからない文字ばかり……。
目黒についてきてもらって正解だったかも。
蓮¦しょっぴーには内緒で作るの?
涼¦まぁね。毎年恒例だから、言わなくてもわかってると思うし、、
蓮¦そっか……
涼¦今年はアーモンドチョコレートにしようかなぁ……
蓮¦俺はね、ガトーショコラが好きなんだ。でも、しょっぴーはミルクチョコレートの方が好きそう笑
涼¦確かに笑。じゃあ、この二つにしよう
のんびりと買い物を済ませ、目黒のお家に帰る。
そして、キッチンへ向かった。
それにしても、目黒のお家は〝お城〟という言葉がよく似合うほど豪邸だなぁ。
未だに迷子になりかける……。
いつか、慣れる日が来るのかな。
……って、慣れたらダメ!
俺は元の世界に帰らなきゃでしょ!
きっと、みんな心配してるだろうし…。
蓮¦よし、準備できたよ
涼¦それじゃあ、始めよう!
目黒と俺で役割分担しつつ、じっくりと時間をかけて作っていった。
そして……。
涼¦完成っ!!!
蓮¦美味しそう!
涼¦目黒のはこっち、翔太のは小袋に包んであげよう
蓮¦食べてもいい?
涼¦召し上がれ
蓮¦いただきます!パクッ、…ん!美味しい……
目黒がいつもよりも子どもっぽく笑う。
蓮¦ありがとう、舘さん
〝ありがとう〟か……。
久々に言われた気がする。
涼¦どういたしまして
蓮¦舘さんも一口どう?
そう言って、目黒は俺に向けてチョコを差し出す。
涼¦じゃあ…もらうね。ぱくっ、
俺は無意識に、目黒が食べたところと同じところを食べた。
蓮¦舘さん……
この一言で、目黒と顔の距離が近くなったことに気づく。
涼¦あっ、ご、ごめんっ、!!///////
互いに目が合わせられず、沈黙が続く。
なんで今さらなんだろう。
キスとか抱かれたりとか…そんなことされてきたのに。
なんで、変に意識しちゃってんだろう…俺。
蓮¦パクッ、舘さん
涼¦何───
チュッ…
涼¦んっ、
チュクチュク♡
涼¦ん”ぅっ、ん”ん……ッッ/////?!?!♡♡
レロレロレロ♡♡
涼¦ん”れっ、ふぅ…ッッ?!??/////♡♡ん”ぅ…っぷはぁ”……ッ/////!!!!♡♡
蓮¦舘さん大丈夫?笑
涼¦はぁはぁ……だれの、せぇらとぉ…ッッ、///
息が上がって、滑舌が回らない。
蓮¦可愛い笑
涼¦……っ、/////////
やっぱり、俺は変だ。
こんな所に連れてこられて、散々 無理やり抱かれて…。
目黒の笑顔も、ただ からかってるだけだと思ってた。
でも今は、そんな風に思えなくて…胸がきゅっとなって………。
苦しいのに、苦しくなくて。
なんなの、この感情は……。
蓮¦好きだよ
ドキッ────。
一瞬の胸の高鳴りで俺は確信した。
俺は、目黒のことを好きになっている。
〝好き〟という言葉を期待している自分がいる。
涼¦どうしたらいいの……(小声
俺はその場で顔を隠すように しゃがみ込んだ。
見なくてもわかる。
体が熱い。
きっと、顔が赤くなってるんだろうな。
蓮¦舘さん、どうしたの?!
涼¦ねぇ、目黒…
いっその事、声に出してみようかな。
確証は持てないけど、どうしてもこの感情を知りたいから。
涼¦俺、ここに来て…目黒に〝好き〟とか言われるのすごく嫌だった……
蓮¦……っ、!
涼¦それなのに……
───俺…いつの間にか、
目黒の〝好き〟を求めちゃってる
蓮¦舘さん、それをなんて言うか知ってる?
涼¦何?
蓮¦〝恋〟だよ
俺は、目黒のせいで…
目黒のことも、この世界のことも、ヴァンパイアのことも……
全部、憎めなくなっちゃった。
もう少しだけ、
ここにいたいって思うようになっちゃった。
涼¦目黒、、
蓮¦ん?どうした、?
涼¦もし、この世界に俺の居場所があるなら……許される限り、ここにいてもいいかな?
蓮¦前に言ったでしょ?そういう運命だって……
どうやら俺は、
この世界を受け入れようとしてるらしい。
蓮¦いい?舘さん、、
涼¦うんッ、
蓮¦ガリッ……ヂュルルルルッッ♡♡
涼¦んぅ”っ”、ひゃぅ”ッッ~~~~~~~~っ”!?!!♡♡
蓮¦ふふっ、すごく甘い。さっきのチョコレートよりも、蜂蜜よりも……
涼¦やっぱり、俺は目黒のこと……
蓮¦そうだね。間違ってなかったみたい。改めて、俺の男娼になってください
涼¦俺からも言わせて。蓮の男娼にならせてください
蓮¦ヤバい、なんか超恥ずかしいわ…///
涼¦だね笑/////
涼¦…あのさ、男娼になるってどういうことなの?俺ってヴァンパイアとかになったりしないの?
蓮¦なり始めてるよ
涼¦え?
蓮¦もうすぐ、この世界にも千年ぶりに夜明けが来る。今年は、大切な年でもあるんだ
涼¦(千年に一度の年って、本当だったんだ)…夜明けに何か意味でもあるの?
蓮¦夜が明けると同時に、ヴァンパイアの男娼に選ばれた人間はヴァンパイアになる。ヴァンパイアになると、もう二度と人間に戻ることはできない……
涼¦つまり、?
蓮¦人間の世界に帰ることはできない。その日に永遠の愛を誓うんだよ。でも、俺は舘さんに無理強いはしないよ
涼¦えっ、どうして?
蓮¦ここに無理やり連れて来たのも俺だし、、元の世界に帰りたいんでしょ?
涼¦……っ、
蓮¦選ぶのは舘さんだから。俺といたいなら、ここにいてもいい。元の世界がいいなら、元の世界へ帰らせてあげる
涼¦い、今決めなきゃダメなの?
蓮¦いや、夜明けまであと一ヶ月。それまでに答えを出してくれたらいいよ
涼¦わかった、、
蓮¦これだけは言っておくけど、俺に気を遣わなくていいからね?
涼¦いたっ、翔太~!
翔¦涼太!?わりぃけど、、(逃
涼¦えっ、なんでっ、待ってよ!
翔太を追いかけ、手を掴んで止めた。
涼¦逃げないでよ、
翔¦追いかけてくんなよ…
涼¦どうして?
翔¦俺…また涼太を傷つける……
そうだった。
翔太は、こう見えて繊細で、傷つきやすい。
それなのに俺は……。
涼¦ねぇ、聞いて?俺…翔太の為にチョコ作ったの。しっかりと話がしたくて……だから、ちゃんと話そ?
翔¦うん、、
涼¦……ミルクチョコレートで作ってみたんだ
翔¦いただきます。ぱくっ、もいしい……
涼¦もいしいってなんだよ笑
翔¦その、ごめん……
涼¦いいの。俺の方こそ言いすぎた。本当に、言っちゃいけないこと言っちゃったし…ごめんね?
翔¦涼太は俺のこと、嫌い?
涼¦嫌いじゃないよ。翔太は?
翔¦俺は好きっ!
涼¦そっか。ありがとね
翔¦うん……ッ、
気づいたら、翔太は泣いていた。
辺りが暗いおかげで、俺も素直に泣けた。
涼¦俺ね、目黒の男娼になろうと思う
翔¦へっ、?!
涼¦俺……目黒のことが好きなの……
翔¦あぁ、そう……
涼¦もし…俺が男娼にならずに、元の世界に帰るとしたら……翔太は一緒に来てくれるの?
翔¦無理だな。俺、向こうの住民じゃないもん。男娼を探しに行ったのに見つからなくて、こっちの世界に帰れなくなってた。その時、涼太と出会って……
涼¦でも、俺たち病院からの幼馴染でしょ……?
翔¦それは違う。俺が涼太や みんなの記憶を改ざんしたの
涼¦じゃあ、嘘ってこと?
翔¦そうだね
涼¦……そうだったんだ、、、、
翔¦言っとくけど、気遣いなしで ちゃんと考えろよ?
涼¦目黒も言ってたけど、なんで…?
翔¦男娼になっても、誓うことができなかったら…朝陽に焼かれてタヒぬだけなんだ
涼¦え?
翔¦ヴァンパイアって、孤独に飢えてタヒぬ哀れな生き物なんだよ
涼¦……っ
俺はまだ、
ヴァンパイアのことも
この世界のことも
何も知らない。
でも、
この世界のことや
彼らのことを…
もっと知りたくなった。
もしかしたら、
人間の世界で
生きることができる方法が
あるんじゃないかって……。