その場をさり、別の席に座った。
「ふー…セーフ…」
と、安心した。
これできっと大丈夫。でも油断はしない。私は冷徹の天使として、生きていくから。
ティーナの、出番だ。
ティーナは私の弟子。
ティーナとの関係は、私とティーナの過去にある…
私は天使の中でも最高級の天使の家系だった。
だから、私が生まれた時は、みんな私に期待という感情を抱いた。(設定)
一方、私の弟子のティーナは、天使の中でも特に秀でた家系でもなかった。
なので、ティーナが生まれた時、周りの天使も、私も期待なんてしていなかった。(設定)
だがある日、ティーナが私と同じ神に使えることになった。
ティーナとは年が近かったが、関わることはなかった。でも私はティーナのやる気を見ていたので、少し興味を抱いていた。(設定)
「エル様!」
「何?」
「えっと…あ、えっとですね…」
ティーナはおどおどしつつも私に声をかけた。
「あの、私、ティーナって言います。しょ、初対面です…よね」
「うん、そうだな」
「い、いきなりで悪いんですけど…あの、お、お弟子さんにして頂けないでしょうか!!」
告白をされたかのように、いきなり師弟関係を結びたいと申しでた。
私は、仕事もあるし自分の鍛錬もあったので、簡単には了承できるはずはなかった…が、
「…や、やっぱりダメ…ですよね、忙しい中、時間をとってくださりありがとうございまし…」
「いいよ」
「…え?」
「私は仕事はあるがすぐに終わってしまうの。ほとんどが鍛錬をしている毎日なんだ。師匠として君を教育するとなれば、私も基本を再確認することができる。だから良い。」
なぜこの時、了承したのかは今だにわかっていないが(設定)、結果的に良い影響をもたらしたと思うので、後悔はしていない。(設定)
「私が、君を強くしてあげるから」
…こういう関係だ。そう、師弟関係。
私もティーナも、今はとても仲良しだ。
だから、頑張って。
「ティーナ、動きが鈍い。まだ大会の方がマシだったよ」
「そんなこと言わないでくださいー!!ううーだってだって一回戦で負けたんですよ!?恥ですよ恥!」
大会から1週間。私は、まだ“例の力”を植え付けられていない。ティーナは、大会のことをまだ根に持っているようだ。
「ティーナ、来年頑張ろう。そのために鍛錬を重ねるのだよ。」
「だって!エル様ならぜーったい優勝してましたもん!!だから悔しくて悔しくて!!」
ティーナは切り替えが遅く、負けず嫌いだ。凄くめんどくさい。
私エルは、元人間だし?日本からやってきたし?優勝なんかできないんだよな〜
「ほら、もう今日は終わりだよ、部屋に戻りなさい」
「…?」
ティーナが不思議そうに見つめてくる。
「どうしたの?私の顔に何かついているか?それは私でも恥ずかしいのだが…」
「ぷふっ!エル様、大会の日だけめっちゃおかしかったですよね!いつもの威厳が全然ないっていうか!今は元通りで、なんか面白い!」
「何なの…私だって笑われたらいい気にはならないのだが…」
ティーナが突然笑いだしたが、私はよくわからなかった。
「では失礼しました!!明日から切り替えます!明日もご指導よろしくお願いします!!」
今度は、突然部屋を出て、バタッと扉を勢いよく閉めた。
私は、武術や能力の鍛錬を隠れてやっていた。
人間だった時は、保体とか、めちゃくちゃ苦手で、50m走も10.98などと、凄く足が遅かった。
唯一できるのは柔軟くらいで、マット運動は得意な方だった。
だから、運動、能力、この世界の歴史、この世界の言葉など、一からやらなくてはいけない。
それを毎日少しずつ頑張っている。
今日は能力。
エルは、冷徹の天使。その名に似合う能力を持っている。
それは…
「「感情を左右する能力」」と、
「「傷を負うほど力が上がる能力」」だ。
この2つの能力があるため、「冷徹の天使」と呼ばれるようになった。
私は、強くならなくてはいけない。
そうしないと、「強くなれば強くなるほど寿命が擦り減る力」を与えられてしまう可能性があるから。
私はエルを演じ、本当の自分を消して、この世界で生きていくんだ。
「もうこんな時間か。」
夜になった。最近は夜になるのが早く感じる。今日はもう寝よう。
おやすみなさい。
「ーーあ…か。目……よ。」
「ーー…すか。目覚……のだ。」
「“朱鳥”!」
「はい!!」
誰かに呼ばれて勢いよく起きる。
ちなみに、朱鳥というのは私の本当の名前だ。「神月 朱鳥(かみつき あすか)」
あれ、誰だろう。みたことがない人だ。てか人じゃないよ、この人?は羽があるもん。
ていうか、ここってまだ夢の中じゃない?水色の空間だもんね。
「ここは夢の中じゃ。」
綺麗な女の人?は、そう言う。
「あの、聞いても?」
「良いぞ」
「では…どちら様ですか?」
「わしは神じゃ。お主の守護神じゃよ。」
「え!」
まさか神だそうだ。しかも守護神。
「え、えっと、初めて知ったんですけど。」
「そりゃそうじゃ。わしは今この時、初めて明日香に話しかけたからな。」
「ええ〜」
話についていけない。混乱してしまう。
「わしはお主に一つ話をしに来たのじゃ。」
「は、はあ…」
「お主、わしを頼れ。」
コメント
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今回もまたまたいい作品でしたね。見ててどうなるんだろう、とかワクワク(*´ ꒳ `*)ってなりました!これからも楽しみにしてますので、頑張ってくださいm(_ _)m
今回もめっちゃ良かったです♪ これからも頑張れ(*´꒳`*)