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「風夜は本当に何もわからないのですよね?」

とある日ブラックがそう聞いた。

「ん?そだけど」

「記憶を取り戻したいと思わないのですか?」

「まぁ、喪失感みたいなのはあるけど……記憶喪失になるってことはいい記憶じゃ無いんだろうね。取り戻したいとは思わない」

「そうですか」

ブラックは弄んでいたポーションをささっとしまった。

「まさかそのポーション僕に飲ませる気だったのか?」

「ええ。もしあなたが記憶を取り戻したいと思っているのならこのポーションが役に立つのかと思ったのですが不要だったようです。どうせ実験の副産物ですので処分しようと思っていたものです。気にする事はありませんよ」

風夜は顔を顰める。ブラックの作る発明品は優秀なのだが時に突拍子も無い結果を招く。だから正直ブラックの発明品は関わりたく無い。被験者などなった暁にはどんな結果が待っているか想像もしたく無い。だが……

「気にする事はないって言っても……一回聞いてしまった以上割り切れないんだけど……」

この性格だ。このクラスのお人好し二人組ほどでは無いがそれでも『お人好し』の部類に入る自分の性格に風夜は盛大に溜息を吐いてしまった。しかしフッと笑うと、

「とりあえず借りても良い?ちょっと興味湧いちゃった」

と言ってブラックからポーションを借りた。


『……ふふふ……隙だらけですねぇ……』

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記憶を思い出すポーション、ブラックやべぇな。そして最後の意味深な発言、怪しい、

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