テラーノベル
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朝食のクリームスパゲティを食べて、魔法瓶に甘い紅茶を詰めたら行動開始。
格好は昨日と同じだけれど、ザックの中身はテント等が無い分軽い。
更にアイゼンも装着。
ある程度歩いて緩まないか確認して、それから出発。
荷物が軽いけれど、足下が慣れていないのでちょっと気を使う。
「がにまた、がにまた」
そう意識しながら、一歩一歩慎重に歩く。
ちょっと歩くと登山道と合流。
右へ曲がってゆっくり歩く。
左側が所々見晴らしがいい。
「あっち側の山はどこの山ですか」
「奥秩父の西側の方の山ですね。金峯とか瑞牆とか」
そんな感じで歩いていく。
道は少しずつ登り始めている。
でもきつい感じではない。
むしろ荷物が軽いせいだろうか。
結構楽な感じだ。
所々から見える、ちょっと遠目の林の木が何か面白い。
形と言い、雪のかぶり方といい。
「クリスマスツリーが林になっている状態だね」
まさに彩香さんの言うとおりだ。
歩く方向に、いかにもという感じで東天狗と西天狗がそびえている。
でも何か調子のいいまま歩いて。
道がちょっと広くなった処で休憩。
「どうですか。アイゼンは緩んでいませんか。足の感覚は大丈夫ですか」
そう言われて、皆それぞれ確認。
バンドでアイゼンを付けている面々は、バンドを更に締め直す。
「何か凄く楽で、調子がいいのだ」
亜里砂さんの感想。
どうもそう感じているのは、僕だけではないらしい。
「ここから東天狗まで、ちょっと急登になりますよ。急がなくてもいいから、一歩一歩確実に歩きましょう」
紅茶を皆で回し飲みした後、再スタート。
確かに急だけれど、今まで経験したことのない急さではない。
ただ、下が雪なり氷なので、しっかり一歩ずつ注意して歩くけれど。
稜線に出たせいか、風が少し気になってきた。
強風とまではいかないけれど、けっこう吹いている。
その代わり、左右とももう絶景状態だ。
「北アルプスも見えますね」
右にも左にも、遠くに山が見える。
どっちも雪を被っている。
登ったら、今いるところと同じような感じなのだろうか。
頂上かと思っていた大きな岩を、ぐるっと回って越える。
ようやく本当の東天狗の頂上だ。
陽が眩しいばかりに輝いている。
確かにサングラスをしないと目が悪くなると言うのも、わかるな。
山頂の標識の処で記念撮影。
最初は未亜さんがシャッターを押して、次は先生がシャッターを押して。
「絶景だよな。ここから先の八ヶ岳とか、ここの手前の八ヶ岳とか、ルートがわかりそうなくらい見える」
先輩の言う通りだ。
実際、登山者が歩いているのも見えるし、道がわかりそう。
更に。
「雲海を初めて見たのですよ」
未亜さんの声。
太陽の出ている方向の下が、雲海になっている。
そんな風景をしっかり堪能。
未亜さんは、あちこち写真を撮影。
そしてまた紅茶をいただいた後。
「さて、風が強いから出ますよ」
名残惜しいけれど、東天狗の頂上を後にする。
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羽海汐遠
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