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「遊宵先生」
成瀬ちゃんが出て行った後の相談室には新たな客が来ていた。
「おー、和住」
「西田さんは先程自宅に送り届けられたそうです」
「そうか」
「…成瀬さんの様子はいかがでしたか?」
「うーん。自分を責めてなきゃいいけどな」
「…そうですね。お二人のためにも即刻この事件を解決すべきです。何か犯人に繋がる手掛かりは得られましたか?」
「そうだねぇ、…犯人はこの学校の関係者の可能性が高いね。例えば……教師とか」
「…教育現場においてあってはいけないことです。警察に通報しましょうか」
「それはもう少し後の方がいいかも。…似たような事件が学校近辺で最近起こったとかは聞かないからね。不特定多数に危害を加える変質者ってよりも、西田さんのストーカーという方がリコーダーの件を踏まえたときに辻褄が合う気がする。そして、そのストーカーの存在を西田さんが認知していないわけが無い。つまり、学校に報告してないってことは何らかの理由で西田さんはストーカーの存在を隠しているということになる。だから、西田さんは警察に通報して大事にされたくは無いんじゃないかな。…事件が解決した後、学校に来れなくなる可能性もあるし」
「なるほど。では…明日の体育大会はこのまま開催するということでよろしいでしょうか?」
「そうだね。今回の事件のことはまだ生徒たちに秘密にしておいた方がいい。それに、体育大会の日は校舎がガラ空きになる。犯人が西田さんのロッカーで再び犯行に及ぶ可能性も高いしね」
「了解致しました。お二人の担任として、私も事件の解決に協力させてください」
「うん。担任として当然の責任……って、そうか」
「どうかなさいましたか?」
「うん。…少し思いついた事があるから、僕の方で先生たちを探ってみるよ。またね、和住」
相談室を出た僕は一度深呼吸をした後、職員室に向かって静かに歩き出した。
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