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心咲視点

ふー!

仕事終わった~!

夜ご飯なにかな


…涼香、大丈夫かな


なんか、嫌な感じがする…

早く帰ろう。


ガチャッ!

「ただいまっ!」

涼香、大丈夫だよね?


「あ、心咲お帰り~」

…良かった。


「ごはんできてるから、手洗ってきな~」

…いつも通り。

気のせいだったのかな。


「うん!」

ガチャッ…パタパタ…

急いで手を洗って戻る。

ガチャッ

「ただいま!」


「じゃあ、食べよっか!」

「うん!」

「「いただきます!」」

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涼香視点

…とりあえず、夜ご飯作らなきゃ。

心咲そろそろ帰ってくるよね?


よし。できた。

ちゃんと、いつも通り笑おう。


ガチャッ!

「ただいまっ!」

あ、帰ってきた。


「あ、心咲お帰り~」

笑おう。


「ごはんできてるから、手洗ってきな~」

いつも通り。


「うん!」

ガチャッ…パタパタ…


ガチャッ

「ただいま!」


相変わらず速いなぁ


「じゃあ、食べよっか!」

「うん!」


「「いただきます!」」


ん。美味しかった。


「心咲、お風呂入ってきて良いよ。」

「片付け、やっとくから。」

心咲は、仕事がんばってるもんね。


「え?良いよ良いよ!」

「明日は僕出社遅いし、今日の夜ご飯作ってくれたのは涼香じゃん!」

や、優しい…


「…じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね」

「行ってきまーす!」


「うん。行ってらっしゃい!」


ふう~…

…温かいな。



顔の筋肉をよくマッサージして、お風呂から上がった。


ガチャッ

「ただいまー」

「心咲、行ってらっしゃい」


「うん!行ってくるね」


…すごい。片付け全部終わってる。

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心咲視点

ふぅ。美味しかった~!


「心咲、お風呂入ってきて良いよ。」

「片付け、やっとくから。」


「え?良いよ良いよ!」

「明日は僕出社遅いし、今日の夜ご飯作ってくれたのは涼香じゃん!」

そう言ったのは、たまには片付けをやろうと思ったのと、涼香に一番風呂をプレゼントしたかったから。


「…じやあ、お言葉に甘えさせてもらうね」

「行ってきまーす!」


「うん。行ってらっしゃい!」

ちゃんと、疲れ取ってきてね。


さあ!片付けやっちゃおう!


よし!終わった~!


…片付け、思ってたより大変だった。

いつもこれを涼香はやってたんだ…

…申し訳ない。


そんなことを考えてたら、涼香が戻ってきた。


ガチャッ


「ただいまー」

「心咲、行ってらっしゃい」


「うん。行ってくるね」

お風呂から上がったら、感謝を伝えなきゃね。


ふう。

気持ち良かった~!


ガチャッ


「涼香…?」


あれ?いないや。

もしかして、もう寝ちゃったかな?

そう思いながら、涼香の部屋に向かう。


カチャッ


「…涼香?」

あ、寝てるなこれ。

仕方ない。感謝は明日の朝伝えるとしよう。


僕も寝よう。

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涼香視点

…心咲、お風呂行ったね。


部屋行こ。


もう。パソコンは開かない。

かわりに、もう何年も使ってない便箋と封筒を出してみる。

心咲に、手紙を書こう。


カチャ


あ、心咲上がったぽい。


…寝たふりしとこう。


ガチャッ

「…涼香?」

寝たふり寝たふり…


カチャッパタパタ…


よし。行った。

もう少しだけ、待ってから続きを書こう。


よし。書けた。

じゃあ、寝ようかな。





…今は何時?

あ、4時半だ。

窓を開け、空を眺める。

東の空がうっすら白んできていた。


…良かった。一番綺麗な時間にいけそう。


昨日書いた手紙を机の上に置き、

窓の前にスリッパを揃えて脱ぐ。


裸足でベランダに出ると、思ってたよりもひんやりしていて、少し驚いた。



あぁ、空が綺麗だなぁ。

ねぇ心咲、手紙、ちゃんと読んでね。

強い君のことだから大丈夫だと思うけど、こっちにはまだ来ないでね。


さあ、そろそろお別れの時間だ。

ベランダの手すりに手をかける。


「よいしょ…っと。」

ベランダの柵の外側に立ち、朝の空気を胸いっぱいに吸い込む。


突然、部屋の扉が開いた。


ガチャッ

「涼香っ!?」


…なんで来ちゃうんだよ。

顔を見たら、飛べなくなるってわかってたから、

お別れの挨拶も手紙にしたのに…


「り、涼香、待って。行かないでっ!」

心咲が、泣きながら、必死にこっちに来る。


あぁ、また泣かせちゃったな…

ごめんね心咲、最後なのに泣かせちゃって。


ふっと笑って言った。

「心咲、ばいばい。」


心咲の方を向いて、落ちていく。

君がヒュッと息を飲む音が聞こえた。


これで良いの。

うん。

これで良い。




…なのに、なんでかな?

涙が零れてくるのは。



…もう、遅いね。


前を見ると、そこには地面が迫っていた。



ゴシャッ…

そんな音を、聞いた気がした。

またね。は言わない。

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